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街場の教育論 の商品レビュー

4.2

118件のお客様レビュー

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2012/09/18

「学び」とは、それまで自分を「私はこんな人間だ。こんなことができて、こんなことができない」というふうに規定していた「決めつけ」の枠組みを上方に離脱すること。 成熟というのは、「表層的には違うもののように聞こえるメッセージが実は同一であることが検出されるレベルを探り当てること」。...

「学び」とは、それまで自分を「私はこんな人間だ。こんなことができて、こんなことができない」というふうに規定していた「決めつけ」の枠組みを上方に離脱すること。 成熟というのは、「表層的には違うもののように聞こえるメッセージが実は同一であることが検出されるレベルを探り当てること」。  教えることよりも、自分の学ぶ姿勢について再確認できたように思います。

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2012/09/12

子どもは判ってくれないに続き、内田先生どんどんいかせて貰ってます。 教育は当初、生きるための場である家庭あるいは労働場所から子どもを隔離し、ここではない何かを提供するための装置であったとします。 その後PTAなんかが出来たのは、GHQがリベラルすぎる教育の末を恐れたための制度だ...

子どもは判ってくれないに続き、内田先生どんどんいかせて貰ってます。 教育は当初、生きるための場である家庭あるいは労働場所から子どもを隔離し、ここではない何かを提供するための装置であったとします。 その後PTAなんかが出来たのは、GHQがリベラルすぎる教育の末を恐れたための制度だというのは、勉強になりました。 仕事や家族、人間関係がモジュール化(砂粒化)され、管理のためだけの効率化の結果、我々は一体となることで生まれるグルーブとその破壊力を忘れてしまった。  そういう意見を通じて、教育論に留まらず、仕事や社会のあり方に対しても深い洞察が得られる一冊。 ダンスを訳が分からなくても踊り続けることで、葛藤や矛盾を抱えた私たちはプラットフォームを得、またプラットフォームを与え社会を形成していく。それが大きな本質だからこそ、リベラルアーツあるいは孔子の言う六芸が重要だという理解を得ました。

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2012/08/24

いま、私の中で一番アツイひと! 難しいことを多くの人が理解できるように書いていると思う。だからといって、やたら簡単な語彙を使用しているわけではない。そこが内田さんのすごいところ! 「学び」とは「離陸すること」です。と書いてあったのが印象的だった。私自身、最近そういうことを感じる...

いま、私の中で一番アツイひと! 難しいことを多くの人が理解できるように書いていると思う。だからといって、やたら簡単な語彙を使用しているわけではない。そこが内田さんのすごいところ! 「学び」とは「離陸すること」です。と書いてあったのが印象的だった。私自身、最近そういうことを感じることがよくあるので、実際に言葉で浮き彫りにされると改めて実感できた。 他にも本当に貴重な知識とか見解がつまっていて、大切な一冊!

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2012/08/22

内田樹の著作を読み漁るキッカケになった一冊。 現代社会の教育の矛盾、そこから生じる現代日本の日常に潜む難しさに対し、独自の観点から鋭い指摘がなかれる。 非常に考えさせられる一冊である。

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2012/08/18

哲学、という分類とはすこし違うとおもうのだけど。 高校生のとき、真剣にこの国の教育に関する議論を真剣にかわし続けた日々がある。あのとき、この一冊があれば、思考はより強度の、硬度の高いものになったかもしれない。しかし、自分たちの力だけで、あの高みにまでたどり着いた自分たちを誇りにも...

哲学、という分類とはすこし違うとおもうのだけど。 高校生のとき、真剣にこの国の教育に関する議論を真剣にかわし続けた日々がある。あのとき、この一冊があれば、思考はより強度の、硬度の高いものになったかもしれない。しかし、自分たちの力だけで、あの高みにまでたどり着いた自分たちを誇りにも思う。 「限界」なんて、自分が勝手に決めてしまうだけだろう。謙虚に学び続けたい。どこまで大きくなれるか。 購入予定。付箋まみれ。

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2012/07/29

P92より。  他の専門家とコラボレートできること。それが専門家の定義です。他の専門家とコラボレートできるためには、自分がどのような領域の専門家であって、それが他の領域とのコラボレーションを通じて、どのような有用性を発揮するかを非専門家に理解させられなければいけません。

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2012/06/17

初めて真面目に教育論を読みました。 様々な事象についての考察がされていて、特に教養教育はコミュニケーションの素養を作るための重要なものだという章には強く共感を覚えました。 「符丁が通じない相手」とコミュニケーションできなければ、専門家は何の役にも立たない。 自分と共通の言語や共...

初めて真面目に教育論を読みました。 様々な事象についての考察がされていて、特に教養教育はコミュニケーションの素養を作るための重要なものだという章には強く共感を覚えました。 「符丁が通じない相手」とコミュニケーションできなければ、専門家は何の役にも立たない。 自分と共通の言語や共通の価値の度量衡をもたないものとのコミュニケーションを学び、内輪のパーティで符丁を使って話す仕方を学ぶ。次に、符丁を使って話してきたことを、符丁の通じない相手に理解させる。それが高等教育の一応のゴール。 文科省も親も教育評論家も、全員が善意で事態を悪化させているなか、絡み合った紐の結び目をひとつずつほぐして行く作業を、自分の与えられた範囲のなかでずっとやり続けようと思います。 現場で直面する難しさが当たり前である事を納得させてもらえました。

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2012/05/31

教育に関する問題につき、定説が鮮やかにくつがえされていく。論の展開がお見事すぎて逆に少し警戒心が芽生えた。 しかし根底に通じる、 現代の教育の問題の原点は、グローバル資本主義を鼓舞し、協働することを軽視してきたことにある という論調には納得した。

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2012/05/20
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※このレビューにはネタバレを含みます

■教育は惰性の強い制度…変更の結果が現れるまで十年、二十年。 ■教育の根本的改革は不可能…一時停止、空白が許されない制度。 ■教育改革の主体は教員…主権在民の民主国家に欠陥があるとすれば、責任者は国民自身。教育改革も同じ。 ■教師たちをいかに支援するか…批判され、査定され、制約されることでパフォーマンスは向上しない。支持され、勇気づけられ、自由を保証されることで、オーバーアチーブ出来る。 ■教育のステークホルダー…中心は? 中心でないもの…政府、中教審、文科省、保護者、メディア。 残るものは教師と子ども。

Posted byブクログ

2012/04/30
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※このレビューにはネタバレを含みます

この本を読んで、教えること・学ぶこととはどういうことなのかについて視界が開けました。 彼らが大学に求めているのは「巻き込まれる」ことなんです。(p52) やっぱり学ぶことは一人ではできないんですね。 手元においてたびたび読み返したい本です。

Posted byブクログ