旅する力 の商品レビュー
深夜特急を読んで憧れた身としては読んでしまう。沢木さんが何を考えて旅を初めて、最終章の出版に時間がかかったのか。納得いくとか共感できるというものではないけど、ドキュメンタリー作家の原点を見せてもらったように思う。誰が読んでも面白いとは思わないけど、旅とか書くこととかを考えるにはい...
深夜特急を読んで憧れた身としては読んでしまう。沢木さんが何を考えて旅を初めて、最終章の出版に時間がかかったのか。納得いくとか共感できるというものではないけど、ドキュメンタリー作家の原点を見せてもらったように思う。誰が読んでも面白いとは思わないけど、旅とか書くこととかを考えるにはいい本だと思う。
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大学時代に感動した本「深夜特急」。隠されたエピソードや旅に出る動機などを綴る。 ただ、時間が経ちすぎて回顧したからか、深夜特急の直接的なイメージが強いからか、 文章からは違和感のようなものも覚える。確かに、彼はたかが一年間海外にいたというに過ぎないから。 自分もアジアで一年半がた...
大学時代に感動した本「深夜特急」。隠されたエピソードや旅に出る動機などを綴る。 ただ、時間が経ちすぎて回顧したからか、深夜特急の直接的なイメージが強いからか、 文章からは違和感のようなものも覚える。確かに、彼はたかが一年間海外にいたというに過ぎないから。 自分もアジアで一年半がたとうとしているけど、まだまだ分からないことばかり。 きっと、旅は危険だから良いとか、かっこいいとかじゃなく、もっと個々の意思疎通や感性的なものから得るものがあるのだろう。 本書にも、名も無い街の何の変哲も無い場面がよみがえってくることがあると。 きっと、彼自身も気づいているんだろうな。旅で得られるものは、簡単に文章で表現するのが難しいと。 旅は自分自身の力の無さを教えてくれる。まさにそういうものじゃないだろうか。 また、印象的なのは、旅を分けていることだ。次はヨーロッパに行ってみようかな。 「アジアの旅は、たとえばインドにおける旅行者は街につくといきなり無数の人に囲まれる。タクシーの運転手、物乞い、旅館の客引き、正体不明の人々。旅は巻き込まれるようにして始まる。一方で、ヨーロッパはこちらから働きかけない限り旅は動かない。」
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「深夜特急」は、これまで読んだことのある本の中でも、何本かの指にはいるほど面白く夢中になって読んだ本である。出自などは知らなかったのだけれども、1984年6月から15ケ月間、産経新聞に連載。連載終了後、さほど間をおかず、連載分の、単行本で言えば第一便と第二便にあたるものが発行され...
「深夜特急」は、これまで読んだことのある本の中でも、何本かの指にはいるほど面白く夢中になって読んだ本である。出自などは知らなかったのだけれども、1984年6月から15ケ月間、産経新聞に連載。連載終了後、さほど間をおかず、連載分の、単行本で言えば第一便と第二便にあたるものが発行されたが、最終巻にあたる第三便が発行されたのは、第一便・第二便が発行されてから6年以上経過した1992年(かな?)のことであったようだ。 私が深夜特急を読んだのは、第三便が発行されてからそんなに時間が経っていない時期だったように記憶しているので、1992年あるいは1993年のことだったと思う。今から15年程度前の話だ。書店で第一便だけを買って帰り読み始めたら、とんでもなく面白い本であることに気がつき、あわてて書店に戻り第二便・第三便も買って、3冊全部を、ほとんど一気読みした記憶がある。 この本を面白く読んだ人は、おそらくかなりの確率で、自分もこういう旅をしてみたい、と思ったのではないか、と思う。私もそう思った1人だった。が、当時30代前半、会社に勤め、結婚をし、子供までいた身では、そんなことはかなうはずもなく、それでも、機会があれば、いつかこういう旅をしてみたい、という思いだけは持ち続けていた。 でも、「こういう旅」って、どういう旅だろう?貧乏旅行がしたい訳ではない。沢木耕太郎が経験したような、香港での曖昧宿での滞在や、マカオでギャンブルにのめりこんだり、という同じ体験をしたい訳でもない。各地の名所旧跡みたいなものを見たい訳でもない(だいたい深夜特急には、そういう所に行ったという記述はほとんどないのだ)。では、沢木耕太郎の深夜特急の旅に、どうしてそんなに魅かれたのだろうか? 深夜特急には、数多くのエピソードが登場するけれども、この本の基本ラインみたいなものは、沢木耕太郎自身の内省というか、内面の動きというか、といったもののような気がする。その内面の動きというのは、旅をしないと絶対に起こらないような動き方をするのではないか、と感じたのだと思う。旅の個々の局面に対するリアクション、というような心の動き方ではなく、そういう旅を長く続けていて初めて起こるような、総体的な心のリアクションがあるのではないか、と感じたのだと思う。 後年、イギリスの大学に留学する機会を得た際、1ケ月のクリスマス休暇を使って、ヨーロッパを1人旅する経験をした。沢木耕太郎の旅とはスケールが全く違うが、もちろん、1ケ月間1人旅を続けた経験は、その時が初めてのことだった。当たり前だけれども、それは孤独であり(食事や宿泊、移動といった必要な要件以外で、誰かと口をきく機会って、ほとんどない)、けっこう暇な時間が多く(移動の時間は多いし、毎日朝から晩まで動き回っているわけではない)、考える時間だけは、山ほどあるという状態の1ケ月だった。そしてそれは、全く悪くない経験だった。
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沢木耕太郎の旅に関する本。2008年。深夜特急をレビューするような内容であり、旅に出る経緯や動機などを記している。個人的に深夜特急は非常に好きな本であり、これまでに何度も読んでいる。本を読み、著者の視点で自分が旅をしているように感じられるところが魅力なのだと思う。その旅をこの本を...
沢木耕太郎の旅に関する本。2008年。深夜特急をレビューするような内容であり、旅に出る経緯や動機などを記している。個人的に深夜特急は非常に好きな本であり、これまでに何度も読んでいる。本を読み、著者の視点で自分が旅をしているように感じられるところが魅力なのだと思う。その旅をこの本を読むことで断片的に思い出すことができ、また旅への魅力が強まっていく。単純に旅に行きたくなる。年相応の旅のスタイルを持つことには納得であり、感度の高い若いときに旅に出て世界を見ることにも大いに賛成である。
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深夜特急はどういう旅だったのかということについての振り返りの作品。 旅”論”とでも言えそうな記述が続く。自分も旅が好きだが、その気持ちを説明して、さらに後押ししてくれる感じがした。
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2009年1月12日読了。 深夜特急最終便。本編をまだ読み終えていないのだが、その前に、現在の沢木氏からのメッセージや当時の思い出を知ることができた。”旅には適齢期がある”。何をするにも遅すぎる、ということは人生にはないと私は思うのだけれど、やはり、その年齢ではないと感じられらな...
2009年1月12日読了。 深夜特急最終便。本編をまだ読み終えていないのだが、その前に、現在の沢木氏からのメッセージや当時の思い出を知ることができた。”旅には適齢期がある”。何をするにも遅すぎる、ということは人生にはないと私は思うのだけれど、やはり、その年齢ではないと感じられらないものがあると。私自身、感動することが少なくなってきており、また、この先もっと刺激に対して鈍感になっていってしまうだろう。なので、オープンな気持ちを持ち続けながら、無理なく続けられる旅をしていきたいと思う。
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