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さいはての島へ の商品レビュー

3.8

31件のお客様レビュー

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2024/06/03

とても難しい。難しいからこそ、ゲドの元へ来た王子アレンを通して、読者は問答をしながら答えを探しているような気がする。 物語全体としては、1巻と同じく目に見えない漠然とした恐怖、いつ魔法がなくなるかわからない不安というものがあって、本当に少しずつ糸口は見えてくるのだけれど、掴めるよ...

とても難しい。難しいからこそ、ゲドの元へ来た王子アレンを通して、読者は問答をしながら答えを探しているような気がする。 物語全体としては、1巻と同じく目に見えない漠然とした恐怖、いつ魔法がなくなるかわからない不安というものがあって、本当に少しずつ糸口は見えてくるのだけれど、掴めるようで掴めない闇だからこそ、もがいてもがいて、どうなってしまうのかとハラハラしどうしてある。なぜ魔法がなくなろうとしているのか?魔法が使えないということ、そしてドラゴンまでもが言葉を失うという恐ろしい事態が起こっている、しかしその原因はどうにも雲をつかむよう…けれど足の進む先、船の向かう先にあると信じて進む旅は、はやく終わって欲しい、どうか解決して欲しいとやきもきしながらも、この文量があるからにして深淵の深さをとてもよく現すことができているのだと思う。 それはさておき、やはりゲドの人柄が好きだ。仙人みたいに達観したことを言ってみれば、本来の姿は1巻の頃と何も変わらない、少し意地っ張りなところもある孤独が好きな船乗りだ。それがいい。そんな大人になりたいと思う。

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2023/10/25

歳をとり、描写をおりありと思い描くことがかつてのようにできなくなった、面倒がるようになったことを感じる。それでもなお、ぼんやりとしたイメージで捉えつつも、最後まで読まずにいられないアレンとゲドの冒険と戦いの記録。 古びることのない警句に問いただされる気分に幾度もなった。 次巻も楽...

歳をとり、描写をおりありと思い描くことがかつてのようにできなくなった、面倒がるようになったことを感じる。それでもなお、ぼんやりとしたイメージで捉えつつも、最後まで読まずにいられないアレンとゲドの冒険と戦いの記録。 古びることのない警句に問いただされる気分に幾度もなった。 次巻も楽しみ。

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2023/10/02

68歳の老人が読んだ所感 冒険活劇としてはおもしろかったが、「生と死」の問題としての深読みはできなかった。 「日本人が、結局死んでも生きても同じこと、いつ死んでもかまわないとか、金をもうけようが勉強しようが何しようが意味がないから死にたいというような、本当に無におそわれて死にたい...

68歳の老人が読んだ所感 冒険活劇としてはおもしろかったが、「生と死」の問題としての深読みはできなかった。 「日本人が、結局死んでも生きても同じこと、いつ死んでもかまわないとか、金をもうけようが勉強しようが何しようが意味がないから死にたいというような、本当に無におそわれて死にたいと言っているような人間の話は、なかなか西洋人には分かりにくい」と河合隼雄さんが言っていた。 つまり、死の概念が、キリスト教圏と仏教圏とは違うという話で、わらわれは欧米人より死というものを身近に感じているような気がする。深さが違うのかもしれない。われわれはファンタジーを元来もっている国に生まれたともいえないだろうか。 アメリカでは、ファンタジー本は現実逃避の手段で堕落していると映ると、そこが問題なんだとル・グインは他の著作で言っている。しかし、ル・グインにはファンタジー作家というバイアスがかかっているとおもう。 世の中はファンタジーを楽しむ「心に余裕のある層」と「心に余裕の無い層」とが同時にパラレルに同居している思う。それは時間的なズレと空間的ズレで平衡を保たれているのだ。 なんか私の言い回しが「ゲド戦記」になってきた!

Posted byブクログ

2023/08/28

夏読57冊目。 #ゲド戦記 シリーズ3作目。 この本が、映画の大筋となっている。 アレンは相変わらず不安げだけど、成長が楽しみ

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2023/07/24

年を重ね大賢人を務めるゲド。彼のもとに、王子アレンが魔法の危機を知らせに訪れ、二人はあの「はてみ丸」で旅立ちます。「指輪物語」のように目的がはっきりしていない不安の中、苦難を重ねながら、成長していくアレン。王に相応しい力を得る旅だったのですね。ゲドも「普通のお年寄り」になって、故...

年を重ね大賢人を務めるゲド。彼のもとに、王子アレンが魔法の危機を知らせに訪れ、二人はあの「はてみ丸」で旅立ちます。「指輪物語」のように目的がはっきりしていない不安の中、苦難を重ねながら、成長していくアレン。王に相応しい力を得る旅だったのですね。ゲドも「普通のお年寄り」になって、故郷で静かに余生を送る…で、終わったのかと思っていたら、続編が!

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2023/06/03

スタジオジブリによって映画化された作品。 とても面白い。 個人的にはゲドが少し老いていて残念だったが、読みやすかった。 ラストシーンは時間が経つのも忘れて没頭してしまった。 映画の内容とは異なるシーンも多々あるため既に映画を見たという人も楽しめる。

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2023/06/01

読み終えて、涙が溢れて来ました。 こんな気持ちにさせてくれる本に出会えて感謝です。 これから帰還を読みます。

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2023/02/06

若かったころは教わる側だったゲドが、大賢人となり、次の若者に教えなどを説いてることで、ゲドの成長と偉大さが感じられた。 これまでとは少し違った生と死というテーマに、考えさせられる内容もあり、これまでよりより一層深いテーマだった。

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2022/11/09

これまでの冒険活劇とはまた打って変わって、2人の途方もない旅のように見せかけて生と死・それに立ち向かう人の内面的なお話。 一巻では傲慢でどこか勢いのあったゲドが、大賢人となり若い頃自分が疑問に思っていた筈のことを説く立場になっていたのは、歳を取り様々なことを知ることは臆病になる訳...

これまでの冒険活劇とはまた打って変わって、2人の途方もない旅のように見せかけて生と死・それに立ち向かう人の内面的なお話。 一巻では傲慢でどこか勢いのあったゲドが、大賢人となり若い頃自分が疑問に思っていた筈のことを説く立場になっていたのは、歳を取り様々なことを知ることは臆病になる訳ではないんだなと言う説得力が凄くあった。 アレンの自己との闘い、自分自身の影の部分とのせめぎ合いの描写が本当に良い……。 この作者は本当に人間の内面を描くのがものすごく丁寧で登場人物の心情が手に取るようにわかる。 映画は3・4巻を基にしたとどこかで聞いたけど(鑑賞したのがかなり前で記憶が朧げとは言え)なぜこの原作であの映画になったんだ…?本質的な部分が真逆じゃないか…? 散々映画の批評で言われてたことに納得してしまった。 ゲド達と自分も共に冒険するような勢いで読めなくなってきた。が、それがいいですね。

Posted byブクログ

2022/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ここまでで1番難解 よくこれを下敷きに映画を作ったなと感心してしまう 大賢人になっているゲドと若きアレンの掛け合いは禅問答のようになることもしばしば ゲドの人となりが前2巻で分かっているから、ゲドの振舞いに理解が及ぶけど、その前提がなければアレン共々不安の坩堝 映画は前提無しのテルーありのオリジナル要素ありありで、あれは難しいわ

Posted byブクログ