ダブル・ファンタジー の商品レビュー
「恋愛体質」の奈津の夫省吾への冷めからはじまり志澤、岩井、大林へと心と身体を移していく物語。ここまで性を描いた意図はなんだったのか。奈津と同じように自らの殻、枠をとっぱらいたかったのかな。女性の心の動きへの鈍感さ、俺もかなと強迫観念を抱いてしまう場面もしばしば。装丁がちょうどビデ...
「恋愛体質」の奈津の夫省吾への冷めからはじまり志澤、岩井、大林へと心と身体を移していく物語。ここまで性を描いた意図はなんだったのか。奈津と同じように自らの殻、枠をとっぱらいたかったのかな。女性の心の動きへの鈍感さ、俺もかなと強迫観念を抱いてしまう場面もしばしば。装丁がちょうどビデオケースのよう。
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夫と共に埼玉に暮らす35歳の脚本家、高遠ナツメ(奈津)。 自分のマネージャー業もこなす為に、仕事を辞めた夫とは、犬と猫とともに菜園を耕しながら仲良くやっている。 夫は「自分がいなければ妻は脚本が書けない、自分が手直しして仕事も決めてやらなければ」と思っている。 自分が書きたいもの...
夫と共に埼玉に暮らす35歳の脚本家、高遠ナツメ(奈津)。 自分のマネージャー業もこなす為に、仕事を辞めた夫とは、犬と猫とともに菜園を耕しながら仲良くやっている。 夫は「自分がいなければ妻は脚本が書けない、自分が手直しして仕事も決めてやらなければ」と思っている。 自分が書きたいものを、夫の干渉なしで書きたい様に書いてみたい、という願望は、いつも心の中にある。 そんな時、尊敬する舞台演出家とのメールのやりとりが始まる。 著名な演出家であり、妻もある年上の志澤は、奈津の心の悩みを徐々に引き出し、アドバイスをくれ、自信と勇気を与えてくれた。 そんな志澤に身も心も惹かれ、家を出る奈津・・・。 女性の裸身の細密画の壮丁と、帯の「他の男と、した?俺のかたちじゃなくなってる」という文章で、どんな官能小説かとビビリましたが。 行為の事だけ言えば、結構なページ、費やされてます。女の立場で。男性には勉強になる部分もあると思います。 これを読んで普段の独りよがりな行いを反省してもらいたいものです(笑) それぞれの相手(相手は志澤だけではないのだ)との性行為を通して、その相手の本質を表現しているので、官能というには、読むのに頭を使います。 ムチャクチャ推したい本というわけではないのですが、去って行った男に強気に出たいのに、完全には嫌われたくなくてちょっと媚びた内容のメールを送ってしまうとことか、しかもヤケにキッチリした文章で・・・なんか過去の自分とそっくりで(苦笑)、リアルさに星4つって感じです。 「わー、うぜー、こういう女ー!!・・・っつーか私みた〜い!」 未婚既婚・子供の有無を問わず、女の自立って、何をもって自立でしょうね? 人間関係に迷いが生じなくなったら、かな。 奈津も私も自立は遠いかも。
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久々の小説。 女性が描く性愛そして情愛。感情移入できないのと分かるけれどもついていけない感を味わった。 体験をこやしにするには時間による熟成が必要なのだろう。 09-34
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主人公奈津の性愛について書かれています。ここまで女性の視点で書いた長編は渾身の一作といってよいと思います。勇気とパワーを感じました。終盤、奈津の欲望の強さにただただ圧倒され、人間の業の怖さと哀しさを胸に刻みました。
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おいコーシリーズでおなじみの作者。いつもの「年上女性との恋愛」ではなく、女性が主人公の物語。女性の性が全開の作品。 電車のなかじゃぁよめないなぁ。読んだけどね
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おいコーシリーズ、天使の卵を書いた村山由佳が官能小説を書いた? そんな話を聞いて、どんな話がものすごく興味をもって読んだんだけど、あらゆるところで良い意味で期待を裏切られた感じです。 やっぱり性的な描写が多いのですが、主人公の精神的な変化に合わせて、いろいろなところで表現が変わっ...
おいコーシリーズ、天使の卵を書いた村山由佳が官能小説を書いた? そんな話を聞いて、どんな話がものすごく興味をもって読んだんだけど、あらゆるところで良い意味で期待を裏切られた感じです。 やっぱり性的な描写が多いのですが、主人公の精神的な変化に合わせて、いろいろなところで表現が変わったり、主人公とそれまでに関わってきた人たちのとあり方の変化っていうのが本当に読んでいてすごいと思った。 初めのページと最後のページでこうも主人公の精神的なあり方、周りの状況が大きく変化しているっていうのも、こういう題材からは珍しい作品だな〜と感じましたね。
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【090308】割れ鍋にとじ蓋 ::::::::::::::::::::::::: かつて上司だった彼の話によれば、 35歳頃から10年間ほどは 随分、女性遍歴を重ねたという。 今、五十路を過ぎているから かれこれ10年ほど前のことか。 彼は、東京の大学を卒業して地方に...
【090308】割れ鍋にとじ蓋 ::::::::::::::::::::::::: かつて上司だった彼の話によれば、 35歳頃から10年間ほどは 随分、女性遍歴を重ねたという。 今、五十路を過ぎているから かれこれ10年ほど前のことか。 彼は、東京の大学を卒業して地方に本社のある自動車メーカーに勤務した。 ニ年後、学生時代からつきあっていた女性が彼を追うようにしてその会社に就職したのだそうだ。 結果、若くして結婚した。 仲睦まじく、大変な愛妻家であったという。 ところが、妻がなんでも数万人にひとりという難病にかかったそうだ。 治療のことを考えて、彼は東京の会社に転職をした。 残念ながら、 治療の甲斐なく何年か後に若くして妻は他界した。 それから 一年ほどは仕事に打ち込んだそうだ。 まさに没頭。 しかし、その頃から 無性に女性に“打ち込みたくなった”らしい。 本人が私にそう言ったのだ。 その“打ち込み”具合がどのようなものだったのか。 彼は、そこまでは私に話してくれなかった。 毎朝、彼と出勤してくる庶務の女性がいるだの、 飲みに行った後で、彼と営業の女性が一緒にタクシーで去っただの、 うわさは絶えなかったが、本当のところはよく分らなかった。 それは事実だったと、私は、思う。 こんなことがあった。 私の同期の男が、結婚しているにも拘らず、派遣社員の女性と関係を持ったことがあった。 それが先方の両親の知るところになり、離婚して娘と一緒になってくれと乗り込んできたらしい。 あわや修羅場になるかを収めたのが件の彼だそうだ。 直接の部下だったわけでもないのに間に入ってうまく収めたらしい。 同期の男が言うには、不思議なことに先方の両親とも面識があり、 その派遣社員の女性からの信頼も厚かったそうだ。 どうやら彼はその派遣社員とも関係をもっていたらしい。 しかも、両親の信頼をも得る不思議な関係を。 話を戻そう。 十年ほどそんな遍歴を繰り返したあと、彼は、ひと回り以上も歳の離れた初婚女性と再婚した。 その頃だ。彼は、私に言った。 あるとき思ったんだ。 悦楽を追う生活も楽しいものだ。 しかし、さびしいんだ。 どんな女とつきあっても、 どんな女と躯を重ねても、 いつかさびしいと感じるんだ。 妻を亡くして 十年以上かけて悟ったことさ。 だからまた 静かな生活に戻るんだ。 人間は馬鹿だから 十年もかけなきゃ そんなことも分からないのさ。
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ところどころに わかるわぁ と共感する部分が多々。。。 オンナゴコロがわかります ストーリーは官能小説っぽいですが。 電車では読みづらいです 苦笑 家で読む小説です。
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久しぶりの長編で、即予約しました(笑) ちょっと主人公の言葉にイラっとするところもあり、誰も救われないし、誰も幸せになれなくて、誰も不幸ではないような、そんな感じの話でした。 ちょっとがっかり。 2009.2.23〜3.1読了
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2009.3.1 連載されている頃から、読者のブログなどで「著者の今、そのまま・・・」 などというような感想(?)を読んでいたせいで、どうにも主人公の奈津が 私の頭の中でも村山由佳さんになってしまって、今ひとつでした。 そして、この題名、合っていないです。
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