ピース の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
まるで児童書のような独特なタイトルと表紙の小説だが、扱っている事件はバラバラ殺人とかなりエグい。元公安のマスター。アラフォーの美人記者。その記者の若いツバメである老成した訳ありの少年。アル中の女子大生……と出て来る登場人物は皆どこか謎めいていて、訳ありな人間が集うスナックという舞台は非常に魅力的で物語の導入としては完璧である。スナックのメニューである料理描写やシーンの合間に流れるジュークボックスの音楽なども雰囲気作りに一役買っており、細部に至るまで丁寧に描いているからこそのこの世界観なのだろう。それでいてありがちなサスペンスドラマのような陳腐さや古臭い印象をまるで受けないのは作者の筆の成せる業である。真相、もとい動機はかなり衝撃的で、それを踏まえた上で読むと『ピース』というタイトルはかなり示唆的で悪夢的だ。平和としてのピース、謎のパズルとしてのピース、そしてサインとしてのピースと鮮やかに繋がる様は読んでいて惚れ惚れとする。犯人が明らかになった後の老刑事の語る真相が蛇足にならなかったのも良く、立件できない証拠のない真実というのはスナックの酒の味と相まってたまらなく苦い。ただ、アル中の女子大生と老成した少年の関係性がレッドヘリングのままで終わったのはややもったいなく、アル中の女子大生も思わせぶりなだけでキャラとしての掘り下げがほとんどなかったのは少々肩透かしに感じた。
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謎多きバーテンは謎が多いままで、過去の事件は一切関係無し。 バーテンの行動もただ読者を惑わすだけのもの。事件解決しても、何もスッキリしない。書店のポップには二度と騙されないぞ。
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ミステリーの要素もある小説としては完璧なのではないかと思いました。ネットで書評をみると評価は低いみたいですが、個人的にはどストライクでした。刑事の秩父弁が全体を和ませます。
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いまいち! 帯には「意外な犯人、ラストのどんでん返し」なんて煽っていましたが、あまりの中途半端感で終わってしまいます。 伏線と思われるモノやそれまで語られていた事が最後に全く回収されていません!なので、 え?それで終わり? それが動機?犯人? っていう感じで中途半端感満載です。...
いまいち! 帯には「意外な犯人、ラストのどんでん返し」なんて煽っていましたが、あまりの中途半端感で終わってしまいます。 伏線と思われるモノやそれまで語られていた事が最後に全く回収されていません!なので、 え?それで終わり? それが動機?犯人? っていう感じで中途半端感満載です。 ストーリとしては、埼玉の田舎のスナック周辺で発生した2件のバラバラ殺人事件を追っかけて行くというもの。 そのスナックのオーナーは元警察官。そのスナックの料理人は過去のある思わせぶりな青年。そしてその常連客達。女性新聞記者。 そして、犠牲者は歯科医とスナックで働いていた女性ピアニスト。 二人の関連は何? バラバラに切断された被害者の右手には共通のサインとは? 犯人は誰? 動機は何? 料理人の青年はどう絡むの? マスターが元警察関係者? っていう感じで進むわけですが、先の述べたようにあまりの結末です。 誤解を恐れずに言えば、何もなぞ解きをしていません(笑) 人物描写やヒューマンドラマも出てきません。 動機も納得いきません。 バラバラにする理由もわかりません ただ一つ、本書の主題の「ピース」とこの表紙絵、そして、社会的問題提起は受け止める事が出来ました。それでもなぁ ということで、スッキリしない物語でした。
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平和なタイトルと畑中純氏による木版画のジャケット。爽やかな青春ミステリーを予想していたら見事に裏切られます。もっとも、そうでないことは最初の1頁で歴然。 秩父の田舎のスナックに集うのは常連ばかり。そこには不似合いな美人ピアニスト。実はその場にいる男性ほぼ全員が彼女と寝ていて、男...
平和なタイトルと畑中純氏による木版画のジャケット。爽やかな青春ミステリーを予想していたら見事に裏切られます。もっとも、そうでないことは最初の1頁で歴然。 秩父の田舎のスナックに集うのは常連ばかり。そこには不似合いな美人ピアニスト。実はその場にいる男性ほぼ全員が彼女と寝ていて、男性同士はその事実を知らず、自分だけが彼女の相手だと思っている。その彼女がある日バラバラ死体となって発見される。しかも以前に起きた殺人の手口と酷似、どうやら連続猟奇殺人事件のよう。県警のベテラン刑事が被害者の遺体に違和感を覚えて……。 穏やかに見えたジャケットが途端に恐ろしく感じられます。予想とは異なったために面白くは読めましたが、お気に入りの樋口有介の作品としてはいまひとつ。思わせぶりに掲げた伏線を回収しないまま放置という箇所もいくつか見られ、そこもはっきりさせてほしかったと言いたくなりました。2012年に急逝された畑中氏のほうにむしろ興味を惹かれ、彼の漫画や版画作品をもっと見たいです。
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今風作家のミステリだから、軽く読めるだろと思ったが、そうでもなかった。極めて読みにくい。 秩父の山中で起こった、連続バラバラ殺人。その捜査と、被害者も出入りしていたバーの、主に2つの視点で解決までを追う。 さて、話はシンプルだし事件も起こるしで、読みやすそうに思えるのだが、何...
今風作家のミステリだから、軽く読めるだろと思ったが、そうでもなかった。極めて読みにくい。 秩父の山中で起こった、連続バラバラ殺人。その捜査と、被害者も出入りしていたバーの、主に2つの視点で解決までを追う。 さて、話はシンプルだし事件も起こるしで、読みやすそうに思えるのだが、何故読みにくいかというと、一つは章が変わるごとにいちいち視点を別の人物に移す。しかもその人物が、本編のストーリーとは必ずしも絡まないので、一体何を描きたいのかわからないのだ。 次に、登場人物の名前をいちいち凝ったものにしているため、苗字か名前かわかりにくい。これは慣れの問題か。 そして、一番気になるのが、情景を描くための文章が、全部現在形なのだ。普通一般的な言語感覚であれば、ほとんどの文章は過去形で書くべきである。そこをわざわざ「~する」という形の現在形にしているのは、この作家のスタイルなのかもしれないけど、読んでいるものからすると、時制がめちゃくちゃになるわけで、「いいかげんにしろ下手くそ」と叫びたくなるのだ。 通常、小説などでは現在形で示されるのは、その人の所属や状態を示すものであり、その場で起こったことは過去形で書くべきである。そこを壊すのは、読者の集中力を切りたい以外には、全く意図がわからない。 全体のストーリーとしては、どんでん返しもあり、本当の動機も曖昧ながら、仮の動機はしっかり現れるなど、それなりに考えられているので☆1個おまけ程度の本。
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面白い本ってのは知ってたけど、なんか色々謎だった。 ネタバレすると、 最後のマスターが殺したってのが本当らしい。 推理小説は怖くて好きじゃないと思うけど、面白くて二日で読んでしまった。
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何人かの方が書かれていたが、回収しなえればいけない伏線で幾つか回収していないんじゃないの?ってのがあった。 事件の真相を謎としてぼやかすのはいいけど、意味ありげに登場させた人物をほったらかしにするとは・・・ 読みやすいんですけどね。
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面白い話なのに無駄に長い。 残り1/5位からいきなりじゃなくもっと所々にヒントが有れば・・ そして最後の仮定で謎部分を解消していくが何点かモヤっとしたまま。
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過去に何回も読み始めてはやめ、数ヶ月たってまた最初から読み始めては止まり、を繰り返していました。 理由はわかりませんが、立ち上がりの引きこまれ感がすくなかったのかと思います。 久しぶりに今度こそは、と思い読み始めると、特に後半読み手が揺さぶられているのがよく分かります。 も...
過去に何回も読み始めてはやめ、数ヶ月たってまた最初から読み始めては止まり、を繰り返していました。 理由はわかりませんが、立ち上がりの引きこまれ感がすくなかったのかと思います。 久しぶりに今度こそは、と思い読み始めると、特に後半読み手が揺さぶられているのがよく分かります。 もっともすごいなぁと思うのは、各場面の描写ですが、特に田舎の風景ですね。実際に眼前に野花や畑なんかが、目の前に広がっていくような描写にはやられました!お陰で、庭を畑にしてみようと思います。
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