どうで死ぬ身の一踊り の商品レビュー
なぜこの文章が私小説として読めるのか。 女になんども手をあげる男がなぜこんな面白い文章を書けるのか。 "いつものことだがこのとき私は、頼むからおまえも謝まってくれ、と祈りたい気持ちになる。今、謝まってくれればまだ間に合うんだから、と。しかし、今夜もその祈りが女に届くこ...
なぜこの文章が私小説として読めるのか。 女になんども手をあげる男がなぜこんな面白い文章を書けるのか。 "いつものことだがこのとき私は、頼むからおまえも謝まってくれ、と祈りたい気持ちになる。今、謝まってくれればまだ間に合うんだから、と。しかし、今夜もその祈りが女に届くことはなかった。" 弱さを暴力に変え、その事実を小説に変える。 藤澤清造への異常たる執着は西村賢太作品2作目にして興味しかなくなった。 手に入れられるものは一つだけと言わんばかりの人生はRPGのようだ。
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一言、『そんなに好きじゃないけどまた読んでしまった。』もう一言、『ブックオフに売ろうと思ったが本棚の右端にある本』
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藤澤清造に関する調べ物を行う様子や同棲生活のイザコザを描いた私小説。 短気ですぐに手を上げ、女に逃げられると泣きつき反省したかに思えるが、また同じ事を繰り返すクズ。しかし、藤澤清造にまつわる事に関しては熱心に取り組む。そんな彼が何処か愛おしい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
この人より身近な人(特に女)が辛くて痛くて挫折しそうだった。私小説にすることで、当時の彼の心境の変化は分かるけれど、お金を貸し生活費を稼いでも、文句や嫌味を言えば殴られるって苦役でしかない。関わりたくない人間の筆頭でまったく楽しめなかった。しかしこちらの作品は、2006『どうで死ぬ身の一踊り』第134回芥川賞候補、第19回三島由紀夫賞候補、『一夜』第32回川端康成文学賞候補になっている。文学作品として藤沢清造に対する情熱や素直さ、熱い想いを味わえばよいのか?と思いつつ以前決めた全作品読了は無理かも。
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一言で言ってしまえばクズ、その典型みたいなものだけど、ではなぜそうなのかというと、おそらくは純粋さゆえなのかもしれない。もともと縁もゆかりもない藤澤清造にこれだけ傾倒できるのも純粋さゆえとおもえる。表面上まったく共感できないような暴力男のはずなのに、これだけ他人事のように赤裸々に...
一言で言ってしまえばクズ、その典型みたいなものだけど、ではなぜそうなのかというと、おそらくは純粋さゆえなのかもしれない。もともと縁もゆかりもない藤澤清造にこれだけ傾倒できるのも純粋さゆえとおもえる。表面上まったく共感できないような暴力男のはずなのに、これだけ他人事のように赤裸々に書かれると、その内面のある種の可愛らしさが見えてきて、謎の共感を覚えてしまう。
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「墓前生活」 藤澤清造の墓参りをする話。筋金入りのマニアで東京から能登の寺へ通い詰めて自費で法要まで行ってしまう。古くなった墓標を譲ってもらう場面は笑った。西村さんの氏への執念が伝わってきてとてもよかった。星5 「どうで死ぬ身の一踊り」 前半は藤澤清造に関わる話で良かったけど、...
「墓前生活」 藤澤清造の墓参りをする話。筋金入りのマニアで東京から能登の寺へ通い詰めて自費で法要まで行ってしまう。古くなった墓標を譲ってもらう場面は笑った。西村さんの氏への執念が伝わってきてとてもよかった。星5 「どうで死ぬ身の一踊り」 前半は藤澤清造に関わる話で良かったけど、後半はDV話で微妙だった。近代文学の蒐集者で研究家である一方で、同棲する女の気まぐれにはどうにも我慢がならない主人公。その対比が面白いところなのかもしれないが、DVということもあって少し冷めて読んでしまう。星3 「一夜」 これは短すぎるし、ただのDⅤ小説に成り下がっているのが残念。キレっぷりは凄いが、DVの話はやっぱり読んでいて楽しいものじゃないな… 星2
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再読。芥川賞を受賞した『苦役列車』よりこの『どうで死ぬ身の一踊り』のほうが文学性は高いように思う。美しく端正な日本語を操り純文学の香りを持ちながらも、内容はお下劣極まりない。東大卒のサラブレット作家には醸し出せない、余所行きの一張羅を誰よりも綺麗に着こなす下民といったところか。(...
再読。芥川賞を受賞した『苦役列車』よりこの『どうで死ぬ身の一踊り』のほうが文学性は高いように思う。美しく端正な日本語を操り純文学の香りを持ちながらも、内容はお下劣極まりない。東大卒のサラブレット作家には醸し出せない、余所行きの一張羅を誰よりも綺麗に着こなす下民といったところか。(すべて誉め言葉) 主人公寛多は、所謂無敵の人で、無職のくせに借金を重ね大酒飲みで恋人に暴力を振るう最低な人物だ。不快な設定なのに面白おかしく読めるのは寛多が徹底して屑で、そのくせ文章に品があり且つ藤澤清造への熱意は物凄く純粋だからであろう。 好き嫌いが相当別れる作家だが中毒性ある作家だ。
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彼の著書を買ったのは、これが初めてだったか。 著者と大正時代の私小説家の藤澤清造を重ねあわせて、無頼ぶりを発揮する結局が弱い男なんだが、なんだか気になるんだな。
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一度読んでみたかった西賢作品。ってかこれ、私小説だったんですね。ここで対象となっている作家のことは、愚昧な自分は存じ上げなかったけど、彼に書ける情熱の高さはひしひし伝わってきた。私生活の何を置いても、ってくらいのめり込める対象、存在自体が素敵ですね。私生活そのものは、ちょっと褒め...
一度読んでみたかった西賢作品。ってかこれ、私小説だったんですね。ここで対象となっている作家のことは、愚昧な自分は存じ上げなかったけど、彼に書ける情熱の高さはひしひし伝わってきた。私生活の何を置いても、ってくらいのめり込める対象、存在自体が素敵ですね。私生活そのものは、ちょっと褒められたものじゃないけど、文章そのものには惹かれるものがありました。機会があれば他作品も是非。
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芥川賞作家西村賢太氏の私小説作品「どうで死ぬ身の一踊り」を読了。以前この著者の作品の読後感想を書いたときにある友人からこの作者の作品になぜか嵌ってしまう人もいるよというコメントをいただいた事を思い出したが、本作品を読みはじめたときに思ったのはまた同じ話なのに読んじゃうなあという感...
芥川賞作家西村賢太氏の私小説作品「どうで死ぬ身の一踊り」を読了。以前この著者の作品の読後感想を書いたときにある友人からこの作者の作品になぜか嵌ってしまう人もいるよというコメントをいただいた事を思い出したが、本作品を読みはじめたときに思ったのはまた同じ話なのに読んじゃうなあという感想だった。芥川賞の選考委員の多くも知らなかったらしい不遇の作家藤澤清造の全集の自費出版を目指す中年男のその作家に関する超絶オタク具合と病的であるDVの様子が描かれていているのはほぼ今までの作品と共通していてどうしようもない男の哀しい日常を見せつけられる作品であるのは全く変わりがない。人間の業を感じるからだろうか、この作家の作品にはまるひとがいるのは。僕はもういいかな。知られていない不遇の作家藤澤清造というひとに興味を持たせてくれる作品を読むBGMに選んだのは
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