魚舟・獣舟 の商品レビュー
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設定はオリジナリティがあっていいものの、単純な文章力や起承転結、登場人物の造形が設定のレベルに追いついておらず正直読むのが苦痛だった。 起承転結は起の設定説明が面白さのピークでそのまま尻下りになっていく感じが強く、文章も安易な比喩や「〜と思った」が多様されていて、本当にその部分でその表現をするのが正しいのか首を何度も傾げた。 また、登場人物の造形が浅いのか、言動に一貫性がないのか、それともその人を語るため(特に脇役や)のエピソードが薄いからなのか、セリフに登場人物の性格の差や考え方の違いを感じられなかった。 なかでも特に気になったのが、「真朱の街」のラストで5歳の翔子が別れ際に変に饒舌に話すシーンや「小鳥の墓」で主人公の父が主人公の顔をベースにした架空俳優でポルノ映画を作ったことが判明して家庭が不和になった際に9歳の主人公が父に「僕が相手役の俳優と寝たわけじゃないし、寝たといっても映画の中だ。ただの演技だろう」と言うシーンなど設定とセリフが一致していないところだった。 登場人物の設定を練って出てきたセリフというよりかは、こういう風に話を進めたいという予定があり、それに添わせてセリフを作っている(ので説明的で登場人物の性格がセリフから見えてこない)という印象が全体を通してあった。
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「この世に存在しないものを、まるで在るかの如く魅力的に創造する……。これは、とてつもなく手間とセンスがいるんだよ。」_p197小鳥の墓 映画監督の父が息子に言った台詞ですが、小説家である上田早夕里さんが創作活動において目指すところなのだろうと感じました。 どの作品も設定がよく...
「この世に存在しないものを、まるで在るかの如く魅力的に創造する……。これは、とてつもなく手間とセンスがいるんだよ。」_p197小鳥の墓 映画監督の父が息子に言った台詞ですが、小説家である上田早夕里さんが創作活動において目指すところなのだろうと感じました。 どの作品も設定がよくわからないままその世界に放り込まれてはじめは少し読みにくいなと思うのですが、読み進めるうちにだんだんと魚舟や幽霊や妖怪が当たり前に存在する世界に入り込んでいくような感覚でした。まさに"この世に存在しないものを在るかの如く創造する"ことに長けた作者だと思いながら読んでいたので、その思惑を感じ取れていたことが嬉しかったし、それが素人の私にも伝わるほどに努力と才能の人なのだと思います。
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表題作は最初の33ページ。この作品だけでも良いと思い買った。 華竜の宮を読んでいるので世界観や背景は分かっている。火薬で魚舟を傷つけるところは「ああ・・」となった。獣舟が進化する描写も良く、買った甲斐があったと思った。 華竜の宮では見られなかった魚舟に対するドライな感情を持った人物が主人公であったので、共感する部分があった。遺伝的にイジられているとはいえ「皆が皆魚舟に執着するわけでは無いだろう」と思っていた違和感が払拭された。 他の作品を読んでからでないと分からないが、この作者の作品はいつも悲しい。物語の背景に悲しさや寂しさが濃淡を変えながら漂っている様に感じる。 解説には「傑作(短編)選」や「その年の最高の短編」の文字があるが、これが誇張ではないと感じる。 どの作品もバイオサイエンスを強固な基盤としているのだが、第二軸として人間の心理やファンタジーを絡めることで驚くような広がり、多様さを感じる。 それでも読んで感じる雰囲気は一貫しており、(作品の幅を持たせるために)無理に要素を追加している感じはせず、作者の度量、手腕に感嘆する。 最後の書き下ろし中編では心理描写の巧みさに舌を巻いた。異常心理でありながら共感してしまうような描写に、思春期のエネルギーや心の揺らぎ、賢い主人公を完全に包括する社会実験の枠組み。SF作品であるが、そう分類したくないほどに強烈な人間の描写がある。この作品はSFを描画不足の隠れ蓑にしていない秀作であると感じた。
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短編集 どれも、読みやすくおもしろい。 オーシャンクロニクルシリーズである表題の「魚舟・獣舟」は短いながらも世界観、物語の奥深さを感じる傑作。 「真朱の街」これは別で3冊シリーズ化している妖怪探偵・百目の始まりの物語。個人的に、人ではない異形の物語にひかれるのでかなりおもしろか...
短編集 どれも、読みやすくおもしろい。 オーシャンクロニクルシリーズである表題の「魚舟・獣舟」は短いながらも世界観、物語の奥深さを感じる傑作。 「真朱の街」これは別で3冊シリーズ化している妖怪探偵・百目の始まりの物語。個人的に、人ではない異形の物語にひかれるのでかなりおもしろかった。シリーズ化したものも読んでみたい。
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ずっと気になっていた上田早夕里さんのオーシャンクロニクル・シリーズ。いきなり「華竜の宮」といきたいところだけど、まずは順番通り中短編集の本作から。とは言えリンクするのは表題作の1編だけ。ほんのさわりだけという感じながら、陸地の大半が水没した未来の地球を舞台にした独特な世界観は味わ...
ずっと気になっていた上田早夕里さんのオーシャンクロニクル・シリーズ。いきなり「華竜の宮」といきたいところだけど、まずは順番通り中短編集の本作から。とは言えリンクするのは表題作の1編だけ。ほんのさわりだけという感じながら、陸地の大半が水没した未来の地球を舞台にした独特な世界観は味わえた。他も妖怪探偵シリーズに繋がる「真朱の街」、デビュー長編「火星ダーク・バラード」の前日譚という読み応えある中編「小鳥の墓」、ゾッとするバイオ・ホラー「くさびらの道」など粒揃いで、様々な形態のSFを楽しめた。
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魚舟 ウォーターワールドみたいな世界。プラス、人が魚に進化?する。海と陸で生きるものの葛藤みたいな。。 壮大だけど、初期設定が広大過ぎてまとまりがない気がする。 くさびらの道 九州に真菌感染症が発生。キノコが生えて死者多数。 近い人を見せる菌の成分で被害拡大。 饗応 AI ロボットの束の間の休暇。 真朱の街 子どもが妖怪に拐われて百目鬼と探索。 ブルーグラス 海に沈めたドームグラスを探しに行く。 小鳥の墓 未来。教育特区に馴染めず外の世界に染まる少年。最後は殺人を繰り返す。 総じて初期設定は面白い。ただ、人間の残念な所は変わらない、、なんか後味が悪い。 読んじゃったけど。
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不思議な非現実的なストーリーの世界観であり、一方で説得力のある内容であるため、読み終えた後になんとも言えない満たされない気持ちが残る笑(読めば共感してくれるのではと)。読む中で、ストーリーの背景・設定にあるメッセージ性を強く感じた。個人的には、作者の思いをあまり感じず、考えずに、...
不思議な非現実的なストーリーの世界観であり、一方で説得力のある内容であるため、読み終えた後になんとも言えない満たされない気持ちが残る笑(読めば共感してくれるのではと)。読む中で、ストーリーの背景・設定にあるメッセージ性を強く感じた。個人的には、作者の思いをあまり感じず、考えずに、ストーリーの世界を想像しながら読みたい派なので、ここは好みが分かれる気がしたが、読み応えがあることは間違い無く、評価も高いことも納得。
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魚舟の世界観、足りない!! 「オーシャンクロニクル」シリーズの最初の1冊 関連するのは「魚舟・獣船」だけで、他は別なSFで全部で6編が入ってます。 「魚舟・獣船」★★★★(ストーリーは出来てて、あえてこのシーンを初出しで使ったんだな。作戦成功ですね。) 「くさびらの道」★★★★...
魚舟の世界観、足りない!! 「オーシャンクロニクル」シリーズの最初の1冊 関連するのは「魚舟・獣船」だけで、他は別なSFで全部で6編が入ってます。 「魚舟・獣船」★★★★(ストーリーは出来てて、あえてこのシーンを初出しで使ったんだな。作戦成功ですね。) 「くさびらの道」★★★★★コロナ禍で身につまされる。 「饗応」★★★★疲れたAIの話 「真朱の街」★★★妖怪の話 「ブルーグラス」★★★★近未来の黄昏 「小鳥の墓」★(この文庫の約半分がコレですが退屈で、途中で止めた。) でした。
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上田早夕里も私の好きな作家だ。 ホラー、SFはたまた現代への警鐘を鳴らすディストピア小説。奢った人類の行き着く先を暗示しているような小説たちに、背筋を凍らせながら引き込まれる魅力を堪能した。
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再読でも面白かったです。 同じ世界感でお話が書かれた「魚舟・獣舟」、改めて読むとこんなに短い頁数だったんだと驚きました。惹かれてもっと読みたくなります。 「くさびらの道」「真朱の街」も好きです。くさびらの道は新型コロナウイルスが蔓延しているこのご時世に読むと前より恐ろしいです。 ...
再読でも面白かったです。 同じ世界感でお話が書かれた「魚舟・獣舟」、改めて読むとこんなに短い頁数だったんだと驚きました。惹かれてもっと読みたくなります。 「くさびらの道」「真朱の街」も好きです。くさびらの道は新型コロナウイルスが蔓延しているこのご時世に読むと前より恐ろしいです。 どの作品も、どこか冷めた目線なところも良かったです。一歩離れたところから、描写している。
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