ダブル・ファンタジー の商品レビュー
「おいコー」ファンとしては複雑な一冊でした。 まぁいつまでも少女のような恋愛ものばかりではつまらいのかもしれないけど・・・。 主人公の気持ちもわからなくはないけれど、感情移入もできず ですっきりしない読後感でした。 官能小説は他に任せて、私の中の「村山像」を大事にしたいかなぁ。
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奈津・三十五歳、脚本家。尊敬する男に誘われ、家を飛び出す。“外の世界”に出て初めてわかった男の嘘、夫の支配欲、そして抑圧されていた自らの性欲の強さ―。もう後戻りはしない。女としてまだ間に合う間に、この先どれだけ身も心も燃やし尽くせる相手に出会えるだろう。何回、脳みそまで蕩けるセッ...
奈津・三十五歳、脚本家。尊敬する男に誘われ、家を飛び出す。“外の世界”に出て初めてわかった男の嘘、夫の支配欲、そして抑圧されていた自らの性欲の強さ―。もう後戻りはしない。女としてまだ間に合う間に、この先どれだけ身も心も燃やし尽くせる相手に出会えるだろう。何回、脳みそまで蕩けるセックスができるだろう。そのためなら―そのためだけにでも、誰を裏切ろうが、傷つけようがかまわない。「そのかわり、結果はすべて自分で引き受けてみせる」。 行為のシーンは多いのだけど描写自体は露骨のわりには優しい何かを感じました。でもボクが男性だからなのか、その描写も含め全体的にあまり感じるものはありませんでした。
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脚本家の女性が、尊敬する演出家とのメールのやり取りで熱情を覚え、自らを縛り付けていた夫のもとを離れる その後も次々と新たな男性と愛を交わすも 常に心も体も飢えている女性を主人公にした官能小説。 倫理的にどうこうってことじゃなく ことの善し悪しとは別に必ず誰にでも共感できるところ...
脚本家の女性が、尊敬する演出家とのメールのやり取りで熱情を覚え、自らを縛り付けていた夫のもとを離れる その後も次々と新たな男性と愛を交わすも 常に心も体も飢えている女性を主人公にした官能小説。 倫理的にどうこうってことじゃなく ことの善し悪しとは別に必ず誰にでも共感できるところがこの作者の味だと思うのだが 今作にはそれが感じられなかった。 特に演出家の男性の心変わりはあまりにも突然だし その後もあっけなさすぎ。 それがリアルではあるだろうけど・・。 主人公と同じように、読者に迎合したくないという気持ちが大きくなった作品なんだろというのはすごくわかる。 【図書館・初読・1/30読了】
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読んでちょっと後悔した。 言いたいことは、よく分るんですよ。 視聴者に媚びたり数字を気にしてたらどんどん視野が狭くなってつまんないものしか書けなくなる、って焦る主人公の気持ちとか、言い分はわかる。 そしてそれを書いてもいないのに我が物顔でおしつけてきた夫に不満を持ち、別居するのも...
読んでちょっと後悔した。 言いたいことは、よく分るんですよ。 視聴者に媚びたり数字を気にしてたらどんどん視野が狭くなってつまんないものしか書けなくなる、って焦る主人公の気持ちとか、言い分はわかる。 そしてそれを書いてもいないのに我が物顔でおしつけてきた夫に不満を持ち、別居するのも理解できた。 その後がもう…なんていうか、理解不能でした。 尊敬している、自分を認めてくれてこの世界へ引っ張り出してくれた作家さんとの情事をきっかけに、主人公が躊躇わずにどんどん奔放になっていくのが理解出来ないのではなく、最後の最後で結局伝えたかったものが、どれを指すのかがいまひとつピンと来なかった、というか… ハイ次、ハイこっち!とどんどん出現する男に統一性がないのは、確かに読んでいてリアルではあったけど、それってあくまでも「奔放」な主人公だから違和感を感じないのであって、尊敬する作家に固執しているあたりでの元彼との情事のあたりは早すぎたような気さえしました。 ていうか、最初の浮気相手の作家が、唐突過ぎて何一つ魅力を感じなかった。 あと、メールのやりとりで話が進んでいくあたりは、ちょっと…スッキリしないというか、…正直引いた(笑)
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「海を抱く」ほどの衝撃はなかった。 けれど奈津の焦燥感と「スイッチ」の入り方はよくわかる。 男に抱かれる際の醒め方も。 それでも肉欲の高まりを鎮めようと、抱かれてしまうくだりに 「バカだなぁ」と思いながらも同じことをしてきた記憶が蘇る。 少し読んでて恥ずかしかったのはそのせいだ...
「海を抱く」ほどの衝撃はなかった。 けれど奈津の焦燥感と「スイッチ」の入り方はよくわかる。 男に抱かれる際の醒め方も。 それでも肉欲の高まりを鎮めようと、抱かれてしまうくだりに 「バカだなぁ」と思いながらも同じことをしてきた記憶が蘇る。 少し読んでて恥ずかしかったのはそのせいだと思う。
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揺れ動く感情と、身体的な情念 女はいくつになっても女 というより、年を重ねるほど女なのかもしれない。
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久しぶりに一生の本と出会いました。やっぱり村山由佳は私の中の特別です。彼女が旦那さんとの田舎暮らしをやめて東京に一人暮らしを始めたこと、これを知っている身としては、え?これはどういうつもりで読めばいいの?と思いますが、逆にそのことが圧倒的な説得力を伴って迫ってくる。彼女の成長を見...
久しぶりに一生の本と出会いました。やっぱり村山由佳は私の中の特別です。彼女が旦那さんとの田舎暮らしをやめて東京に一人暮らしを始めたこと、これを知っている身としては、え?これはどういうつもりで読めばいいの?と思いますが、逆にそのことが圧倒的な説得力を伴って迫ってくる。彼女の成長を見せつけられ、自分の内臓をえぐられ、読み終わったあとには放心状態。村山由佳の読みやすい文章は、感情移入の何よりの助けになります。やっぱりこの人は「書く人」なんだなぁ。。。
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なんか、すごかった。でも、好き、な部類の小説です。村山さんといえば、「おいコー」や「天使の卵」の純愛(?)路線が有名な気がしますが、私は、「星々の舟」や「翼」、「青のフェルマータ」などの比較的長編の小説たちのほうが好きだったりします。こちらもどちらかと言えば後者の方に入るかな。
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