光 の商品レビュー
住民全員が親戚で顔見知りという隔離された島に住む信之と幼馴染の美花と輔。 ある日、津波に島全体が飲み込まれたまたま神社にいた3人と大人数人だけが生き残る。 しかし美花を襲おうとした観光客を信之が殺してしまう。 秘密を共有する2人と密かに見ていた輔の末路の話。 実は三浦さんの作品...
住民全員が親戚で顔見知りという隔離された島に住む信之と幼馴染の美花と輔。 ある日、津波に島全体が飲み込まれたまたま神社にいた3人と大人数人だけが生き残る。 しかし美花を襲おうとした観光客を信之が殺してしまう。 秘密を共有する2人と密かに見ていた輔の末路の話。 実は三浦さんの作品は初。 わりと明るかったり笑いが混じっていたりする作品が多いイメージでした。 打って変わって光はどこまで行っても闇しかない。っていうかむしろ深くなっていきます。 信之は一人殺したらあとは一緒だと思っているのか正当化しタガが外れている気がします。 輔もタガが外れているのは一緒だと思うし虐待には同情するけれどなぜか可哀想とは思えない。 妻の南海子も矮小な人間だなぁ、と思いました。 自分自分&自分って感じ。 いかに楽にできるか、楽に生きさせてくれる人間を探しているかに心血を注いでいるかのように思いました。 そのくせ自分が浮いているのに気づかないほど処世術が身についていない。 本当に異常な人間ばっかりでつらくなるほど。 だから余計に三浦さんってこんな闇をえぐっていく作品を書けるんだ、すごいな!!って思いました。
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2006-7年に発表された作品だが、津波が小島を飲み込み、生き残った人々が中心の小説。 たまたま高台の神社で逢う約束をしていて助かった中学生カップルと、それについてきた近所の虐待されている小学生。 釣りに出ていて助かった、旅行客と、虐待している父親。 元灯台の守り人。 5人が津...
2006-7年に発表された作品だが、津波が小島を飲み込み、生き残った人々が中心の小説。 たまたま高台の神社で逢う約束をしていて助かった中学生カップルと、それについてきた近所の虐待されている小学生。 釣りに出ていて助かった、旅行客と、虐待している父親。 元灯台の守り人。 5人が津波を生き延び、その後、舞台は数十年後にうつる… 登場人物皆、心に鬱蒼としたものを抱えて生きていて、タイトルの「光」が降り注ぐことを祈らずにはいられない気持ちになった。
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評価はできないです。 なんだか読んでて辛くなってしまって、でも読むことは止められませんでした。どなたかも書いていましたが、これが3.11前というところがすごい。最後の南海子の感じがわかるなと。
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故郷は津波で壊滅、愛する女性の為の殺人とどこにも光など見い出すことができない重い内容だった。 それぞれが心の中に闇を抱いたまま抜け殻のようになっても、それでも生きてゆかなければならない。 子どもに罪はないのに椿ちゃんへ苛立ちをぶつける母親。 椿ちゃんが痛々しくて可哀想過ぎる。 家庭とは形ばかりで、それぞれがお互いを心から見つめ合うこともせず、違う方向を見ながら続ける家庭ごっこなんて何の意味があるのだろう。
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・・・暗い、重い、どよ〜んという気持ちになる。 震災前に書かれていたのは少し驚きである。 愛を知らずに育ってしまったそれぞれが 何を持って生きているか。
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複雑で強烈な作品で一言で感想を書くのが難しい。というかこの作品を軽々しく評する能力が私にはない。 希望と絶望。 望みと失望。 慈しみと蔑み。 様々なあい反するものが描かれている。 自然による暴力、人の暴力。 そして思っていても届かない気持ち。 他人は自分が求めているようには考...
複雑で強烈な作品で一言で感想を書くのが難しい。というかこの作品を軽々しく評する能力が私にはない。 希望と絶望。 望みと失望。 慈しみと蔑み。 様々なあい反するものが描かれている。 自然による暴力、人の暴力。 そして思っていても届かない気持ち。 他人は自分が求めているようには考えてはいないという事実。 求めても得られない愛情。 残酷な現実が次々と押し寄せる小説だったが哀しみが胸をうちました。苦しいです。
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しをんさん、久しぶりです。 重く暗い内容なのに 引き込まれ、あっという間に読みました。 いつもの爽やかな文章ではなかったけれど 引き込まれる辺りさすがでした。 美花に翻弄された男とその周りの人達の話。 という感じでした。
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重く暗い話だったが、先が気になり一気に読了。 三浦しをんさん、こういう話も書かれる方なのですね。 話の展開だけでなく、文章にも引き込まれ、時間が経つのを忘れてしまいました。 抗うことの出来なかった運命、それに翻弄された3人。 椿ちゃんの幸せな未来を望みます。
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えっ?私間違った?と表紙を確認。 確かに三浦しをんとなっている。 え?そうなの? そういうことなの? と、驚きは隠せない。 どこかで、いつものしをん氏が登場しないかと 思いながら読んだ。 驚いた、ビックリした。 それだけで、作品としては成功な気がする。 何が暴力で何が非暴力か...
えっ?私間違った?と表紙を確認。 確かに三浦しをんとなっている。 え?そうなの? そういうことなの? と、驚きは隠せない。 どこかで、いつものしをん氏が登場しないかと 思いながら読んだ。 驚いた、ビックリした。 それだけで、作品としては成功な気がする。 何が暴力で何が非暴力か? どんな形での暴力でも、それは哀しい。 誰の心も寂しくする。
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子供の頃こら父親の暴力に耐え、大人になってからも父親の暴力にあいながら、ただ耐える少年。 自然が起こす暴力、人の暴力に暴力で立ち向かう少年。 『光』というタイトルはどういう意味なのだろう?
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