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不毛地帯(5) の商品レビュー

4.6

75件のお客様レビュー

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2020/07/12

再読完了。 舞台が総合商社であるだけに、スケールの大きさを感じる。サルベスタン鉱区で油を掘り当てた時の描写は感動的である。 物語上、どうしても主人公の壹岐の周囲にいる人物は、いわば“敵役”である。しかし、それぞれの人物の視点で見ていくと、彼らもまた正義のために戦っているのであ...

再読完了。 舞台が総合商社であるだけに、スケールの大きさを感じる。サルベスタン鉱区で油を掘り当てた時の描写は感動的である。 物語上、どうしても主人公の壹岐の周囲にいる人物は、いわば“敵役”である。しかし、それぞれの人物の視点で見ていくと、彼らもまた正義のために戦っているのである。鮫島氏は言うに及ばず、里井副社長は、社長の椅子を狙い自分を脅かす壹岐を追い落とそうと画策したものの(結局それが自身の首を絞めることとなってしまったのだが)、それは会社を盛り上げるためであり、壹岐とはベクトルが違うに過ぎない。 スケールの中にも人間というものを見事に表現した傑作だと思う。

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2020/01/26

壱岐副社長の男っぷりに泣かされるサラリーマンは多いのでは。大企業から中小零細まで老害はびこる企業が多い日本社会。サラリーマンのカタルシス小説です。

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2019/10/29

内容紹介 拷問、飢餓、強制労働――地獄のシベリアから生還した男。 商社マンの孤独な戦いを通じて戦後史を活写する記念碑的長編。 大本営参謀・壹岐正は、終戦工作に赴いた満州でソ連軍に抑留される。 酷寒のシベリアで、想像を絶する飢餓と強制労働に11年にわたって耐え抜き、 ついに昭和3...

内容紹介 拷問、飢餓、強制労働――地獄のシベリアから生還した男。 商社マンの孤独な戦いを通じて戦後史を活写する記念碑的長編。 大本営参謀・壹岐正は、終戦工作に赴いた満州でソ連軍に抑留される。 酷寒のシベリアで、想像を絶する飢餓と強制労働に11年にわたって耐え抜き、 ついに昭和31年、帰還を果たした。 その経歴に目を付けた近畿商事の社長大門の熱心な誘いに応え、 第二の人生を商社マンとして歩むことを決意。 地獄の抑留生活の傷も癒えぬまま、再び「商戦」という名の新たな戦いに身を投じる。

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2019/08/22

まず時代が時代だからというのもあって、ほとんどどの登場人物にも完全には共感も感情移入もできなかった。男性の苦しさ、しんどさもわかるけれども、女性にはそもそも選択肢すら無かった時代。家庭に入って男と子ども(ともしかしたら親とか義理の親とか)の世話をするという「幸せ」という名の唯一の...

まず時代が時代だからというのもあって、ほとんどどの登場人物にも完全には共感も感情移入もできなかった。男性の苦しさ、しんどさもわかるけれども、女性にはそもそも選択肢すら無かった時代。家庭に入って男と子ども(ともしかしたら親とか義理の親とか)の世話をするという「幸せ」という名の唯一の選択肢しか与えられていなかった時代。でもそれはきっと裏返すと、男性にも、その人の能力や得意不得意に関係なく外で働くという(より広い意味では唯一の)選択肢しか与えられていなかったということでもあるんだろうとも思うが。 いくら母親が亡くなったからと言って何故娘が父親の出張の荷造りをせねばならないのか、私には本当に理解ができない時代だとあの部分でめちゃくちゃ感じた。(だいたいあそこまで丸投げでどうやって旅先で困らずに生活できるのか。荷造りなんて自分でしておかないと後々自分が困るものなのでは?逆にそういう特殊能力持ってたならすごいよね昔の男の人。って思うレベル。) ただ、「昔はこれが当たり前だった」ということを知るためにという意味はすごくあるとは思った。 ・・・と、これだけぶうたら言いながらも面白く最後まで読めたのはやっぱり物語の緻密さゆえだったと思う。考えられないほどの取材と、それに基づく考えられないほどよく練られた構成。すごかった。面白かった。

Posted byブクログ

2019/02/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1~5巻までまとめて。 山崎豊子氏の綿密な描写により、躍動感溢れる内容となっています。読む側の専門知識が足り無くて何言ってるのか分からない所も多々有りましたが。 商社での最後のシーンに引き際の美学を感じた。自分もあのように生きれるだろうか... スーパーマンのような主人公壱岐正ですが、男としては最低ですな。ビジネスマンとしては立派だけど下半身に人格がないキャラというのが山崎氏の企業トップの男性に対するイメージだったのでしょうか?

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2019/02/11

2019年1月30日、読み始め。 ようやく、5巻にきましたか。 カバーの小解説を読むと、この小説のタイトルが「不毛地帯」という理由が、少しわかったような気がする。 2019年2月9日、読了。 全5巻読了である。 シベリア抑留者を対象とした朔風会のモデルは、朔北会で、その朔北会...

2019年1月30日、読み始め。 ようやく、5巻にきましたか。 カバーの小解説を読むと、この小説のタイトルが「不毛地帯」という理由が、少しわかったような気がする。 2019年2月9日、読了。 全5巻読了である。 シベリア抑留者を対象とした朔風会のモデルは、朔北会で、その朔北会は2004年に解散しているようだ。そして、朔風会をまとめていた谷川大佐のモデルは、長谷川宇一とのこと。谷川大佐の生き様は、感銘を受けた。

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2018/01/17

懸案だった山崎豊子を読む。元大本営参謀将校がシベリア抑留を経て商社マンとして世界を相手に奮闘する物語。フィクションのような話だが、基本プロットは実在した伊藤忠商事の瀬島龍三氏。キャラクターは、著者がこれまで見てきた男性のイメージを合わせているという。 600ページ✕5冊。さすがに...

懸案だった山崎豊子を読む。元大本営参謀将校がシベリア抑留を経て商社マンとして世界を相手に奮闘する物語。フィクションのような話だが、基本プロットは実在した伊藤忠商事の瀬島龍三氏。キャラクターは、著者がこれまで見てきた男性のイメージを合わせているという。 600ページ✕5冊。さすがに重厚な物語。シベリア抑留のくだりは、精神的にも肉体的にも、今では想像すらできないレベルの過酷さ。戦争が遠くなった昨今、こういう時代があったこと、ここから立ち上がってきた人たちが今の日本を作ったことを、息子たちに読んでほしい。まずは、机のそばに置いてみよう。

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2018/01/09

シベリア時代にも、文章を読んでいるだけでまるでそこにいるような錯覚を起こさせるくらいに精密な描写と、それを可能にさせる取材力に圧倒されたが、商社時代になっても、それは全く衰えていない、どころかさらに加速している。戦闘機や車、石油など、その時代を反映する様々な事件を題材に、主人公の...

シベリア時代にも、文章を読んでいるだけでまるでそこにいるような錯覚を起こさせるくらいに精密な描写と、それを可能にさせる取材力に圧倒されたが、商社時代になっても、それは全く衰えていない、どころかさらに加速している。戦闘機や車、石油など、その時代を反映する様々な事件を題材に、主人公の壱岐は葛藤し、成果をだし、また苦悶する。出版から年月が経っていても、古さを感じさせず、壱岐の生き抜く人生に学ぶところは多い。

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2017/02/23

入札で取ったはいいけど出なくてやばかった石油が遂に出て、くすぶっていた自動車提携も最後に話を進めて、相場でおかしくなった大門社長と一緒に退陣して終了。うっとうしかった恋愛ネタもほろ苦い感じで終わり、結局最初に戻ってシベリアの同胞のために第3の人生を生きていく、と。5巻はホントに怒...

入札で取ったはいいけど出なくてやばかった石油が遂に出て、くすぶっていた自動車提携も最後に話を進めて、相場でおかしくなった大門社長と一緒に退陣して終了。うっとうしかった恋愛ネタもほろ苦い感じで終わり、結局最初に戻ってシベリアの同胞のために第3の人生を生きていく、と。5巻はホントに怒涛の展開でめっちゃ面白かった。長かったけど。

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2016/06/21

悪戦苦闘の末読了。 壱岐正という主人公の生きざまはかっこいいし、一本筋が通っているのだか、逆にいうと国際商戦の中ではこんなきれいごとでは行かないだろうという作り話っぽいところもある。

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