川は静かに流れ の商品レビュー
良くも悪くも、ザ・アメリカ小説と云う感じ。 主人公=ヒーロー。モテる。強い。色々持っている。そして正義の人。悪意無く事件に巻き込まれ(大体容疑者)身の潔白を証明する為に、そして愛する人と家族を救う為に戦う。 500頁超の長編ですので、こういうのが苦手だけど苦行したいという方にはう...
良くも悪くも、ザ・アメリカ小説と云う感じ。 主人公=ヒーロー。モテる。強い。色々持っている。そして正義の人。悪意無く事件に巻き込まれ(大体容疑者)身の潔白を証明する為に、そして愛する人と家族を救う為に戦う。 500頁超の長編ですので、こういうのが苦手だけど苦行したいという方にはうってつけ。 実はワタシには最後まで犯人が解らなかったので、その為にダラダラ読み続けてしまった…。 うん、でも面白かったです。最後の一文もとても印象的でした。前作も読んでみようかな。
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前作同様、家族が中心に進むお話。 テンポも展開もよく一気に読んだけれども、事件そのものがすっきり解決するわけでなく、家族や人間の赦しというものがメインにきている気がする。 アダムもロビンも心が広過ぎ…。
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親友のダニーからの電話でアダム・チェイスは故郷に帰ることにした。五年前、妹の誕生パーティの夜、男が殺され、継母によってアダムの仕業だと証言された。判決は無罪だったが、父は再婚相手の言葉を信じ、アダムに家を出るよう命じた。五年ぶりに帰った故郷は原発誘致の騒ぎの渦中にあった。賛成派と...
親友のダニーからの電話でアダム・チェイスは故郷に帰ることにした。五年前、妹の誕生パーティの夜、男が殺され、継母によってアダムの仕業だと証言された。判決は無罪だったが、父は再婚相手の言葉を信じ、アダムに家を出るよう命じた。五年ぶりに帰った故郷は原発誘致の騒ぎの渦中にあった。賛成派と反対派とは敵対し、農場を売ろうとしないアダムの父は賛成派の恨みを買っていた。ダニーのモーテルを訪ねたアダムは、誘致を迫るダニーの父にからまれ、大けがを負う。 町中から総スカンにあっている男が久しぶりに帰郷すると、待っていたのは電話をしてきた親友の死体。ただ一人無罪を信じてくれた昔の恋人ロビンは刑事に昇進していた。そんな時、妹のようにかわいがっていたグレイスがアダムとの再会後、何者かによって暴行される。事件を担当する刑事は、当然のようにアダムを疑い、その元恋人ロビンと対立する。 最新作『終わりなき道』と限りなく似た構図だ。もちろん、こちらの方がもとで、新作がその焼き直し。それにしてもよく似たシチュエーションを何度も使うものだ。アメリカ探偵作家クラブ賞を受賞したこの作品のファンなら、新作を読んで、既視感を抱くにちがいない。結果的には、よく似た設定ながら『川は静かに流れ』の方がすぐれている。家族の歴史に隠された秘密に触れた伏線が、ストーリー展開の中で自然に回収されていて無理がない。 息子の自分より、再婚した妻を信用されたら、実の息子としてはたまったもんじゃない。ただ、それより前に息子と父は問題を抱えていた。アダムが五歳の時、母は自殺をしている。しかも、コーヒーを運んで行った息子がドアを開けると同時に自分の頭に向けた銃の弾きがねを引いたのだ。良い子だったアダムはそれ以後変わった。ダニーとつるんで喧嘩三昧に明け暮れ、成績は下落。父は息子を見放していた。 継母のジャニスにはジェイミーとミリアムという双子の連れ子がおり、母を忘れられないアダムとの間はうまくいっていなかった。一方、家の近くに父の右腕を務めるドルフが孫のグレイスと住んでいた。グレイスはアダムを慕っていたが、五年前に黙って家を出たことを今でも怒っている。二十歳になったグレイスは今ではローワン郡一の美人に育ち、男たちの注目を集めていた。 ダニーが自分を呼び戻した理由は何だったのか。なぜ殺されねばならなかったのか。ダニーの死は三週間前にさかのぼるが、その当時、アダムは仕事をやめ家に引き籠もっていてアリバイがない。アダムの視点で一貫しているので、読者は無実を知っているだけにやきもきするが、刑事でないアダムには捜査権はないので、場当たり式に事件を追うしかない。少しずつ隠されてい事情が明らかになり、アダムが疑われた殺人事件とダニーを殺害した犯人にたどり着く。派手などんでん返しはないが、犯罪に至る動機の説明は納得がいく。 作者自身もいうように、これはミステリであるとともに家族の物語である。問題を含んだ家族の在り方に、歪みが生じ、ひいては人の命にかかわる事件へと発展してゆく。すべては過去に起因していて、時は何の解決にもならない。南部という国柄のせいか家族というものに対する比重のかけ方がかなり重い。これで、ジョン・ハートは二作目だが、個人的に相性が悪いのか、今一つ好印象が持てない。それでいて、けっこう読まされるから力量は感じている。あと一作読んでみて評価を定めたい。
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5年前の冤罪で始まるミステリー、と思いきや 実は何年にも渡る、家族と土地の歴史を描いた重い作品 過酷な運命に翻弄された主人公と、不幸な秘密を抱え続ける彼の家族。 私はどの登場人物にも感情移入できなかったのだが、読んでいてとてもつらい。 特に父と息子の関係が悲しく、救いがない。 ...
5年前の冤罪で始まるミステリー、と思いきや 実は何年にも渡る、家族と土地の歴史を描いた重い作品 過酷な運命に翻弄された主人公と、不幸な秘密を抱え続ける彼の家族。 私はどの登場人物にも感情移入できなかったのだが、読んでいてとてもつらい。 特に父と息子の関係が悲しく、救いがない。 切ない映画を見た後のような気分になった。
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マニラ駐在時に、日本人会図書館で買った古本。(約30円でした) トラブルに巻き込まれ、故郷を追われるように去った主人公が、親友からの連絡をきっかけに帰郷する。故郷はトラブルに満ち溢れ、巻き起こる事件。家族、友人、恋人、そして故郷を考えさせるミステリー。 いや、面白い。アメリカ...
マニラ駐在時に、日本人会図書館で買った古本。(約30円でした) トラブルに巻き込まれ、故郷を追われるように去った主人公が、親友からの連絡をきっかけに帰郷する。故郷はトラブルに満ち溢れ、巻き起こる事件。家族、友人、恋人、そして故郷を考えさせるミステリー。 いや、面白い。アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞受賞作だそうです。トクした気分。
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アダム・チェイスは殺人の容疑で拘留されるが、結果として証拠不十分として無実となる。が、狭いコミュニティの中で立場を回復する事は叶わず、失意のうちにニューヨークで新たな生活を送っていた。 それから5年後故郷に居る親友のダニーから連絡有り、苦境を救うために帰って来て欲しいと言うのだっ...
アダム・チェイスは殺人の容疑で拘留されるが、結果として証拠不十分として無実となる。が、狭いコミュニティの中で立場を回復する事は叶わず、失意のうちにニューヨークで新たな生活を送っていた。 それから5年後故郷に居る親友のダニーから連絡有り、苦境を救うために帰って来て欲しいと言うのだった。その場では断るものの、アダムの頭の中には故郷の事で一杯になる。 故郷に戻った彼を待っていたのは、5年前の殺人の現場を見たと嘘の証言をした継母、勘当し和解されていない父、彼に置き去りにされ、警官の仕事に没頭する元恋人のロビン、妹のように大事にしてきた隣家の少女グレイスへの犯人不明の暴行、そして新たな殺人・・・・。 複雑に絡み合う「血」の絆と淀んだ時間の中にどんな真実を見出せばいいのか。果たして真実など存在するのか・・・・。 何しろ濃い濃い。僕がアダムなら向う30年は連絡もせず音信不通になる事必至だと思う。 血縁と顔見知りだけで構成されている人間関係は、いい関係でいられる時には比べる事も出来ないくらいのパワーになるけれども、一度こじれると何十年にも渡って禍根を残すことになる。 アダムが幼い頃、彼の目の前で拳銃自殺した最愛の母、彼にとってはそれ以降とそれ以前では人生の意味合いが全く違っている。父と息子の禍根はここに端を発しているが。その原因はそれ以前から・・・これ以上は言えない・・・。 さて、この本の骨子はまさに「血」 綿々と受け継がれていた歴史としての「血」 象徴として登場する川。それは時間の流れと共に流れる血液の流れではないだろうか。 僕は前回読んだ「ラストチャイルド」の個人への感情移入に対してこの本では、特にこれと言って感情移入をすることなく読んだ。 何故かと考えたときにこの主人公「アダム」には顔が無いと感じた。憤り、怒り、悲しみ、愛し、色々な感情が渦巻いていたが、案外とあっさりとしたキャラクター作りだと思った。 これは僕独自の解釈だけれども、作者の意図として主人公は人物ではなく、この家族およびコミュニティーの「血」の歴史ではなかったのか、と感じた。 むしろ父や、グレイスの育ての父ドルフにこそ感情移入しやすい位だった。彼らは前述した「血」の体現者だから。 アダムはこの滔々と流れる歴史の語り部なのではないだろうかと感じた。 とても力作で筆圧を感じる作品で、読むに足る本だと思う。
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立て続けに読んだ北欧ミステリーも家庭崩壊が著しく、しかも何とも共感しにくい描かれ方ばかり(同じような崩壊状況とその理由)。でも、この家族の物語は、単純そうでいて複雑な関係がかなり綿密に描かれていて読み応えがある。途中で挫折しなければ…。 長いうえにかなりの忍耐を必要とした。『ラ...
立て続けに読んだ北欧ミステリーも家庭崩壊が著しく、しかも何とも共感しにくい描かれ方ばかり(同じような崩壊状況とその理由)。でも、この家族の物語は、単純そうでいて複雑な関係がかなり綿密に描かれていて読み応えがある。途中で挫折しなければ…。 長いうえにかなりの忍耐を必要とした。『ラストチャイルド』も忍耐を要したけど、本書は主人公の短気ぶりにも苛立たされる。5年前の事件があるからこその同情や共感ではなく、5年前の事件があるからこそ、もっと上手く立ち回ればいいのに、と何度も思わされた。そんな調子で長々と続くものだから、途中がちょっと辛い。おまけに途中があれだけ長いのに、最後がかなりあっさりしていて、主人公の社会的な名誉回復もなされぬまま、真犯人と共犯者の立場も守られたままってどうなの?と正直不満。そのうやむやさが、新たな関係の破綻を招いているのに(新たな事件にさえなりかねない)。 いつの時代を想定しているのか定かではないが、5年前の雑な捜査(目撃証言以外殆ど物的証拠なし)に戦後すぐ?なんて思ったら、驚いたことに携帯電話が出てきた。大都市以外の州は、あんな杜撰な捜査をして起訴まで持ち込むのかとびっくり。長い割には5年前の事件の顛末があまり語られていないが、街の大半の人達に疑われ憎まれているのに、なぜ裁判で無罪になったんだろう?
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※このレビューにはネタバレを含みます
どうしてもミリアムに同情しちゃう。目の前で愛する人が他の人を愛しているのを見せつけられるのって拷問だ。恋人より父親の方が傷つけていたんだろう。ジャニスが偽証したのって、ちょっと考えれば、愛する者を守るためってのは気づけた筈。アダムも父親もその可能性考えなかったのかな。嘘を吐きながら、アダムにあんな態度を取れるなんて、怖い女だ、ジャニスは。
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殺人の疑いをかけられ無実になったものの、追われるように故郷を捨てたアダムが5年ぶりに戻った。故郷は原発誘致で二つに分かれ、父のジェイコブは農場を売却しないことから嫌がらせを受けていた。自身嫌がらせを受ける中、兄弟のように育った、農場監督の娘グレイスが暴行を受けた。やがて、その犯人...
殺人の疑いをかけられ無実になったものの、追われるように故郷を捨てたアダムが5年ぶりに戻った。故郷は原発誘致で二つに分かれ、父のジェイコブは農場を売却しないことから嫌がらせを受けていた。自身嫌がらせを受ける中、兄弟のように育った、農場監督の娘グレイスが暴行を受けた。やがて、その犯人と目される、アダムの親友で帰郷の原因となったダニーが死体で発見される。 アダムに故郷を捨てさせた事件を含め2件の殺人共に細かい描写がされるわけでなく、話はタイトルの川のごとく淡々と進んでいく。しかし、その淡々とした空気の中に人間の憤怒が渦巻いており、そこかしこに垣間見える。犯人の予想はおおよそ見当が付いていたが、その動機は予想外だった。
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借。面白いときき読んでみたけど、怒ってばかりの主人公に感情移入できずそのまま読み終えてしまった。他の登場人物もしかり。ただ、話は展開が色々変わりおもしろいのかも。私にはちょっと早かったのかもしれない。
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