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不毛地帯(5) の商品レビュー

4.6

75件のお客様レビュー

  1. 5つ

    46

  2. 4つ

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2023/06/08

前半は戦争のためシベリアでソ連に酷使される悲惨な内容。後半はシベリアから無事帰還し、第二の人生として、商社マンとして、組織や国益を考えながらビジネスの世界に身を置く話。 前半は、読むのも辛く、ただただこんな残酷なことが本当にあったのかといたたまれなくなる。 後半は、主人公の実...

前半は戦争のためシベリアでソ連に酷使される悲惨な内容。後半はシベリアから無事帰還し、第二の人生として、商社マンとして、組織や国益を考えながらビジネスの世界に身を置く話。 前半は、読むのも辛く、ただただこんな残酷なことが本当にあったのかといたたまれなくなる。 後半は、主人公の実直な人柄が眩しく、大義の為に、こんなに身を削らなくてはならないのかと驚いてしまう。当然かもしれないが、人の上に立つポジションの人は責任と覚悟と志が必要なんだなと、感じ入った。

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2023/05/27

5巻連作の最終巻。流石の山崎豊子さん作品読み応えがあった。唯一物足りなく感じたのは、壹岐がキレイな人すぎて親近感は持てなかった点。 個人的には他の山崎作品である沈まぬ太陽の方が主人公の辛さ悩み抜く姿に引き込まれて好きだった。 他のシリーズも読みます。

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2023/04/27

素晴らしいの一言に尽きる。 彼女の作品は、読後の言葉にならない 高揚感に突き上げられる。 五味川氏の人間の條件とあい通じるものがある。

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2023/07/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この小説を書くのに、著者はどれくらい取材したのだろう。 経済や石油開発の細かな情報は、正直ピンと来ない部分も多くあったが、その背後に膨大な取材、調査があったことが想像できる。いまいちわからない専門的な話があっても、全体として面白くて中盤以降は一気読みした。 登場人物のなかでは大門が一番魅力的だった。当初は豪胆な社長として壱岐を抜擢し会社を成長させるも、終盤は綿花相場にのめり込んで部下を発狂させてしまう。壱岐との関係が悪化すると、かつて自ら切り捨てた里井に本社復帰を要請するなど、なりふり構わない。壱岐が私情を排して淡々と仕事をこなすぶん、終盤に至って弱みや焦りをさらけ出す大門が魅力的に見えた。原作を読んだ上でドラマを思い返すと、改めて原田芳雄さんの演技はすごかったなぁと感じる。

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2023/03/05

圧倒的なスケール感。これまで多くの作品を読んできたが壱岐正は1番かっこいい小説の主人公かもしれない。とても学ぶことが多い作品だった。

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2022/09/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 「不毛地帯」は、昭和48年6月から昭和53年8月まで5年間にわたって「サンデー毎日」に連載された小説。白いツンドラのシベリアと赤い石油の中東、二つの「不毛地帯」を彷徨する壹岐正を描いた長編大作。山崎豊子「不毛地帯5」、2009.3発行、592頁。第5巻は油田開発に成功、社長に勇退を具申し自らも副社長を辞する。これからは組織で動く時代と。壹岐正、第3の人生はシベリアに眠る友のために慰霊碑を。秋津千里を置いてシベリアに。また、(まだ)待たせるのか!! 第1巻~第5巻、読了しました。山崎豊子さん、テレマカシ!

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2023/07/02

終わりは意外と潔い(呆気ない)。組織の腹黒さというか、総合商社の熾烈な出世争い等のリアルな人間模様を描き切っている所が、この本が名著である故と思料。生馬の目を抜く───。

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2021/08/15

5巻まで一気読み。読み始めたら止まらない面白さ。 あらゆる場面に於ける細かい描写から、著者が取材や文献を通して徹底した研究を行ったことが容易に読み取れ、各描写の詳細さに著者の小説に対する情熱的な姿勢が溢れてる気がする。 自分の人生を賭して成功させたいと思う仕事に出会いたいなと思う...

5巻まで一気読み。読み始めたら止まらない面白さ。 あらゆる場面に於ける細かい描写から、著者が取材や文献を通して徹底した研究を行ったことが容易に読み取れ、各描写の詳細さに著者の小説に対する情熱的な姿勢が溢れてる気がする。 自分の人生を賭して成功させたいと思う仕事に出会いたいなと思う小説でした。

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2020/12/05

壱岐正。 彼の様に時には不器用ながらも実直に生きる現代人がどれほどにいるだろう。 自らが仕事や人生をこれ程に真剣に生きているのかと自問する。 命を燃やして何かに没頭する様な人生にしたい。

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2020/09/21

去年の暮れからお正月にかけて『不毛地帯』5巻(山崎豊子)を読み、ちょうど高度経済成長期のいわば、わたしたちが通ってきた昭和の時代をたどるようで興味深く、山崎豊子さんの代表作だとは思いました。  おもしろく読みふけった話は置いといて  その主人公の「壱岐正」は「瀬島龍三」をモデ...

去年の暮れからお正月にかけて『不毛地帯』5巻(山崎豊子)を読み、ちょうど高度経済成長期のいわば、わたしたちが通ってきた昭和の時代をたどるようで興味深く、山崎豊子さんの代表作だとは思いました。  おもしろく読みふけった話は置いといて  その主人公の「壱岐正」は「瀬島龍三」をモデルにしているらしいですが、それはそれで。  その「壱岐正」や『沈まぬ太陽』の「龍崎一清」の人物像の描写が孤愁の影を宿していて印象深く、妙に気になったのであります。  山崎豊子さんが若いころ大阪の毎日新聞に入り、『あすなろ物語り』の作家井上靖が上司だったのは有名で、しごかれた(?)話は作家紹介にあります。  わが町の図書館がちょうど井上靖の作家展をしていたので、見に行きましたら井上靖は詩人でもあったと知りました。  さっそく井上靖の詩篇をひもといてみましたら、冷たーく研ぎ澄ましたような詩が続いておりました。  そのひとつに「裸梢園」という題の心象風景詩があり、こんな風な内容  氷雨がぱらぱらと過ぎ、梢と梢とは、刃の如く噛み合って、底知れない谷をなして行くところ、破れ傷ついた二月の隊列があてどなく落ちてゆく。  (これは山崎豊子さんが要約しているもの)なかなかの印象です!そして  「一匹狼のもつ誰にも汚されない厳しく、烈しいそして純粋な野生に満ちた目が生きている。しかし、一匹狼には強靭な実力がいる。群を恃まずにして生きぬいて行ける実力と、いかなる時にも孤独に耐え得る厳しい精神がいる。」    と、全集の月報に随筆を書いていらっしゃるのです。  ははーん、師を敬い想いいれて作品に昇華させているのだなーと思いました。  その井上靖の詩集『北国』に「猟銃」という詩もありまして、  天城の山の中で出合った霜柱を踏みしだき、猟銃をかついで、孤独に行過ぎた男の後姿に人生の白い河床をのぞき見た、しみいるような重量感をうけ、自分も磨き光れる猟銃を肩にくいこませたい、都会の雑踏の中で、ゆっくりと、静かに、つめたく  というのです。  井上靖には『猟銃』という作家デビューの作品があります。読みたくなりました。  やはり、小説はこの詩が冒頭にでてきまして、詩が取り持つ縁、その天城の男が作家に便りをくれるのです。  孤愁色濃い男には過去のわけがありました。  でも、はっきり言ってなんじゃらほい、美しい妻がありながら、離婚して一人娘と暮らしている妻の従姉と不倫。騙しだまされて三つ巴。あげくにその従姉は別れた元夫が忘れられない、とラジオ人生相談のよう。  そんな小説を師、井上靖氏はお書きになったのですねぇ。はぁ~。

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