ぼくと1ルピーの神様 の商品レビュー

ヴィカススワラップ【著】,子安亜弥【訳】

2011/11/30

　アカデミー賞も受賞した「スラムドッグ＄ミリオネア」の原作。設定はほぼ映画の通りで、スラム街で生まれ育った主人公ラム・ムハンマド・トーマス（この名前にも主人公の数奇な運命が象徴されている）が、大金がかかったクイズ番組に出場し、次々に正解を重ねていく。正解の秘密は、主人公がそれまでたどってきた過酷ともいえる人生経験にあった・・・。これでもか、というくらい試練に遭遇する主人公の運命から目が離せず、一気に読み進んでしまう。インド社会の底辺を生きる庶民の悲惨な実情、それに負けずに生きるたくましい姿がユーモラスな筆致で描かれており、今のインドを旅するなら、一度は読んでおきたい本。

2011/11/14

インドのスラムのウェイターがクイズビリオネアで優勝！
出題された問題がことごとく、彼の歩んできた人生で見聞きしたものだった。
１問１問答え合わせをしながら、インドの暴力、犯罪、貧困を織り交ぜつつ、彼の来た道をたどる。

んもう、終盤が！ 卑怯な番組制作に嵌められて脱落させられそうになるあたりから、ハラハラドキドキ感が最高潮です。
あのシェイクスピアの問題！　シェイクスピアだけ、彼の人生の中で接点がなかったので。その時のライフラインの「友人に電話」のやり取りが、実にリアルで手に汗握ります。
この電話した友人っていうのも、別に友人じゃなくて、病院の前でたった数分出会っただけの人なんですよね。
この辺から涙腺が崩壊。

和訳に違和感がなくスラスラ読めるので、著者は日本人と勘違いしてしまいそうだったです。

2011/11/03

インドの貧しいウェイターの波瀾万丈な人生から、「人の人生を切り拓く力」とインドの悲惨な現状を教えてくれるとても読み易い良書。インドの一言で語れない宗教問題、身分制度から生まれて来る貧困層の悲惨な生活は想像以上。

2011/06/05

映画化されて、話題になった作品。
インドのスラム街で育った少年が、クイズで最高賞金を手に入れてしまう。
そんな知識や教養がなさそうな子供が答えられるわけがない、と警察とテレビ局が少年の不正を探そうとするが…

幸運の重なり方はいかにも小説らしいです。しかし内容はインドという国が抱える社会問題に切り込んでいる部分が大きく、多くのことを考えさせられもします。また、そのような場面が克明に描写され、幾度か本を閉じてしまいました。。。
でも最終的には、自分の運は自分で捕まえに行かないと、と前向きになれました。深く考える分、心に残ることが多かったと思います。

2011/05/14

映画化もされた本作だけど、映画とまた全然別もの。先が気になって仕方なくなる、予測出来ない展開に引き込まれる。読み応えあり。

2011/05/03

クイズの答えはラム・ムハンマド・トーマスの過去の中にあり、記憶にあり、経験にあった。

翻訳の子安亜弥さんの文体もすてきだと思う。

2011/04/29

インド人が書いた、インドが舞台の小説。

今まで、外国人(日本人)が書いたインドの旅本、エッセイなどはたくさん読んできたけど、インド人が書いたインド内の物語ははじめて読んだ。

貧困問題など、考えさせられる内容がたくさんあり、胸が痛くなったけど、これがインドのリアルなんだ。
重い、深い内容ではあるが、何故か読了感は暗くないのは、主人公がこういう状況の中でも、たくましく生き抜いていく強さに惹かれたからかな。

とても読みやすく、久しぶりに一気に読みきった本。文句なしの5つ星。

2011/04/09

宗教などの多々ある問題がたちはばかる中、必死に立ち向かう主人公に薄っぺらい言葉ですが感動しました。
また「運の作り方」を学びました。
是非いろいろな方に読んでいただきたい一冊です。

2011/05/10

映画は見なかったが、スラムの貧しい少年がどうしてクイズ番組で勝ちぬけたか、気になった。衝撃な部分もあったが、これが現実というのなら、知らなくてはならない。

2011/03/23

映画の原作です。
私は映画を見ていないのですが、原作だけでも十分楽しめました。

クイズ番組で優勝し、賞金を手に入れた主人公。
何の知識もない子どもが賞金を手に入れることができたのはなぜか。
それは、少年が答えを全て知っていたからです。
一問一問、少年の過去に体験したことが関係していました。

読み進めていくうちに、だんだん物語の世界にハマっていきます。