1,800円以上の注文で送料無料

旅する力 の商品レビュー

4.1

76件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    27

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2011/04/25

人生で一番影響を受けた本は何ですか?と聞かれたら、迷わず「深夜特急」と答えるだろう。中学三年生で読んだこの本に文字通り「感化」され、大学では狂ったように海外放浪を繰り返した。 無意識とは言え、自分が著者の影を追っていたのは言うまでもなく、どこかにエキサイティングな出会いがないか...

人生で一番影響を受けた本は何ですか?と聞かれたら、迷わず「深夜特急」と答えるだろう。中学三年生で読んだこの本に文字通り「感化」され、大学では狂ったように海外放浪を繰り返した。 無意識とは言え、自分が著者の影を追っていたのは言うまでもなく、どこかにエキサイティングな出会いがないかと、獲物を狙うハンターのように目をギラつかせていた。 しかし、と思う。 やはり、どんなに頑張っても旅は「深夜特急」にはならなかった。 自分には決定的に「経験」が足らなかった。経験が足らないがために、物事を思慮深く考えることができなかった。秘境に「行く」ことが目的化され、そこに辿り着くことでどこか安堵していた節がある。 「26歳」 著者がユーラシア大陸横断の旅に出た年齢である。 今年、自分自身も「26歳」になる。心身ともに充実している。 著者の言う、経験と未経験のバランスが取れた「適齢期」のような気もする。 中学三年生で「深夜特急」を読み、(のちに)旅に出たように、 この「旅する力」も人を旅に誘うような不思議なパワーを秘めている。 「深夜特急」から長き時を経た今もなお、沢木耕太郎ここにありということを示した一冊だった。

Posted byブクログ

2011/03/06

深夜特急を読んでないけど、その楽しさがわかるような本だった。自分も頻繁にひとり旅するので、すごーく共感できる内容。旅のバイブル

Posted byブクログ

2011/02/13

 沢木耕太郎さんのお姿を一度間近に見たことがある。この本の後書きで触れられていた、『一号線を北上せよ』の出版記念全国"北上"サイン会企画の一環で、当時私が在住していた京都の書店 Book1st(たぶん)を訪れていたのだ。整理券(じゃなくて『一号線を北上せよ』を...

 沢木耕太郎さんのお姿を一度間近に見たことがある。この本の後書きで触れられていた、『一号線を北上せよ』の出版記念全国"北上"サイン会企画の一環で、当時私が在住していた京都の書店 Book1st(たぶん)を訪れていたのだ。整理券(じゃなくて『一号線を北上せよ』をお買い上げの人ってことだったかな?)はあっという間になくなって、サインを頂戴することは叶わなかったのだが、特設会場で幸運な読者一人一人とにこやかに談笑しながらサインに勤しむ沢木さんの横顔はしっかり覚えている。 (続きはブログで)http://syousanokioku.at.webry.info/200905/article_13.html

Posted byブクログ

2011/01/03

学生時代、「深夜特急」シリーズを夢中になって読んだ。そのときの興奮を思い出した。 沢木氏の書く、シャープな文章が、大好き。 文中の「面白がる技術」というフレーズが、心に残った。

Posted byブクログ

2010/08/20

深夜特急を書いた背景など。 かなり面白かった。 また深夜特急が読みたくなった。DVDも見てみようかな。

Posted byブクログ

2010/07/23

「深夜特急」の旅自体より、沢木耕太郎さんがどんなふうに文筆の世界に入っていったのか、そしてどんなふうに旅を始めたのか(初めての旅は一人で電車に乗って松坂屋まで行ったという小学校に遡る)が綴られる。 文章に関しては、やはり若いころから傑出した才能を見せており、自分で書いていると少々...

「深夜特急」の旅自体より、沢木耕太郎さんがどんなふうに文筆の世界に入っていったのか、そしてどんなふうに旅を始めたのか(初めての旅は一人で電車に乗って松坂屋まで行ったという小学校に遡る)が綴られる。 文章に関しては、やはり若いころから傑出した才能を見せており、自分で書いていると少々自慢ぽく読めたりもするけれど、実際に才能があるのだから仕方ないと思う。 P44 「過剰な修飾語を排せ。修飾したければ修飾語でなく前後のセンテンスで説明しろ。」 「私には彼らの話が面白かった。聞いても聞いても飽きなかった。こんなにも多様なことに関心がある人たちを知らなかった。恐らく、私は幼児がオトギバナシを聞いているかのように素直に耳を傾けていたことだろう。 一方、私はさまざまなところに赴いては粘り強く取材し、『調査研究』の編集部にも戻って細かいところまで話す。みんなはそれを喜んで聞いてくれる。私はそれを繰り返すことで学んでいったのだろうと思う。私が取材によって手に入れた細部のどこが面白く、どこが面白くないのか。私は彼らの反応を見ながら無意識のうちに取材の方向を修正していったのだ。」 ああ、「調査研究」編集部のにぎやかで熱気にあふれた雰囲気。 こういう雰囲気が、とにかく好きだ。文章が生まれる現場…何でも興味をもち、何でも見てやろうという熱い人たち。それを、どのようにして伝えたらよいか悩む、生みの苦しみ。 そのときそばにいてともに考え、ヒントを与え、励まし続けるのは…そう、編集者。…あぁ、編集魂がくすぐられてしまう。 P111 「『できるだけ素のままの自分を山に放ちたいんです』 素のままの自分を山に放ちたい。なぜなら、その方が面白いからだ。すべてがわかり、完璧に安全だとわかっているならクライミングなどしなくてもいい。わからない中で、自分の力を全開にして立ち向かうところに面白さがあるのだ。 その山野井氏の意見はよく理解できた。そして思ったのだ。私が未知の外国を旅行するときにほとんどガイドブックを持っていこうとしないのも、できるだけ素のままの自分を異国に放ちたいからなのだ、と。放たれた素のままの自分を、自由に動かしてみたい。実際はどこまで自由にふるまえるかわからないが、ぎりぎりまで何の助けも借りないで動かしてみたい。」 下のP213からの引用文に共感。作っていた機関誌の編集後記で、「目的地に行って帰るだけでは単なる移動であって旅ではない」なんて書いたことがあったなぁ。 下のP222からの引用、文章だけで勝負して、成功している! と思う。写真は雄弁だけど、何かが明らかになると何かが失われるのだ。優れた文学・小説が映像化されると大抵がっかりしてしまうのはそういうことだろう。文章だけで想像するのは大変人間的な行為なのだと思う。 もちろん、沢木氏の卓越した文章能力があってこそ可能になるのだけど。 最終章を読んで気づいたのは、自分の周りの人で、ある程度色々な旅を経験してきている人と、そうではない人の違いだった。 前者の人は確かに、「何が起こるかわからない」ことをわかっている。自分には限界があることをわかっている。後者の人には、そうした度胸が備わっていない(そして、わたしが仲良くなれるタイプの人は、ダントツ後者だっ!)。 旅というものはいかに学びに満ちたものであるか、人間を成長させるものか、と思う。 「旅は偶然に満ちている。さまざまな種類の偶然が旅を変容させていこうとする。たとえば、いくら厳密な予定を組んでいたとしても、予期しなかった事態に遭遇して変化を余儀なくされそうになる。まるで砂の城を洗う波のように、偶然が幾重にも押し寄せ予定を崩していこうとする。そのとき、大事なのは、あくまでも予定を守り抜くことと、変化の中に活路を見出すことのどちらがよいか、とっさに判断できる能力を身につけていることだ。それは、言葉を換えれば、偶然に対して柔らかく対応できる力を身につけているかどうかということである。」(P272)

Posted byブクログ

2010/05/27

いい本です。でも、達観しちゃってて若い時に読む本じゃないかも。著者も”経験と言う財産”をやむなく身につけてしまっていますから。それでも、なお、まだ、人生旅の途中と思える、思わせてくれることが素晴らしい。 「恐れずに」「しかし、気をつけて」 

Posted byブクログ

2010/05/15

深夜特急に引き続き、沢木耕太郎が読みたくなった人へ。 深夜特急の背景が見えてなかなか楽しいけれど、 特に読んでも旅に出たくはならないです。

Posted byブクログ

2010/05/14

100510→『1号線を北上せよーヴェトナム縦断』 081221 by朝日 with重松清 --- 46,87,144,279, --- 小田実『何でも見てやろう』、井上靖「アレキサンダーの道」、檀一雄『風浪の旅』、エリアス・カネッティ『マラケシュの声』 254 ベトナム3作in...

100510→『1号線を北上せよーヴェトナム縦断』 081221 by朝日 with重松清 --- 46,87,144,279, --- 小田実『何でも見てやろう』、井上靖「アレキサンダーの道」、檀一雄『風浪の旅』、エリアス・カネッティ『マラケシュの声』 254 ベトナム3作in上著:「メコンの光」「一号線を北上せよ」「雨のハノイ」 276

Posted byブクログ

2010/05/05

著者の旅論。「深夜特急」の旅を始めるまでの経緯などがよくわかり、著者のプロフィールも含め興味深い話がたくさん入っています。 「その年齢にしかできない旅(経験)がある」という話に、とても共感しました。 若いうちに、旅をせよ!

Posted byブクログ