光 の商品レビュー
20:正直、好きな話ではない。でも、描かれる暴力の理不尽さと、翻弄される人々から目をそらしてはいけないんだろうなと思うのです。信之は緑に包まれた美浜島を見て、何を思ったのだろうと考えると涙が出る。暴力に暴力で立ち向かった信之と、違う方法で立ち向かった灯台守のじいさん。じいさんの生...
20:正直、好きな話ではない。でも、描かれる暴力の理不尽さと、翻弄される人々から目をそらしてはいけないんだろうなと思うのです。信之は緑に包まれた美浜島を見て、何を思ったのだろうと考えると涙が出る。暴力に暴力で立ち向かった信之と、違う方法で立ち向かった灯台守のじいさん。じいさんの生き方が清く正しいのだと部外者が断じるのは簡単だけど、信之の決断は責められるものなのか。ここではっきりと信之を裁けない私の中にも、信之はいる。
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生々しい描写がある文章はあまり好きではないけど、先の展開が気になり一気に読めた。 しかし、娘の一大事に関して思ったより全然心配になってない両親で終始してて違和感あった。特に同じ女性の母親が実に不思議。
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暗く重い内容なのに、一気読みさせるところはさすが。 生き残った三人とも、生きることに疲れ、死を待つように生きている。なかでも美花は私には理解不能。
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三浦しをんなんだけど、暗い。 津波で全てが流されて、生き残った3人の若者と、 3人の大人。 生きていて欲しかったわけでもなく、 自分たちが生き残った後の生きる意味も見出せず。 津波ではないけど、 やはり田舎の美しい幼馴染を守って生きる、みたいな本を読んだ気がするけど、思い出せな...
三浦しをんなんだけど、暗い。 津波で全てが流されて、生き残った3人の若者と、 3人の大人。 生きていて欲しかったわけでもなく、 自分たちが生き残った後の生きる意味も見出せず。 津波ではないけど、 やはり田舎の美しい幼馴染を守って生きる、みたいな本を読んだ気がするけど、思い出せない…。
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『風が強く吹いている』や『仏果を得ず』のような 清々しい青春小説とは全く異なって暗くて重い作品。 ある小さな島が一瞬にして津波に襲われる。 生き残りの3人の子どもたちは大人になり、それぞれの生活を営んでいた。 愛する人を守るために使った暴力が 大人になった3人の生活に暗い影を落と...
『風が強く吹いている』や『仏果を得ず』のような 清々しい青春小説とは全く異なって暗くて重い作品。 ある小さな島が一瞬にして津波に襲われる。 生き残りの3人の子どもたちは大人になり、それぞれの生活を営んでいた。 愛する人を守るために使った暴力が 大人になった3人の生活に暗い影を落としていく。 「暴力はやってくるのではない。帰ってくるのだ。」
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島のほとんどを津波で奪われた、生き残った幼馴染たち3人の話。 幼馴染とは言え、けっして仲が良いわけでなく、一緒に生きてるわけでもなく暗い秘密を知る3人。 いつもの三浦しをんとは本当に雰囲気が違う、全体に暗くて希望のない感じ。
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三浦しをんが濡れ場を書くのは珍しいのではないか?私はそう思う。津波に襲われ生き延びた三人が成人しての再会。理不尽な暴力に耐え忍んだ輔を殴り殺した信之、信之をうまく使う美花。殺人を犯した夫を黙って一緒に暮らす南海子。光という書名とストーリーの関連は何だろう。
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映画化に備えて読む。著者の作品はそんなに読んでないので不確かだが、この著者でこういうSEX描写と暴力シーンの多いサスペンスを読むのは初めてだ。津波で全滅した島の生き残り三人の幼馴染が関わった殺人が20年後に更に新たな殺人を産むことになる物語である。しかしこの物語からは何の感動も得...
映画化に備えて読む。著者の作品はそんなに読んでないので不確かだが、この著者でこういうSEX描写と暴力シーンの多いサスペンスを読むのは初めてだ。津波で全滅した島の生き残り三人の幼馴染が関わった殺人が20年後に更に新たな殺人を産むことになる物語である。しかしこの物語からは何の感動も得られず、ただただこれからもごまかしの生活が続いていくのだなあという感慨しかない。表題の光というのは主人公信之の欺瞞に満ちた目の光ということになるのだろうか。
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映画化されると知って、読んでみた1冊。多分、架空の島・美浜島を巨大な津波が襲い、生き残った3人のその後を描く。冒頭からの津波のシーンは、目を覆いたくなるようなもの。思わず、奥付で発売日を確認してしまった。実際に東日本大震災を経験した後の作品だったら、そこで読むことを止めてしまった...
映画化されると知って、読んでみた1冊。多分、架空の島・美浜島を巨大な津波が襲い、生き残った3人のその後を描く。冒頭からの津波のシーンは、目を覆いたくなるようなもの。思わず、奥付で発売日を確認してしまった。実際に東日本大震災を経験した後の作品だったら、そこで読むことを止めてしまったと思う。作品自体は悪くないのだが、生き残った3人の誰にも、どこにも救いがないので、星は2つ。とても息苦しい作品だった。
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- ネタバレ
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*突然の津波で壊滅した小さな島で生き残った三人の子供。美しく魅力的な美花、美花に夢中な信之、父親からの虐待に耐えつつ自分を嫌う信之を兄と慕う輔。被災後二十年が経ち、ある秘密をもとに三人の運命が動き出すー* 本当に三浦しをんさんの作品?と、まずは非常な驚き。なんと言っても容赦なく救いがない。登場人物の誰にも共鳴出来ない。なのに、それぞれのどろりとした感情、満たされない焦燥感、声なき慟哭が見事に表現されていて、いつの間にか引き込まれる。救いようのない読後感なのに、自然と二度読みしてしまった。
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