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生きてるだけで、愛。 の商品レビュー

3.9

214件のお客様レビュー

  1. 5つ

    51

  2. 4つ

    78

  3. 3つ

    54

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    2

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2019/10/27

本谷さんの書くものが思いの外はまったので。面倒臭い女をかかせたらピカイチじゃないかと勝手に思っているのだが。寧子の律儀に揚げ足をとるくせに、妙なところで雑な感じは鬱であろうとなかろうと、面倒な女だな。生きた年代というのがその作風ににじみ出るのであれば、確かに自分はこの人と同じ年代...

本谷さんの書くものが思いの外はまったので。面倒臭い女をかかせたらピカイチじゃないかと勝手に思っているのだが。寧子の律儀に揚げ足をとるくせに、妙なところで雑な感じは鬱であろうとなかろうと、面倒な女だな。生きた年代というのがその作風ににじみ出るのであれば、確かに自分はこの人と同じ年代を生きている。だからこそわかる面倒臭さと投げやりさ。あの頃メンヘラなんて言葉は市民権を得ていなかっただろうし、鬱=ダメな人っぽいレッテルは貼られていたし。足掻こうとして蟻地獄にますますはまっていく間抜けさは心当たりがある。

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2019/09/05

わかる、と言うのが憚れるくらいわかる。 これをここまで客観的に書けるなんて、 本谷有希子という人はどんだけ自分をフラットに見られるんだろう、すごい。 解説を読んでもっと分かる。 卵の黄身と黄身がぶつかるような人との交わりが欲しい、 分かる、それや。 そいでそれってほとんどでき...

わかる、と言うのが憚れるくらいわかる。 これをここまで客観的に書けるなんて、 本谷有希子という人はどんだけ自分をフラットに見られるんだろう、すごい。 解説を読んでもっと分かる。 卵の黄身と黄身がぶつかるような人との交わりが欲しい、 分かる、それや。 そいでそれってほとんどできないから、辛いし悲しい。 でもしたい。 欲望は持つとツライ。 でもそれでも、今の私は持ってる方がいいって思ってる。 明るい努力ができるときばかりじゃないだろう。 欲望するだけで、欲望が自分ができることを追い越してしまうことばかりだ。 欲望を持った自分を責めたりもする。 そこまでしかできないお前には、そんな欲望は不相応だと。 あたしはこの解決方法を知らない。 楽になるには、振り切れるしかないのだ。

Posted byブクログ

2024/01/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

躁鬱病の女の子の話。すごい勢いで頭の中を吐き出している。テンポがはやく、展開は少ないのだけと、吐き出される頭の中がおもしろく、わかるわかるって気持ちもあり、あっと言う間に読み終えた。 対照的な津奈木の静けさが怖く感じたけど、本当に懐の深い人だったんだ。 (映画を見た)内容をほとんど忘れていたけど、確か暗い話だったよなーっていう印象だけ。でも、自分の感想見直すとそうでもなかった。そして、映画、すごくよかった!見終わって、なんだか心が救われた。趣里ちゃんと菅田君の演技が本当によい。二人のインタビューで、ラストは話し合って、脚本と変えた、セリフを減らした、とのことだった。もう一度原作読みたい。

Posted byブクログ

2019/06/30

よかったです。この方の作品を読むのは、『嵐のピクニック』、『異類婚姻譚』に続いて3作目ですが、本作がいちばん、本谷有希子さん特有の毒が抑制されてない感じがして、ここまでぐちゃぐちゃだと逆にこっちがカタルシス感じました。 自身のままならなさがうまく片付けられずに発散されてしまう(...

よかったです。この方の作品を読むのは、『嵐のピクニック』、『異類婚姻譚』に続いて3作目ですが、本作がいちばん、本谷有希子さん特有の毒が抑制されてない感じがして、ここまでぐちゃぐちゃだと逆にこっちがカタルシス感じました。 自身のままならなさがうまく片付けられずに発散されてしまう(そして一層ままならなくなる)ことが、自分にも他人にもありますが、それがどんな形であれ、「とにかく生きようとしてるだけなんだよな…」って思うことがよくあります。なんか、これ、そういう本です。

Posted byブクログ

2021/08/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2019.5.31 脱衣所にあふれていた衣類を無理に押し込んで洗濯機を回したあと、みそ汁の具を買い忘れたことに気づいていい加減死のうと思ったが、床に置いてあった段ボールの中にマロニーが入っていたのを発見し、ぎりぎりで持ち直した。 上野の森美術館にピカソ展を観に行って「ラーラリラーって感じだね」ってコメントした時、「ラーラーリヒーって感じだと思う」と真顔で返されて、私は死ぬほど嬉しかったし、この男のことが大事だと心から思った。馬鹿みたいだったけどらあれが恋愛じゃなかったからあたしは恋愛を知らない。 「あんたが別れたかったら別れてもいいけど、あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね一生。うちの母親は今でも多分雨降ったら寝てると思うし、あたしだってこんなふうに生まれちゃったんだから死ぬまでずっとこんな感じで、それはもうあきらめるしかないんだよね?あきらめなきゃ駄目なんだよね?いいなぁ津奈木。あたしと別れられて、いいなぁ。」

Posted byブクログ

2019/05/25

体たらくが他人にとってどう受け止められるのか。レベルの違いはあれど、理解者がいる/いないの違いはすごく大きいと思う。社会的に生きるということがどういうことか考えさせられると同時に、タイトルの深さを思い知る。

Posted byブクログ

2019/05/04

かなり自分に投影しながら読んでしまった。 「そうか。あたしは一人で寂しかったのか。こうやってみんなでご飯食べたりしてるのが1番いいのか。そう考えてみると、津奈木との生活はだったらなんなんだろうな、と思えてくる。安堂の言う通りただの依存だとして、そんな関係だからお母さんの言う通り寂...

かなり自分に投影しながら読んでしまった。 「そうか。あたしは一人で寂しかったのか。こうやってみんなでご飯食べたりしてるのが1番いいのか。そう考えてみると、津奈木との生活はだったらなんなんだろうな、と思えてくる。安堂の言う通りただの依存だとして、そんな関係だからお母さんの言う通り寂しくて鬱になっちゃったんだとしたら、あたしは自分のことが本当に何も分かってない。」 がグサリときた。

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2019/02/10

寧子の「お前がみんなと同じふりをしてまぎれていることは分かっているぞ」と誰かに警告されているんじゃないか、という感覚、私も同じように感じる時がある。 私は津奈木と同じかもしれないと思った。他人と絶対的な距離を置くことで、自分の世界に他人を介入させないようにしてる感覚は、よくわか...

寧子の「お前がみんなと同じふりをしてまぎれていることは分かっているぞ」と誰かに警告されているんじゃないか、という感覚、私も同じように感じる時がある。 私は津奈木と同じかもしれないと思った。他人と絶対的な距離を置くことで、自分の世界に他人を介入させないようにしてる感覚は、よくわかる。 私も常に自己完結して世界に対して閉じているから、二者完結ができないのかもと思った。

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2019/02/08

うつからくる過眠症と奇行で社会に馴染めない女と、社会に何にも感じない男の恋愛?小説。一般的な恋愛小説は、男対女もしくは男女対社会という構図が多いと思うが、これは不思議と個人に閉じている。恋愛小説というには、鬱で過眠症で奇行に走ってしまう自分と対立がメインで、それらをまるっと受け入...

うつからくる過眠症と奇行で社会に馴染めない女と、社会に何にも感じない男の恋愛?小説。一般的な恋愛小説は、男対女もしくは男女対社会という構図が多いと思うが、これは不思議と個人に閉じている。恋愛小説というには、鬱で過眠症で奇行に走ってしまう自分と対立がメインで、それらをまるっと受け入れる男は居てもいなくても良いのではとさえ思える。芥川賞ノミネート作品ということであるが、どうも芥川賞関係の本は馴染めない気がするなあ。

Posted byブクログ

2019/02/07

2019.2.7 「こんな自分に誰よりも疲れていることを津奈木に知ってもらいたい」 そうなのかもしれないなと思った

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