1,800円以上の注文で送料無料

どうで死ぬ身の一踊り の商品レビュー

3.5

47件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

    19

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2011/02/20

私が読んだのは受賞作「苦役列車」に続いてこれで二作目だ。 この作品は藤沢清造に傾倒する作者が「清造忌」や月参り 祥月命日の法要、藤沢清造の遺品蒐集、全集出版などいかに情熱的に動いたかを書いている。 いくら傾倒している「師」とはいえ、経済的に困窮しているときですら、食べるものも食べ...

私が読んだのは受賞作「苦役列車」に続いてこれで二作目だ。 この作品は藤沢清造に傾倒する作者が「清造忌」や月参り 祥月命日の法要、藤沢清造の遺品蒐集、全集出版などいかに情熱的に動いたかを書いている。 いくら傾倒している「師」とはいえ、経済的に困窮しているときですら、食べるものも食べず、精神も時間も傾注するなど 並みの人にはできない、このことだけでも敬服に値する。 朽ち果てたお墓を再建し、あまつさえ隣に自分のお墓まで造ってしまう。 苦役列車を読み、そのおどろおどろしさに驚き、気味悪くさえ感じたが、二作目ということもあって、ただただ没後弟子を自称する西村賢太氏の「師」に対する傾倒の凄まじさに驚いた。

Posted byブクログ

2011/03/06

喫茶店でカレーを食べようと思ったが団体客の疎ましさからビールだけを注文するだの、出て行った女の下着で自慰をするだの、暴力沙汰だの何とも哀愁と云うか滑稽と云うか杜撰な男の性格が興味深い。

Posted byブクログ

2011/01/21

やー、凄かった。めちゃくちゃ過ぎて、ホントに面白かったけど女性は怒るか引くかするだろうなー。ある意味究極のクズ笑。この時代に、まだこんな無頼が生きているとは。 内容はさておき、昭和初期の文豪を彷彿とさせる文章の素晴らしさだった。最近文章好きなので、その辺はかなりポイント高かった...

やー、凄かった。めちゃくちゃ過ぎて、ホントに面白かったけど女性は怒るか引くかするだろうなー。ある意味究極のクズ笑。この時代に、まだこんな無頼が生きているとは。 内容はさておき、昭和初期の文豪を彷彿とさせる文章の素晴らしさだった。最近文章好きなので、その辺はかなりポイント高かった。その筆致も含めて2000年代に書かれた本とは思えん。 でもやっぱり女性に手を上げちゃいけません、ということで★4つ。

Posted byブクログ

2010/12/26

藤澤淸造に傾倒する私は彼の墓参りに訪れた寺で 以前あった墓標が今は寺のどこかに放られていると知り 無理を承知で頼み込み家に持ち帰る 「墓前生活」 三十も半ばとなった私は中華レストランで働く女と同棲するようになり 彼女のパートの給料を生活費に当て 彼女の両親に借りた金で藤澤淸造の全...

藤澤淸造に傾倒する私は彼の墓参りに訪れた寺で 以前あった墓標が今は寺のどこかに放られていると知り 無理を承知で頼み込み家に持ち帰る 「墓前生活」 三十も半ばとなった私は中華レストランで働く女と同棲するようになり 彼女のパートの給料を生活費に当て 彼女の両親に借りた金で藤澤淸造の全集を作り始める 「どうで死ぬ身の一踊り」 一度実家に戻った女を泣き落として元の鞘に納まった私は 最初のうちこそ暴力も振るわず仲良くしていたが ついには再び蹴り出してしまう 「一夜」 カバー装画:杉本一文 カバーデザイン:水戸部功 作家・藤澤淸造の自筆原稿から墓標から収集に情熱を傾けつつ、 同棲する女に金を頼り、暴力を振るっては下手に出ることを繰り返す男の話。 何がすごいってこれ私小説なんだそうです。 絵に描いたような駄目男である自分をこうも客観的に書けるのは凄い。 凄いけれどもわかっているなら直せばいいのにと思ってしまう。 しかも結構最近の話だとか。昭和の香りがするのになあ。

Posted byブクログ

2011/09/03

あいかわらず、最低だけれども、坪内祐三さんの解説を呼んで、倣って学歴で人を判断してみると、彼は本物かもしれないと思った。つまり、オールドスタイルの無頼派の私小説作家ということ。ただ、藤沢清造と私小説。どっちを取るのだろう?いや、どっちもなのか?そこがいちばん興味深い。

Posted byブクログ

2010/09/25

(2010/01/14購入)(2010/01/17読了) これ程までに、己の負の部分を描ききることができるのは凄い。 藤澤清造への執念は凄まじいが、どこか滑稽にすら感じてしまう。 西村氏は藤澤清造と自分を重ね、藤澤清造の供養を通して自分自身の供養をしているのではないか。 よく...

(2010/01/14購入)(2010/01/17読了) これ程までに、己の負の部分を描ききることができるのは凄い。 藤澤清造への執念は凄まじいが、どこか滑稽にすら感じてしまう。 西村氏は藤澤清造と自分を重ね、藤澤清造の供養を通して自分自身の供養をしているのではないか。 よく分からんけど。 ━━ 何のその どうで死ぬ身の一踊り

Posted byブクログ

2009/10/07

執念の作家が出てきたものだ、と思う。 というか文学は執念の塊でなければならないのだから、至極真っ当な作家が出てきたともいえる。 とにかく、この恥を捨て切った私小説には頭が下がる。 この作者のほかの作品も読んでみたいし、藤澤清造への興味も出た。 なにより、奥付の日付が可愛らしい。

Posted byブクログ