街場の教育論 の商品レビュー
ガツンと頭を叩かれる衝撃を感じる。ネタも豊富で講義、セミナーを企画する時の参考になる。考え方が変わることで行動の質も変わるキッカケになり得る素晴らしい本である。
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ウチダ先生の「街場シリーズ」は、大学時代に東北大生協のキャリアサポートプラザに内定者研修の材料探しに訪問した際に門馬さんに『街場の文体論』紹介してもらった縁で出会ったので、個人的にとても思い入れが深い。この「教育論」は、先生の考える「学び」に関して、非常にわかりやすく、かつ本質的...
ウチダ先生の「街場シリーズ」は、大学時代に東北大生協のキャリアサポートプラザに内定者研修の材料探しに訪問した際に門馬さんに『街場の文体論』紹介してもらった縁で出会ったので、個人的にとても思い入れが深い。この「教育論」は、先生の考える「学び」に関して、非常にわかりやすく、かつ本質的に描かれているシリーズ随一の名著である。学びは、自分の描いたロードマップよりも遠くに、高くに、連れて行ってもらうこと。自学自習と、他者からの学びと、どちらも欠かせない。
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面白いけれど、とても難しい話だった。 学校教育と政府の政策の関係性をスパッと否定しているところにはとても共感を覚えた。政府は理想ばかり叩き付けて、現場のことをわかってない、と思う先生は多いと思うけれど、教育とは古来なんだったのか、ということを明瞭に答えつつ、政府主体の早期の教育改...
面白いけれど、とても難しい話だった。 学校教育と政府の政策の関係性をスパッと否定しているところにはとても共感を覚えた。政府は理想ばかり叩き付けて、現場のことをわかってない、と思う先生は多いと思うけれど、教育とは古来なんだったのか、ということを明瞭に答えつつ、政府主体の早期の教育改革について物を申す感じですかっとした。 現場で働いていると、なかなか生徒の能力をのばすことが出来ずに悩んだり、生徒の気持ちに背くことをしていると感じて傷ついたり、葛藤する場面は多い。 同僚の教育方法のほうが優れているように感じることもあるし、生徒に対して申し訳なく思う事すらある。 この本は、そうした悩める先生たちにとって、元気が出る本というのは本当だと思う。 一見違うことを言っているように見える大人たちの言動によって、子どもを葛藤させる、それによって成熟させることが必要というようなことも書かれていたけれど、様々な人が好き勝手なことを言ってもいいんだと勇気がもらえる。 人間は葛藤して成熟していく、というのが、今の自分自身が悩み苦しんでいることが無意味ではないと言ってくれているようで、とても勇気づけられた。
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・義務教育は児童労働の禁止とセットで生まれた理念。子どもは義務教育を受ける権利があり、親は義務教育を受けさせる義務がある。 ・「学び」とは自分には理解できない「高み」にいる人に呼び寄せられてゲームに巻き込まれることで進行する。自分を越えた視座から自分を見下ろし、新たな言語を習得す...
・義務教育は児童労働の禁止とセットで生まれた理念。子どもは義務教育を受ける権利があり、親は義務教育を受けさせる義務がある。 ・「学び」とは自分には理解できない「高み」にいる人に呼び寄せられてゲームに巻き込まれることで進行する。自分を越えた視座から自分を見下ろし、新たな言語を習得すること。→学びとは予想してその通りのものを習得できることではない ・孔子の六芸(人間が学ぶべき六芸)…礼・楽・射・御・書・数 礼…死者の弔い。「存在しない者」とも人間はコミュニケーションができる。 楽…音楽。今ここには存在していないものとの関係の維持。時間意識の涵養。 射…武術。弓道は敵がいない→己の心と体のコントロール。 御…馬道。馬とのコミュニケーションにより、自分の力の何倍もの力を発揮できる。 書・数…読み書きそろばん
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フランス文学者・内田樹氏による教育論。教育体制論から中身まで論じる切れ味の良い1冊。キャリア教育論の箇所は子どもを抱える家庭に限らずとも興味深い。…ミスはジョブの外にある。僅かに余計な仕事を忌避するか受け容れるかが暫々共同体の存亡を決定する。…実は組織にとっては死活的に重要。(c...
フランス文学者・内田樹氏による教育論。教育体制論から中身まで論じる切れ味の良い1冊。キャリア教育論の箇所は子どもを抱える家庭に限らずとも興味深い。…ミスはジョブの外にある。僅かに余計な仕事を忌避するか受け容れるかが暫々共同体の存亡を決定する。…実は組織にとっては死活的に重要。(cf.社保庁の解体)には同意。 メモ。(1)全国民を巻き込んだ国策的な自分らしく生きる個性的に生きるキャンペーンの過程で、消費行動に際して同意が必要な他者との共生は良くないことであるということについての国民的合意がいつの間にか成立した。非婚化晩婚化少子化は合意に基づく論理的な帰結である。 (2)社会制度の欠陥を補正するのは私たちです。財源在民の民主国家では社会制度の欠陥の責任者は国民自身なのです。
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私は教育や学校に対して、多くの疑問や葛藤、反感を持っていますが、なぜそう感じてしまうのか、その一部を解析して貰い答えを貰った想いです。 内田さんの凄い所は、常識では得られない見解だけど、きっとその通りだと思わされる洞察力を持っている事だと思います。普通に疑問を持たずに生きる事は...
私は教育や学校に対して、多くの疑問や葛藤、反感を持っていますが、なぜそう感じてしまうのか、その一部を解析して貰い答えを貰った想いです。 内田さんの凄い所は、常識では得られない見解だけど、きっとその通りだと思わされる洞察力を持っている事だと思います。普通に疑問を持たずに生きる事は、幸せそうで不幸な事かもしれませんね。 そして教育環境に対する違和感をそのままにせず、変えて行こうと行動してはじめて、改善されていくのだと思います。そうしたらPTAもなくなるかもしれませんね。 共感する文章がとても多かったので、かなり引用文が多くなりました。
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教育現場の先生を励ますという点で書かれていてるらしい。教育がダメだからって現場で奮闘している先生に怒っても仕方がないと。好きな考え方だと思いました。現実的で。 いじめは様々な要因が複雑に絡み合っているため、即効性のあるソリューションなどない。それぞれが地道に自分の問題を解決し...
教育現場の先生を励ますという点で書かれていてるらしい。教育がダメだからって現場で奮闘している先生に怒っても仕方がないと。好きな考え方だと思いました。現実的で。 いじめは様々な要因が複雑に絡み合っているため、即効性のあるソリューションなどない。それぞれが地道に自分の問題を解決していくしかない。と。なるほど。頑張りましょう。 現代の子供達には、自分の利益は自分で独占するという考え方が深くあるが、これはグローバル資本主義から来たルールだと。 一方で欧米には、オープンソースみたいに他人と利益をシェアするという考えが日本よりも強くて、面白いというか不思議。
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なるほどねー!そういう考え方もあるか! といつも内田さんの本を読むと感じる。 賛否というか、多角的にものを見る・理解するのにとてもよい。 昔は、 先生は、先生になりたくてなっている人もいたし、そうでない先生もいた。 そうすると、学校にはいろいろなタイプの先生がいることになる。...
なるほどねー!そういう考え方もあるか! といつも内田さんの本を読むと感じる。 賛否というか、多角的にものを見る・理解するのにとてもよい。 昔は、 先生は、先生になりたくてなっている人もいたし、そうでない先生もいた。 そうすると、学校にはいろいろなタイプの先生がいることになる。 それはそれで良いんだとわかった。 親の価値観とは違う価値観を経験し、先生によっても言うことや考え方が違う。 だからこそ、自分で考えて、物事を判断する力がつく。
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斬新な目線で書かれているちょっとおかしな教育論。 「そう考えるか」とうならせられることばかり。 多くの名言や格言がちりばめられています。 あ、でもこれは内田さんの言葉ではないですよ。 メンター(先人)によって伝えられたものです。 本著は、大学院での授業の講義を書き起こしたもの...
斬新な目線で書かれているちょっとおかしな教育論。 「そう考えるか」とうならせられることばかり。 多くの名言や格言がちりばめられています。 あ、でもこれは内田さんの言葉ではないですよ。 メンター(先人)によって伝えられたものです。 本著は、大学院での授業の講義を書き起こしたもの。 でも、どこか講義というよりは、一緒に対談しているよう。 ぜひ、日本の先生方、手に取ってみてください。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
過去に何回か読んだ持論の使い回しもあるけど、時間をおいてまた再読してもいい良さがある。 著者が子ども向けでなく、先生向けと語ったように、これは子どもの扱い方をめぐっての大人に対する注文書である。 第一講ですでに、教育改革の根本的に内在する問題点が示されている。 ・教育は惰性の強い制度、簡単に変えられない ・教育に対する言説は、断定的すぎて寛容さに欠けがち ・教育制度を一時停止して、最初から作り直すことはできない ・教育改革の主体はあくまで教師。先生を批判するのでなく応援しよう 第四の指摘は、いささか教育者としての自己弁護がまじっていると思う。その誹りをおそらく知りながら。 とくに仕事と受験勉強の違いについて説いた第九講、集団の共感よりも個人主義に、いじめの構造の原因を求めた第八講の分析が秀逸。 「やりがいのある仕事」「クリエイティヴな仕事」の正体について、自己責任自己利益にもとづくが、それは誰でもできるマニュアルの非正規雇用だといいきったあたりは爽快。
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