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街場の教育論 の商品レビュー

4.2

118件のお客様レビュー

  1. 5つ

    43

  2. 4つ

    41

  3. 3つ

    18

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2013/09/27

「街場シリーズ」の4作目。タイトル通りの教育論だ。筆者の主張は、ここでもきわめて首尾一貫している。すなわち、「教育はビジネスではない」の一点に尽きるとも言える。「個性を尊重する教育」と言えば、一見正論であるかのように聞こえるが、その実は個的消費を煽るために過ぎなかったりする―筆者...

「街場シリーズ」の4作目。タイトル通りの教育論だ。筆者の主張は、ここでもきわめて首尾一貫している。すなわち、「教育はビジネスではない」の一点に尽きるとも言える。「個性を尊重する教育」と言えば、一見正論であるかのように聞こえるが、その実は個的消費を煽るために過ぎなかったりする―筆者特有の切れ味の良さだ。グローバル教育やキャリア教育―これらも、ちょっと見には魅力的に映る。しかして、その実態は…。なお、教員は基本的には反権力というのは、たしかにそうあるべきだろう。文部科学省の顔色を窺っているようではだめなのだ。

Posted byブクログ

2013/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ときどき感動的な言葉に出会う本。しかしなかなか頭にすーっと入ってこなくてもやもやしている部分もあり、深く読み込みたいと思う本でした。

Posted byブクログ

2013/07/31

内田樹の街場の教育論を読みました。 最初に教育とは何か、ということについて「学び」の場であるべきであることが述べられています。 また、教育は惰性の強い制度であり、方向修正をするにしても「現に瑕疵のある制度」を利用しながら改修していく必要がある、と述べられています。 グローバルス...

内田樹の街場の教育論を読みました。 最初に教育とは何か、ということについて「学び」の場であるべきであることが述べられています。 また、教育は惰性の強い制度であり、方向修正をするにしても「現に瑕疵のある制度」を利用しながら改修していく必要がある、と述べられています。 グローバルスタンダードということを教育に導入した事による弊害や評価制度を導入することの弊害はわかりやすく解説されていて面白く読みました。 学力上げることを目的として狭い世界に競争を導入すると、子供たちは他人の足を引っ張ることにより相対的に自分の成績を上げることを目的とするようになり、結果的に学力は底なしに落ちていく、というような解説は納得出来ました。 なぜ、いまいじめが問題になっているのか、ということについても、個性化=モジュール化が進行した結果であるという推論も面白く読みました。 教育は危機的状況になっていると主張されているのですが、「危機」は単一のソリューションでは解決出来ない、という主張は、文明崩壊の主張と通ずるところがあると思いました。。 最後に孔子の「礼」について内田樹の考え方が書かれていました。 これも、忘れてはいけないことだな、と思ったのでした。

Posted byブクログ

2013/05/31

教育はどうあるべきかー。 今の若者の感覚についても鋭く切り込まれていて、目からウロコでした。 どういう教員になって、どう教育していくのか、考えさせられる一冊になりました。

Posted byブクログ

2013/05/11

内田先生の教育論を読みました。これは2007年に内田先生の大学での講義を基に執筆したものです。街場のとありますから、(内田先生はいつも街場からものを言う方ですが)現場主義というか、政治家や評論家が教育問題をここがいけないと指摘しているだけとは、まるで訳が違います。特に教育に関して...

内田先生の教育論を読みました。これは2007年に内田先生の大学での講義を基に執筆したものです。街場のとありますから、(内田先生はいつも街場からものを言う方ですが)現場主義というか、政治家や評論家が教育問題をここがいけないと指摘しているだけとは、まるで訳が違います。特に教育に関しては目の前に子どもたちがいる限り一時的に停止できない。改革するから学校を閉鎖する・・というようなことはできない。惰性の強い制度である。との前提を強調しています。これはこと、常に人を四六時中相手にする仕事、教育だけでなく医療や福祉・介護関係の業界に共通する原理ではないかと思い当たりました。これらの業界も常に改革が叫ばれ問題がメディアで取り上げられるのですが、じゃあ誰が解決するの?誰が実行するの?となると、誰かがやるだろうと他人事で自分に火の粉が飛ばないと実感がわかないというのが世間の大方です。その間にも、現場では刻々と事態が悪化、火の粉を振り払う役目をするのは、まさにその場にいる人たちです。「手持ちの資源」を無視して改革はあり得ないということは共通していると思いました。 ここでは教育に必要なのは教師と子どもだけ、「教えるものと学ぶもの」の出会いの場が「こことは違う場所、こことは違う時間の流れ」に繋がる回路が開く奇跡的なスポットとビジネスの世界とは次元が異なることがよく分かります。 教育論とありますがこの本には生きていくためには、どんな力が必要かということが示されています。普段あまり意識していないことでも、内田先生にあらためて示されるとそうなんだよねえと腑に落ちます。引用したい言葉があまりに多すぎて書ききれないので省略しますが、最後の方に書かれていた霊的メンターとの出会いという部分が心に残りました。 結局のところ、そういえる人との邂逅も幸運なことではありますが、内なる他者と繋がることができる。目にみえないものの声を聴くことができるという実感は、現実に起こる様々な不条理をも透過してしまうのではないかと思いました。

Posted byブクログ

2013/04/15

街場シリーズは講義を収録しているとあって、各章で内田先生が乗ってきて熱く伝わってくるような部分があります。 その臨場感に読んでいて興奮します。 教育は皆が経験しているから、皆が口を出す。その割に人任せ。 そうではなく皆が喫緊の社会問題として、皆ができることをそれぞれでやっていく...

街場シリーズは講義を収録しているとあって、各章で内田先生が乗ってきて熱く伝わってくるような部分があります。 その臨場感に読んでいて興奮します。 教育は皆が経験しているから、皆が口を出す。その割に人任せ。 そうではなく皆が喫緊の社会問題として、皆ができることをそれぞれでやっていくしか解決法はない。 このあたりを読んで、心からそう思いました。

Posted byブクログ

2013/03/31

教育とは何か、学びとはどんなものか。 小手先の技術でない軸を持ってから、そこから先の議論を進めなければいけないなと改めて感じました。 教育論云々を抜いても示唆に富んだ本でした。

Posted byブクログ

2013/03/29

市場原理を教育に持ち込むのは駄目。教育は惰性の大きいもの。故にすぐに解決させるような特効薬的なものはない。学生と先生の2者がいれば教育は成り立つ。元々教育は子どもを親や社会からの搾取から守るためにあった。

Posted byブクログ

2013/03/12

繰り返し繰り返し読みたい本がまた増えました。 私は教育者でも何でもないのにどうして教育という言葉に反応してしまうのか、その答えのようなものをこの本の中に見つけられたような気がする。 教育は『惰性の強い制度』であり、入力から出力までに時間がかかり、そもそも入力と出力の関係すらよく...

繰り返し繰り返し読みたい本がまた増えました。 私は教育者でも何でもないのにどうして教育という言葉に反応してしまうのか、その答えのようなものをこの本の中に見つけられたような気がする。 教育は『惰性の強い制度』であり、入力から出力までに時間がかかり、そもそも入力と出力の関係すらよくわからないものである。現代の社会は、そういう「わかりにくいもの」に対する耐性が失われているように思う。マーケットは間違えない。受験も就活も同じ。マーケット、即ち学校に、企業に必要とされる商品がいいもの。必要とされないものは淘汰されて当然。そういった考え方を当然とし、速くて便利なコンビニ的なシステムに慣れ過ぎた結果、それが教育の場にも持ち込まれようとして(あるいは既に持ち込まれて)いる。果たして、それでよいのだろうか?今の日本で起きている若者をめぐる様々な問題について、教育を軸に熱く語られた一冊。 内田先生のおっしゃることが正しいのかどうかを判断する術はないけど、いつまでも、学びの合言葉「分かりません。教えてください。お願いします。」を言える人でありたい。

Posted byブクログ

2012/12/05

国語教育の部分が新しいと思った。音声をもう一度見直し、「思ったことを言葉にしよう」という教師側の前提を捨てることご大切なようだ。

Posted byブクログ