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生きてるだけで、愛。 の商品レビュー

3.9

214件のお客様レビュー

  1. 5つ

    51

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2011/09/13

他人と自分と上手く関係を築けないながらも必死で生きようともがき苦しむ不器用な主人公が僕は好きです。笑えます、泣けます、考えさせられます、では収まらない魂の痛切な叫びを、あなたの記憶に刻み残してみませんか?これぞ本谷ワールドの炸裂!恋愛小説、本谷作品の中でのイチ押し!

Posted byブクログ

2011/08/24

その過剰すぎる内容に反比例するような端正な語り口。 この小説のすごさは、ほとんどそれに尽きると思う。 (本谷さんを語る時にあまり言われないみたいだけど、だれかそれを指摘してたら教えてください。) 「小説」の過激さ、というのは、決してその指し示す「内容」が異常だったり、過剰だったり...

その過剰すぎる内容に反比例するような端正な語り口。 この小説のすごさは、ほとんどそれに尽きると思う。 (本谷さんを語る時にあまり言われないみたいだけど、だれかそれを指摘してたら教えてください。) 「小説」の過激さ、というのは、決してその指し示す「内容」が異常だったり、過剰だったり、馬鹿げてたりすることで生まれるのでは、言うまでもなく、ない。 そのほとんど全てはその「語り方」によって規定される。 そしてそれは完全に(と僕は思ってるけど)、その「語り手」の「知性」(と仮に言っておきます)に拠っている。 どれだけ「自分」を対象化するか。 それがどれだけ「自分」の底の底から搾り出されたものか。 そして、それらをさらに距離をおいて眺めることができるか。 そんな複数の作業が間に挟まって、人の語り口というのは出来ている気がする。 ただ単一に怒ってたり哀しんでいたりすることは簡単だし、「自然」な感じがする。 のだが、実はその「自然」は一部を切り捨てることで成り立っているものであり、 その時点で「自然」ではなく、「フィクション」なのだ。 当たり前の話だけど。 だけど、それがわかっている人は思いのほか少ない。 そして、それを表現できる人はほとんどいない。 本谷有希子は僕が知る限りではその最良のバランスを保てる人だ。 つまり知的な人だ。 (もちろん舞城王太郎のように語りのピッチをひたすら上げ続けるという方法もあるけど、それはまた別な話。) 「あんたが別れたかったら別れてもいいけど、あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね一生。うちの母親は今でもたぶん雨降ったら寝てると思うし、あたしだってこんなふうに生まれちゃったんだから死ぬまでずっとこんな感じで、それはもうあきらめるしかないんだよね?あきらめなきゃ駄目なんだよね?いいなあ津奈木。あたしと別れられていいなあ」 雪がつもる屋上で同棲する恋人(のようなもの)に全裸でこう言う「あたし」がほとんど淡々と描かれている。 ゲラゲラ笑えるおかしさとどうしようもない悲しさ。 そんな振り切れる両極端の中で、しかし、僕らは生きているのだ。 だから、生きてるだけで、ただそれだけで、愛なのだ。たぶん。

Posted byブクログ

2011/08/04

ぶっとんでるんだけどけっこう好き。雑なしゃべり方でだらだら続いていくとことか、淡々としてるけどちゃんと主人公を大事に思ってる恋人とか。出てくる人とセリフがすき。

Posted byブクログ

2011/11/12

最後の方は理解に苦しむ(行動が奇抜で)けど、全体を通してすごくリアルだった。 ちょっぴり下品だし、言葉も決して綺麗ではないけど、それがあるから入りやすかったりする。 「ムラのあるテンション」はわたしも同じだわ。

Posted byブクログ

2011/07/21

んー想像以下だった。でも自分と重なるところがいくつもあってちょっと焦った; 睡眠過多なのも雨の日嫌なのも情緒不安定なところもわかる!  タイトルとの関連性がよくわからない。 「腑抜け~」も読んだが・・・ んん・・・ さらりと読めてしまう

Posted byブクログ

2011/07/20

友人オススメで借りた。本谷さんの本は初めてだったけど、私の中にはスッと文章が入り込んできて読みやすかった。主人公が過激で、でも恋人が冷めてるようで本当は温かくて現実にはここまで受け入れてくれる人なんていないよなー、でも理想、と思う。

Posted byブクログ

2011/07/03

だめだ。どうしようもなく好きだ。 修飾語過多だし、下品なところもあるし、エキセントリックだし、脇役の描き方が極端で一方的だし、欠点はたぶんいくつもある。 なのに、どうしようもなく好きだ。 切羽詰って余裕の無い、しかも屈折した主人公の気持ちが痛い。ほんとうに痛い。一見ふざけて書いて...

だめだ。どうしようもなく好きだ。 修飾語過多だし、下品なところもあるし、エキセントリックだし、脇役の描き方が極端で一方的だし、欠点はたぶんいくつもある。 なのに、どうしようもなく好きだ。 切羽詰って余裕の無い、しかも屈折した主人公の気持ちが痛い。ほんとうに痛い。一見ふざけて書いているようで、コミカルな描写も多いが、そこにはひたすらストレートな感情が渦巻いている。あまりにも濃密に。そして、それはめんどくさいことにやたらと僕の共感を呼ぶのだ。もしかしたら生理的な好き嫌いは出てしまうかな、と思えるほど言葉は過激だが、僕の印象としては読後感は吉本ばななに近い。ジャンルで言えば純文学なのだと思う。 さすがに芥川賞候補は違うのでは?と思うが、その評価には拍手を送りたい。 *末尾の解説は何を言ってるのかさっぱりわからなかった。すいません。

Posted byブクログ

2011/05/16

せっかく積み上げた煉瓦を、自分で片っ端からぶっ壊していくみたいな。 その気持ちわかるかも、って瞬間が幾度かある。(でも結局一度も共感しきれない) 装丁が超かわいい!

Posted byブクログ

2011/05/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「津奈木は私と別れられていいなあ」 恋愛小説(?)と言えば、社会との関係を切り離して人間関係が私と彼氏で完結した共依存の話はあったけど、とうとう自分すら切り離していく。 これって関係が希薄っていうレベルじゃないけど、でもこの雰囲気ってあるよなって思ってしまう。 バクマンを思い出す、メタっぽさ。

Posted byブクログ

2011/05/03

「ふられてもいないのに、ふられたような気分に浸りたくて、帰り道、遠回りして星空を見上げていたら、中学生にカツアゲされそうになり、なんだか無性に笑えてきた。」 そんな感じの小説(カギカッコ内は小説の内容とは関係ありません)。

Posted byブクログ