川は静かに流れ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
トマス・H・クックの記憶シリーズを彷彿とさせる「帰省もの」。 (←こんなカテゴリは存在しないけれど・・) 主人公は生まれ故郷の川辺の町に数年ぶりに戻り暗い過去と対峙する。 そして次々と過去の謎が解き明かされていく家族崩壊の暗く哀しい物語。 設定は好みなのだけれど、登場人物全員の行動が利己的過ぎるし、犯罪理由にも納得がいかず、何も共感できないままラストへと突入。(すいすい読めたのはラスト100ページで最初の500ページはだらだらと進まなかった。) 過去に池上冬樹氏の「読みながら何度も心が震えた」という 大絶賛の帯コピーが記憶に新しいローリー・リン・ドラモンドの 「あなたに不利な証拠として」は、まさにコピー通りの 本当に素晴らしい小説&翻訳だった。 しかし、今回の同氏のコピー「久々の★★★★★満点だ。」は、 相当なインパクトだったが、私には残念な結果となってしまった。 それにしても、彼の帯コピーの売上に対する影響力は、とんでもなく 大きいのだろうなあ。 『このミス』では第7位。『ミステリが読みたい!』では第4位。 そして、2008年度アメリカ探偵作家クラグ賞最優秀長編賞受賞。 皮肉なことに、これを読んでトマス・H・クックを再読したくなった。
Posted by
「その川は、思い出せるかぎりもっとも古い記憶だ」 最初の1行目から引き込まれる。 殺人の濡れ衣を着せられ、孤立無援で故郷を飛び出したアダム。 5年ぶりに帰ってきた彼を待ち受けていたのは、新たな殺人事件… なんて、、、なんて運の悪い(笑) 本格ミステリかと思って読み始めたのです...
「その川は、思い出せるかぎりもっとも古い記憶だ」 最初の1行目から引き込まれる。 殺人の濡れ衣を着せられ、孤立無援で故郷を飛び出したアダム。 5年ぶりに帰ってきた彼を待ち受けていたのは、新たな殺人事件… なんて、、、なんて運の悪い(笑) 本格ミステリかと思って読み始めたのですが、 これは「ラスト・チャイルド」と同じ、家族再生の物語ですね! アダムの幼い頃の記憶を交えながら、 徐々に事件の真相に辿りつく過程は見事です。 ストーリーは終始重く暗澹たる気持ちにさせられますが、 最後には何かから解き放たれたような清々しさがありました。
Posted by
処女作同様、家族間の確執を絡めた長編ミステリ。新たな真実と次に沸き起こる疑問のバランスが気持ち良く、一気に読み通せる内容でした。
Posted by
本屋で平積みにされていた作家さんなので図書館で借りてみました。賞も受賞されているみたいです。面白かったです。 いつの時代を想定して書かれた作品なのかはわかりませんがちょっと警察の捜査が杜撰すぎないかなと恐ろしくなりました。状況証拠とか物的証拠とか無しに一人の人間の目撃証言だけで...
本屋で平積みにされていた作家さんなので図書館で借りてみました。賞も受賞されているみたいです。面白かったです。 いつの時代を想定して書かれた作品なのかはわかりませんがちょっと警察の捜査が杜撰すぎないかなと恐ろしくなりました。状況証拠とか物的証拠とか無しに一人の人間の目撃証言だけで犯人にされてしまったら恐ろしいですよね。誰かに恨みを買っている人は注意が必要ですね。 大体あの人は怪しいなあと思っていたのですがまさかこう来るとは、と言う展開です。しかし犯人がわかってしまうとえ?そんな結末?と言う気がしました。まあ謎解きよりは家族の愛憎劇がメインなのでしょう。 この頃中年ぐらいの年齢が活躍する話をよく読んでいた所為か主人公が血の気が多くてついて行けないなあと思うことが暫しありました。暴力的ですよねえ。だから警察にも目をつけられるんだ、きっと。 敵か味方かわからない元彼女はあまり好みで無かったです。父親との確執は愛がある故の悲しみや痛みと言うことなんだなあと思いました。また今度は違う本も読んでみようと思います。
Posted by
最初から最後までとても楽しく読めた 久しぶりに「続きが気になる」という本だった 描写が丁寧で、1つ1つのシーンが目の前に映し出されているようだった 多くでてくるキャラクターも、しっかりと個性が際立っていて、無駄な登場人物がいなかった 農場ののどかな風景と、静かな川の...
最初から最後までとても楽しく読めた 久しぶりに「続きが気になる」という本だった 描写が丁寧で、1つ1つのシーンが目の前に映し出されているようだった 多くでてくるキャラクターも、しっかりと個性が際立っていて、無駄な登場人物がいなかった 農場ののどかな風景と、静かな川の流れ、渦巻く悪意 読んでいくうちに、全員が怪しく思えてしまう 誰が嘘をついているのか、わからない おそらく登場人物も同じ気持ちだったと思う 是非人に薦めたくなる一冊だった
Posted by
私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ ...
私の評価基準 ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版 ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ ☆☆ 普通 時間があれば ☆ つまらない もしくは趣味が合わない 2011.9.11読了 うーん、これも面白かった。 というのは、次作のラストチャイルドを先に読んでいるからで、そちらは個人的に好きな少年物の設定だったのでもちろん面白かったですが、こちらはどうかなと思っていたんです。 何はともあれ、この小説の空気感が、翻訳の力もあるでしょうが、良く感じられました。 幼い頃のキラキラした情景から、ある時を境に色褪せた世界に、そして、その世界からも拒絶された、色の無くなったような心象が、それでも美しく書かれています。 まあ、家族の物語ではあるんでしょうが、こんな設定の家族、アメリカでもそうは居ないよなとツッコミつつも、引き込まれていました。 ただ、こんな時期なので、謎を深めるためのサブ設定であるところの、原発誘致の部分には、本編とは関係ないんですが、ひっかかりました。 アメリカでも、利益誘導で原発の建設が多くされているんだな、などと読み取れ、何処かでアメリカの原発の警備は比較的緩いなどと読んだことを思い起こして、ちょっと不安な気持ちになりました。あっ、でも、全面的な原発反対論者ではありませんからね。 「心から大切だと思える人にはそうたくさん出会えない。だから、出会えた人を手放さないためには、どんなことでもするべきよ」
Posted by
「ラスト・チャイルド」が面白かったので、前作にあたるこちらも読んでみたのですが… まあまあというところでした。
Posted by
図書館より。 無実の罪を着せられ故郷を追われた主人公と、その家族や昔の恋人とのぎこちない微妙な関係や、作品全体に漂う少し暗い雰囲気の描き方が絶妙です。このあたりは訳の巧さもあるのかもしれません。 前半は少し読みににく感じたものの、クライマックスに近づくにつれそれも気にならなくなり...
図書館より。 無実の罪を着せられ故郷を追われた主人公と、その家族や昔の恋人とのぎこちない微妙な関係や、作品全体に漂う少し暗い雰囲気の描き方が絶妙です。このあたりは訳の巧さもあるのかもしれません。 前半は少し読みににく感じたものの、クライマックスに近づくにつれそれも気にならなくなりました。冒頭の著者の謝辞にある通り一級品の『家族をめぐる物語』です。 アメリカ探偵作家クラブ賞 2010年版このミステリーがすごい!海外部門7位
Posted by
「期待は絶対に裏切られない」という帯の北上次郎さんの言葉と、いつも全面的に信頼しているエドガー賞、ということで読む。 いくつか弱点はある(少々けれんみ漂うキャラクター設定、解明へのいささか強引な経緯、私の最も好まない犯人像など)けれど、後味はわるくないです。 わるくない、という...
「期待は絶対に裏切られない」という帯の北上次郎さんの言葉と、いつも全面的に信頼しているエドガー賞、ということで読む。 いくつか弱点はある(少々けれんみ漂うキャラクター設定、解明へのいささか強引な経緯、私の最も好まない犯人像など)けれど、後味はわるくないです。 わるくない、というか、最後の1行で、作品の弱点すべてを補っておつりがきます。
Posted by
主人公アダムの父の敷地で起きた殺人事件。 アダムが犯人だと証言したのは、継母だった―― 無罪を勝ちとったアダムだったが、父の信頼は得られず失意のうちに故郷を去る。 親友からの5年後の電話に答えて故郷に戻ったアダムはさまざまな事件に巻き込まれる。 ストーリーに引きこまれてスルスル...
主人公アダムの父の敷地で起きた殺人事件。 アダムが犯人だと証言したのは、継母だった―― 無罪を勝ちとったアダムだったが、父の信頼は得られず失意のうちに故郷を去る。 親友からの5年後の電話に答えて故郷に戻ったアダムはさまざまな事件に巻き込まれる。 ストーリーに引きこまれてスルスルッと読めた。 この作者の他の作品も読もう。
Posted by