生きてるだけで、愛。 の商品レビュー
ぶっ飛んだ女の子の話だけど、生きていく上での寂しさとかそういうものに共感して、そして泣けた。個人的には短編の話の方が好きかも。
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先に読みかけてた、村上春樹訳 ティファニーで朝食を をほっぽり出して、一気読み。 胸糞悪くて、モヤモヤしてた時期だったからこそ、この小説に書かれる平常心からは逸脱しまくっている破壊的衝動や自暴自棄になっている板垣の言動が、よりかっこよく思えた。同時に、なぜかわからないけど、肩の...
先に読みかけてた、村上春樹訳 ティファニーで朝食を をほっぽり出して、一気読み。 胸糞悪くて、モヤモヤしてた時期だったからこそ、この小説に書かれる平常心からは逸脱しまくっている破壊的衝動や自暴自棄になっている板垣の言動が、よりかっこよく思えた。同時に、なぜかわからないけど、肩の荷が下りた感覚がした。読後。 みんな弱くて寄る辺ないはずなのに、そんなことわかっているのに、周りでしにたいしにたいと言ってる人みると木製バットで脳頭部を殴りたくなるし、頭ん中お花畑みたいな人みるとなんか違うなと思っちゃうし、いつまでも自分本位で、自分に甘すぎる自分もいやで、ぜんぶいやで。 でも、自分は自分から手放されることはないのだという、諦めに似たグダグダな安心感のまま流れるように時間をやり過ごして行く中で、元カノ安堂のねちねちした痛い所を突く言葉は、板垣にとっていい刺激の一つになったのではないだろうか。 板垣がふつふつと憤りを静かに感じ、言い返す言葉は単調なものであった。しかし、安堂よりも板垣のほうが、数段上手であることは、言うまでもない。 他人である津奈木とすべて分かり合えるわけがない。他人だから。自分じゃないから、手放すことも容易い。 それでも、葛飾北斎の富嶽百景エピソードとリンクする津奈木と板垣のあいだにある五千分の一は、他の四千あまりの違いより、重要な貴重なものになってくる。 そこに希望を見出せた、まだまだぶっ飛んでる板垣がすごく幸せに思えて、サッパリした気持ちになった。
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あたしはこんなに何もかもさらけ出して、必死になって足掻いて、もう自分が頭おかしいこともわかってる、世間からはみ出してることもわかってる、だからあんたにも同じくらい疲れて苦しんでへとへとになってほしい。 っていうのが、寧子なりの「好きだよ」っていう津奈木に対するメッセージで、精一杯...
あたしはこんなに何もかもさらけ出して、必死になって足掻いて、もう自分が頭おかしいこともわかってる、世間からはみ出してることもわかってる、だからあんたにも同じくらい疲れて苦しんでへとへとになってほしい。 っていうのが、寧子なりの「好きだよ」っていう津奈木に対するメッセージで、精一杯の愛情表現なんだってわかったとき、 やりきれなさと切なさといろいろで胸がいっぱいになった。 寧子は屈折に屈折を重ねておかしなことになってるけど、 自分の全部をかけて相手に好きだよ、五千分の一秒でいいからあたしを分かってって伝えようとする姿はまっすぐで、心の奥が震えます。 好きな場面。 -----上野の森美術館にピカソ展を観に行って「ラーラリラーって感じだね」ってコメントした時、「ラーラリヒーって感じだと思う」と真顔で返されて、あたしは死ぬほど嬉しかったし、この男のことが大事だと心から思った。馬鹿みたいだったけど、あれが恋愛じゃなかったらあたしは恋愛を知らない。
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すごい好きだ。 なんだろう、この投げやりな感じの文章。表現や内容、大変好みである。 他人の悪意が煩わしくて、好意すら実は煩わしくて、でもどっかで繋がっていたくて独りでも理解してほしくて、でもやっぱりどうでもいいかなって堂々巡り(←ここらへんてきとーです)。 いやーオモシロイ。...
すごい好きだ。 なんだろう、この投げやりな感じの文章。表現や内容、大変好みである。 他人の悪意が煩わしくて、好意すら実は煩わしくて、でもどっかで繋がっていたくて独りでも理解してほしくて、でもやっぱりどうでもいいかなって堂々巡り(←ここらへんてきとーです)。 いやーオモシロイ。あまりに干渉してくる周りにムカつく部分もあるけど、鬱っぷりや躁っぷりがなんともまた。。。 まぁ生きてりゃイロイロあるわな。
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静かに自分と向き合う事はあっても、人を巻き込んでこんなにも激しく自分と向き合うことは、なかなか出来ない。
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人は一人では生きてゆけない。 だれかに必要とされたい。 わずか一瞬でもいいから、だれかと繋がりを持ちたい。 たとえそれが五千分の一秒だとしても。
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芥川賞候補になった作品。 劇団を主宰し作品が映画化されているものもありマルチな才能を持った女流作家。 一種嫌悪感を抱いたままそれでも気になって気になって 一息に読み終えてしまった。 ヒロインの感情の激しさに疲労感を覚える。 と同じくらい痛々しさを感じる。
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本谷有希子の使う言葉が好き。 葛飾北斎の絵の例えが鮮烈で胸にせまる。 自分を理解してほしい、と思うけれど、 自分でも自分のことがわからないのに 相手にそれを求めるのは無理なことだ、 みたいな切羽詰まった台詞もぐっときた。 それにしても、エキセントリックというのも、 ...
本谷有希子の使う言葉が好き。 葛飾北斎の絵の例えが鮮烈で胸にせまる。 自分を理解してほしい、と思うけれど、 自分でも自分のことがわからないのに 相手にそれを求めるのは無理なことだ、 みたいな切羽詰まった台詞もぐっときた。 それにしても、エキセントリックというのも、 ツンデレ同様美人にしか許されない性質だと思った。
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寧子の鬱の描写がリアルだったから思わず自分に重ねて読み進めてしまった。 そうしたら裏切られた。 私はやっぱりどこまでも中途半端。 でもこれは本編とは全く関係ないんだけれど。 「あたしがあんたとつながってたと思える瞬間、五千分の一秒でいいよもう」 寧子は心がきれいだと思った...
寧子の鬱の描写がリアルだったから思わず自分に重ねて読み進めてしまった。 そうしたら裏切られた。 私はやっぱりどこまでも中途半端。 でもこれは本編とは全く関係ないんだけれど。 「あたしがあんたとつながってたと思える瞬間、五千分の一秒でいいよもう」 寧子は心がきれいだと思った。 私はどうしてもこういう考え方ができないから、こういう話を読むといつも自分のがめつさにゲンナリする。 でも「この期に及んで自分の往生際の悪さに泣き笑いそうになる」。
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主人公の圧倒的な「言葉の暴力」におののきつつ、好きなひとにはこれくらいの熱量でぶつかろう、と決心させてくれる本。わたしにとって、バイブル的。 (その決心は正解なのか、間違いなのかはまだわかりませんが。。たぶん、相手を選ぶ、とだけは言えそうです。) なぜなら、主人公の付き合っている...
主人公の圧倒的な「言葉の暴力」におののきつつ、好きなひとにはこれくらいの熱量でぶつかろう、と決心させてくれる本。わたしにとって、バイブル的。 (その決心は正解なのか、間違いなのかはまだわかりませんが。。たぶん、相手を選ぶ、とだけは言えそうです。) なぜなら、主人公の付き合っている男の子は最後にスーパー素敵なことになっているから。「”愛”ってこんなんか」と初めて思った。 表題作とは別の短編も、なんといっても、付き合っている男の子が最後の最後で素敵すぎる。
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