説得 の商品レビュー
ジェーンオースティンは、映画で題材の作品を観ることはあって、名前は知っていても読むことがありませんでした。 今回初めて説得という作品を読み、こんな昔の作品なのになんだか自分もイギリスのこの舞台にいる気分になりました。 アンという女性が繊細に描かれていて、その周りの人物の心理...
ジェーンオースティンは、映画で題材の作品を観ることはあって、名前は知っていても読むことがありませんでした。 今回初めて説得という作品を読み、こんな昔の作品なのになんだか自分もイギリスのこの舞台にいる気分になりました。 アンという女性が繊細に描かれていて、その周りの人物の心理もとてもわかりやすく、結末がだいたいわかっていてもじっくりと読めました。 こんな才能ある女流作家さんがいたんだなぁと。 他の作品も読みたいです。
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解説に取り上げられている quotes は、物語を読んでいて自然と私が感激した箇所と一致していて嬉しい。円熟した作品だからこその、あの優れた表現なのだろうか! こういう引用したくなる優れた表現は、長編6作品を読んだが、唯一だと思う。 ところで、主人公アンは、大人しいタイプに入...
解説に取り上げられている quotes は、物語を読んでいて自然と私が感激した箇所と一致していて嬉しい。円熟した作品だからこその、あの優れた表現なのだろうか! こういう引用したくなる優れた表現は、長編6作品を読んだが、唯一だと思う。 ところで、主人公アンは、大人しいタイプに入るが、「マンスフィールド・パーク」のファニーや、「分別と多感」のエリナーとは違う。だから私は彼女に苛つかなかったし、彼女は家族から冷遇されているけれども、結末まで楽しく読むことができた。
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この主人公アンは、いただけないですね。細やかな気遣いをして人に尽くし、地味で目立たないけど実はきれい。知性も教養もある。こういうタイプが一番苦手だし、嫌いだな。
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映画でジェーン・オースティンの世界にハマってしまい、読んでみました。細かい心理描写に、もうほとんど主人公の気持ちになって読んでました。どんどん読めちゃう。まわりの登場人物も面白いですね。 ブリジット・ジョーンズの日記を読んでたので、途中笑っちゃいました。
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オースティン作品の中、唯一映像化されたものが入手できなかった作品。 でも読んでいて頭の中に映像が広がり、地味ながらもドキドキしながら読み進みました。 主人公アンは目立たないが感受性と愛情の深い、素晴らしい大人の女性で、とても魅力的でした。 オースティンはアンのような女性だったので...
オースティン作品の中、唯一映像化されたものが入手できなかった作品。 でも読んでいて頭の中に映像が広がり、地味ながらもドキドキしながら読み進みました。 主人公アンは目立たないが感受性と愛情の深い、素晴らしい大人の女性で、とても魅力的でした。 オースティンはアンのような女性だったのでしょう。
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図書館で。これで長編は全部読んだかな。 今回の主人公は若かりし頃の恋を諌められそのうちもっと良い人が現れるかもと思いつつもふっきれずに8年たってしまったというある意味可哀想な主人公。年配者は悪いことは言わない、若い人はせっかちだからと有益な助言を下さるけれどもある意味大きなお世話...
図書館で。これで長編は全部読んだかな。 今回の主人公は若かりし頃の恋を諌められそのうちもっと良い人が現れるかもと思いつつもふっきれずに8年たってしまったというある意味可哀想な主人公。年配者は悪いことは言わない、若い人はせっかちだからと有益な助言を下さるけれどもある意味大きなお世話なのかもしれない。でも実際問題結婚した後で彼が敗戦し死んでしまったら目も当てられないし。結果論ってのはあると思いますけれどもね。 まあでも覚悟が出来ているなら18でも自分の意志を貫くのもありかもしれません。とは言えそこまでの覚悟をその年で持つのはなかなか難しいとは思いますが。 ありそうな俗物な登場人物が面白いですね。流石です。
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オースティンの物語の主人公たちはいつもジェントリ出身であり──それは当時の文学界(作家・批評家・読者たちの構成する世界)のあり方の一端を想像させるけれど──、当時で言えばよほど生活に余裕がある人びとではあるけれど現代的にいえば「上流」に近接した「中流」である彼らの精神世界は、意識...
オースティンの物語の主人公たちはいつもジェントリ出身であり──それは当時の文学界(作家・批評家・読者たちの構成する世界)のあり方の一端を想像させるけれど──、当時で言えばよほど生活に余裕がある人びとではあるけれど現代的にいえば「上流」に近接した「中流」である彼らの精神世界は、意識されるものであれそうでないものであれ、隣接する"クラス"との関係性により規定されている。 上級貴族階級に対する憧れ・上昇願望はいつも公式の階級制度(爵位)によりさまたげられており、商人階級や農民階級に対する優位は彼らの経済的成功によりいつも脅かされている(産業革命、植民地帝国の版図拡大や第一帝制フランスとの戦争がこれを助長した)。 したがって、公的権限の制約、経済的優位性の危機、構成メンバーの流動性(≒歴史と伝統の欠如)という事態に直面して、「教養」や「理性」、「礼節」や「気品」といった概念が持ちだされる。ようするに用法次第でどうとでもなる概念であり、メンバー間の暗黙の合意のもとで使用されることで"閉鎖性"を創り出すことば。それらの涙ぐましい努力について、作者は明らかにときに真剣にときに茶化して、繰り返し言及している。 加えてオースティンの作品を読んでいて気が付くのは、19世紀初頭のそうしたジェントリの子女たちのこころが、いつもどちらかと言えば上方への同化願望ではなく下方への差異化願望により多く占められていることであり、当時における男女の対称性が透かし見える気がしなくもない。つまるところ上昇婚よりも、その反対のほうが大いにあり得るし、実際女性の側で何か"手を打つ"ことができるとすれば、それはやはり自身の地位を守るという方面においてだったということ。 作者は、以上のようなことをどこまで意識的に自身の作品の中に織り込んでいったのか。それやこれや考えながら読むことができるのがおもしろい。
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アンは前回読んだ「高慢と偏見」のエリザベスとは全然違う。それぞれの話の主人公は全て違う性格の設定とは聞いていたけど、思っていた以上に違うので、そこが驚きでもあり、面白いところでもあり。今まで読んだ中で、1番内面描写が細かくて深かったように感じた。共通しているのは、続きが気になって...
アンは前回読んだ「高慢と偏見」のエリザベスとは全然違う。それぞれの話の主人公は全て違う性格の設定とは聞いていたけど、思っていた以上に違うので、そこが驚きでもあり、面白いところでもあり。今まで読んだ中で、1番内面描写が細かくて深かったように感じた。共通しているのは、続きが気になって仕方なくなること! 2020/02/10 再読。やっぱり面白い!周りからは淡々としているように見えるアンだが、心の中では情熱的な気持ちを秘めている。また読みたい。
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オースティンの6作品の最後の小説。男女の複雑な心理を明快な文章で描き出している。貴族時代の上流社会の話であるが、虚栄心、嫉妬、羞恥心、不安、期待、それらが巧妙に織り込まれており、今の時代に読んでも面白い。登場人物の心の駆け引きや移り変わりの描写は見事。また、主人公のアンはオーステ...
オースティンの6作品の最後の小説。男女の複雑な心理を明快な文章で描き出している。貴族時代の上流社会の話であるが、虚栄心、嫉妬、羞恥心、不安、期待、それらが巧妙に織り込まれており、今の時代に読んでも面白い。登場人物の心の駆け引きや移り変わりの描写は見事。また、主人公のアンはオースティンから見ても理想的女性だったのではないか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
20140121読了 18-19世紀、イギリスの小説家。20歳前後で引き裂かれた男女が8年後に再会し、結婚するまでの恋愛小説。●斜陽にある貴族一家が、主人公を除いて曲者ぞろい。巻頭より、父「自分の美貌と准男爵位を何よりも愛し、虚栄心のかたまり」、姉「すべて父親似。人一倍気位が高く、美人だが性格が悪い」、妹「ヒステリー持ちで、ひがみの権化」。そして主人公は「洗練された知性とやさしい心を持ち、亡くなった母親似」。要するに、上流階級ではあるが賢くはない家族の中で、主人公だけが唯一まともな人物。もうこの人物設定を読んだだけで、ドラマ性充分だと思った。●当時の貴族の暮らしぶりが分かる。財政的に厳しいにもかかわらず、准男爵位にしがみついて華やかな生活を捨てられない父親や姉の姿は愚かで滑稽。●21~23章、劇的!!
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