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魚舟・獣舟 光文社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2009/01/07 |
JAN | 9784334745301 |
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魚舟・獣舟
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商品レビュー
3.8
89件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
設定はオリジナリティがあっていいものの、単純な文章力や起承転結、登場人物の造形が設定のレベルに追いついておらず正直読むのが苦痛だった。 起承転結は起の設定説明が面白さのピークでそのまま尻下りになっていく感じが強く、文章も安易な比喩や「〜と思った」が多様されていて、本当にその部分でその表現をするのが正しいのか首を何度も傾げた。 また、登場人物の造形が浅いのか、言動に一貫性がないのか、それともその人を語るため(特に脇役や)のエピソードが薄いからなのか、セリフに登場人物の性格の差や考え方の違いを感じられなかった。 なかでも特に気になったのが、「真朱の街」のラストで5歳の翔子が別れ際に変に饒舌に話すシーンや「小鳥の墓」で主人公の父が主人公の顔をベースにした架空俳優でポルノ映画を作ったことが判明して家庭が不和になった際に9歳の主人公が父に「僕が相手役の俳優と寝たわけじゃないし、寝たといっても映画の中だ。ただの演技だろう」と言うシーンなど設定とセリフが一致していないところだった。 登場人物の設定を練って出てきたセリフというよりかは、こういう風に話を進めたいという予定があり、それに添わせてセリフを作っている(ので説明的で登場人物の性格がセリフから見えてこない)という印象が全体を通してあった。
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「この世に存在しないものを、まるで在るかの如く魅力的に創造する……。これは、とてつもなく手間とセンスがいるんだよ。」_p197小鳥の墓 映画監督の父が息子に言った台詞ですが、小説家である上田早夕里さんが創作活動において目指すところなのだろうと感じました。 どの作品も設定がよく...
「この世に存在しないものを、まるで在るかの如く魅力的に創造する……。これは、とてつもなく手間とセンスがいるんだよ。」_p197小鳥の墓 映画監督の父が息子に言った台詞ですが、小説家である上田早夕里さんが創作活動において目指すところなのだろうと感じました。 どの作品も設定がよくわからないままその世界に放り込まれてはじめは少し読みにくいなと思うのですが、読み進めるうちにだんだんと魚舟や幽霊や妖怪が当たり前に存在する世界に入り込んでいくような感覚でした。まさに"この世に存在しないものを在るかの如く創造する"ことに長けた作者だと思いながら読んでいたので、その思惑を感じ取れていたことが嬉しかったし、それが素人の私にも伝わるほどに努力と才能の人なのだと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
表題作は最初の33ページ。この作品だけでも良いと思い買った。 華竜の宮を読んでいるので世界観や背景は分かっている。火薬で魚舟を傷つけるところは「ああ・・」となった。獣舟が進化する描写も良く、買った甲斐があったと思った。 華竜の宮では見られなかった魚舟に対するドライな感情を持った人物が主人公であったので、共感する部分があった。遺伝的にイジられているとはいえ「皆が皆魚舟に執着するわけでは無いだろう」と思っていた違和感が払拭された。 他の作品を読んでからでないと分からないが、この作者の作品はいつも悲しい。物語の背景に悲しさや寂しさが濃淡を変えながら漂っている様に感じる。 解説には「傑作(短編)選」や「その年の最高の短編」の文字があるが、これが誇張ではないと感じる。 どの作品もバイオサイエンスを強固な基盤としているのだが、第二軸として人間の心理やファンタジーを絡めることで驚くような広がり、多様さを感じる。 それでも読んで感じる雰囲気は一貫しており、(作品の幅を持たせるために)無理に要素を追加している感じはせず、作者の度量、手腕に感嘆する。 最後の書き下ろし中編では心理描写の巧みさに舌を巻いた。異常心理でありながら共感してしまうような描写に、思春期のエネルギーや心の揺らぎ、賢い主人公を完全に包括する社会実験の枠組み。SF作品であるが、そう分類したくないほどに強烈な人間の描写がある。この作品はSFを描画不足の隠れ蓑にしていない秀作であると感じた。
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