説得 の商品レビュー
ここ数年、日本でもブームになっているジェーン・オースティン。「分別と多感」「高慢と偏見」「エマ」など、彼女の作品が次々と映画・ドラマ化されたほか、「ジェイン・オースティンの読書会」「ジェイン・オースティン 秘められた恋」など、いわゆる関連映画までヒットしたので、映像から興味を持...
ここ数年、日本でもブームになっているジェーン・オースティン。「分別と多感」「高慢と偏見」「エマ」など、彼女の作品が次々と映画・ドラマ化されたほか、「ジェイン・オースティンの読書会」「ジェイン・オースティン 秘められた恋」など、いわゆる関連映画までヒットしたので、映像から興味を持ってオースティンを読み始めた人も多いでしょう。 オースティン作品のストーリーはある意味とても単純です。あまり恵まれた環境でないとはいえ名家出身で、少し婚期を逃しかけてはいるけれど、教養も知性もある魅力的な女性が主人公。紆余曲折の末、理想の男性と結婚するという、あらすじだけ見ると昔の少女マンガ?と突っ込みたくなるのですが、実際に読み始めると、その細やかな人間観察、キャラクターの面白さ、おもわぬストーリー展開に惹かれて、あっという間にオースティンのとりこに。本書「説得」の主人公アンは27歳。当時としては条件のいい縁談があまり望めない年齢です。かつて相思相愛だった軍人ウェントワースとの恋は、信頼する女性の反対にあい、成就できませんでした。ところが8年後、思わぬ運命の巡り合わせでふたりは再会。苦い別れの経験から気まずい思いをするふたりですが、やがて…。 主な舞台として登場するのがバースです。ジェーン・オースティンが実際に何年か住んでいたこともあり、ジェーン・オースティン・センターという博物館があったり、ジェーン・オースティン・フェスティバルが開催されたりしており、ファンならぜひ訪れたい場所。小説の時代と街並もほとんど変わっておらず、主人公が訪れた場所を、今もそのまま歩くことができます。
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主人公・アンはかつて、結婚を諦めるようにという「説得」を受け入れ、愛する恋人と引き離された。 8年の年月を経て再会した二人だが、果たして一度消えた恋の明かりは再び灯るのか。 心優しく思慮深いアンとユーモアあふれる脇役たちが繰り広げるストーリーに思わず相槌を打ちながら読んでしまう。
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イギリス版橋田寿賀子みたいな話だったけどw主要人物が出揃った辺りからはまる。私みたいなミーハーで色恋話が好きな人にはもってこい。当初はこの1冊で止めようと思ったけど高慢と偏見も読んでみよう♪
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
以前読んだ時よりも、しみじみくるものがあった。 訳はとても読みやすいし。 オースティンの小説で年号が出てくるのは珍しいが、それはアンとウェントワース大佐が婚約していたという「過去」があるから、時間軸として、必要だったのかなと思った。 『ノーサンガーアビー』はゴシック小説のパロディ。 『分別と多感』、『高慢と偏見』はお金と結婚。 『マンスフィールドパーク』は道徳心。 『エマ』はホームコメディ。だとすると、『説得』は一番ロマンティックだなーと思う。 2011.2.12 購入/2011.2.14 読了
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相変わらずのロマンス。 しかしながら今回はヒロインが地味。地味というか……ものすごく蔑ろにされているヒロインである。 んでもって、相変わらず周囲の人々は滑稽な程酷い。 序盤ははらはらさせるのにクライマックスがあっさりな気がした。 記号的に感じるのは、ジェイン・オー...
相変わらずのロマンス。 しかしながら今回はヒロインが地味。地味というか……ものすごく蔑ろにされているヒロインである。 んでもって、相変わらず周囲の人々は滑稽な程酷い。 序盤ははらはらさせるのにクライマックスがあっさりな気がした。 記号的に感じるのは、ジェイン・オースティン作品を読み慣れたためか、この作品がそうなのか。悩む。
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周囲に説きふせられ 終止符を打つ事になった遠い昔の初恋が、 時を経てゆっくり動き始める作品。 ジェイン・オースティン晩年の作品でもあり 主人公の女性が他のジェイン作品にくらべると 消極的だったように思う。 ただし、奇知と謙虚と分別があるのは健在。
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オースティン作品、特に『高慢と偏見』は、学生時代から読もう読もうと思いつつ、ついぞ読まないまま今まで来てしまっていましたが、オースティンファンの友人がらちゃんがこの本を貸してくれました。 久しぶりの外国文学になります。 よくブロンテ姉妹と比較されるオースティン。彼女達よりはずっと...
オースティン作品、特に『高慢と偏見』は、学生時代から読もう読もうと思いつつ、ついぞ読まないまま今まで来てしまっていましたが、オースティンファンの友人がらちゃんがこの本を貸してくれました。 久しぶりの外国文学になります。 よくブロンテ姉妹と比較されるオースティン。彼女達よりはずっとマイルドで軽快ながら、ウィットとペーソスに富んだ、中流社交界の人々の様子が描かれています。 ブロンテ作品の方を読んでいる私にとっては、ドラマ性はそう高くないため、多少物足りなさを感じますが、その分リアルさが出ており、単なる物語上のストーリィに堕ちない生命力を感じます。 お上品な登場人物の会話や仕草に垣間見られる、結婚を最大の目的として動く女性達の本音や、俗物としてカリカチュアライズされた人々の行動。その面白さをこよなく愛する人々がたくさんいることが分かります。 モンゴメリの大人向けの作品に、少し現実味と喧騒を加えた風味のように思いました。 タイトルの説得って何だろう?と、初めはよくわかりませんでしたが、ヒロインのアンが、初めに結婚を決意した時、母親代わりの夫人に反対され、プロポーズを断るように説得されたことを指しているようです。 『説きふせられて』というタイトルにしている出版社もあるそうです。 オースティンは、俗っぽい家族や周囲の人々には容赦ない辛辣な描写をしても、非の打ち所がないような立派なヒロインには、その毒を向けていないため、主人公に目を向けると、ふんだんにロマンチックなラブストーリィとなり、最終的には甘く調和のとれたハッピーエンドとなります。 日常生活の中では、ひっきりなしに波風は立つけれど、その中で幸せをつかむという流れに、女性らしいまとめ方が見えます。 そのうちに、彼女の代表作『高慢と偏見』も読んでみようと思いました。
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説得されて恋を諦めてしまった娘。 数年後に思いがけない形での再会があり… 人間像が鮮やか。 現実の苦みと波乱の運命。
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今読み始めているんですが、面白い!しとやかで控えめなアンを基準に上流階級の人々の人柄や発言が描かれるから、かなり滑稽に描かれていてクスっと笑いがなんどもこぼれます。昔のロマンス小説って他もこんな感じなんでしょうか。だったら色々読んでみたいです。とりあえずこれ読み終わったら高慢と偏...
今読み始めているんですが、面白い!しとやかで控えめなアンを基準に上流階級の人々の人柄や発言が描かれるから、かなり滑稽に描かれていてクスっと笑いがなんどもこぼれます。昔のロマンス小説って他もこんな感じなんでしょうか。だったら色々読んでみたいです。とりあえずこれ読み終わったら高慢と偏見の映画借りてみようと思います。読み終わりました。性格描写と会話で九割進行しているのに、読みやすくて、喜劇的で、心のやりとりが細やかなのに驚かされる。会話が話の運びを持っていってるのって、女性的だなーと思うんですが、この頃の他の女性作家もこういう感じなんでしょうか?それともオースティンの特色なんでしょうか?それにしても呼ばれた食事会に行くタイミング、メンバー、頻度や場所、そういったもので地位や相手の関係を、その気持まで推し量る細やかさは少々息苦しいほどで、登場人物に感嘆。私には、無理だわー。ささいな視線の交わし、他人との会話で思いの丈をぶつけるあまりに控えめな告白などの繊細さに甘くひたれました。
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幸福感満たされる素晴らしいラスト。 イングランドの美しい自然を舞台に、人生の移ろいと繊細な恋心をしみじみと描くオースティン最晩年の傑作。
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