日日是好日 の商品レビュー
素晴らしい本だった。茶道を長く習う著者が、お茶を通して気づいた人生の様々なことについて綴っている。 人生の節目や挫折の局面で、お茶は筆者にそっと寄り添い、答えを自ら見つけさせてくれる。私は茶道のことも何も知らないが、筆者がとても素晴らしい先生を持っていることは伝わってくる。お茶と...
素晴らしい本だった。茶道を長く習う著者が、お茶を通して気づいた人生の様々なことについて綴っている。 人生の節目や挫折の局面で、お茶は筆者にそっと寄り添い、答えを自ら見つけさせてくれる。私は茶道のことも何も知らないが、筆者がとても素晴らしい先生を持っていることは伝わってくる。お茶と日本の季節の関係、お道具や掛け軸、和菓子。お茶をやっている人は、人生を丁寧に生きているのかもしれないと思った。 筆者は、お茶のお稽古での様子を淡々と描写するだけだが、この本を読むと、茶道を習ってみたくなる。一度でも、客人として招かれてみたい。 文章は清々しく、心地よい柔らかさがある。ぜひお勧めしたい一冊である。
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本屋さんで平積みされているのを見て堪らずにジャケ買い。とは言えお茶の嗜みなどなくもっぱらフラペチーノやケーキなど抹茶スイーツが専門の私。読みきれるのかと一抹の不安を抱えて読み始める。 面白かった。これほど決まり事の多いお茶の世界でも口で教えてもらう事はそのほんの一握りの事であとは...
本屋さんで平積みされているのを見て堪らずにジャケ買い。とは言えお茶の嗜みなどなくもっぱらフラペチーノやケーキなど抹茶スイーツが専門の私。読みきれるのかと一抹の不安を抱えて読み始める。 面白かった。これほど決まり事の多いお茶の世界でも口で教えてもらう事はそのほんの一握りの事であとは如何に自分で気づけるかどうか。3年後なのか20年後なのかは人それぞれで、だけど何年かかろうとも自分で気づくと言う事がなによりも大切でそして面白い。気づく喜びを奪わない指導の仕方ってきっと凄くもどかしいんだろうなぁ。それが教える事が教わる事になるんだろうと思う。 三日月みたいって思って手に取った事がちょっと嬉しかったです。
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生きているということ。 今、ここで。この場所で。 押しつぶされそうな不安も焦りも感じて、反対側の明るさを感じられるんだろう。 そう思ったら、進んでいけそうな気がした。 お茶をやったことはないけれど、雨音やその匂いを感じられるような本でした。 そしてやっぱり思うのは大切な人を大切に...
生きているということ。 今、ここで。この場所で。 押しつぶされそうな不安も焦りも感じて、反対側の明るさを感じられるんだろう。 そう思ったら、進んでいけそうな気がした。 お茶をやったことはないけれど、雨音やその匂いを感じられるような本でした。 そしてやっぱり思うのは大切な人を大切に、大好きだといつも伝えていきたいということ。 今日も生きていこう、自然とともに。
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生きていると 時折… 「すぐわかること」「すぐにはわからないもの」があるのに 「わからない」ことにとらわれてしまうことがある。 「長い目で今を生きろ」 お茶が教えてくれたことだそう… そうなんだろうと腑に落ちることが いくつも書かれてあった。 人へのおもてなし、または心づかい...
生きていると 時折… 「すぐわかること」「すぐにはわからないもの」があるのに 「わからない」ことにとらわれてしまうことがある。 「長い目で今を生きろ」 お茶が教えてくれたことだそう… そうなんだろうと腑に落ちることが いくつも書かれてあった。 人へのおもてなし、または心づかいが 茶道には散りばめられていることを知ったが それは茶道の世界だけではなく 日々、生きていくうえで人に対して そうありたい と思ってきたことと通じていた。 時にその心は伝わらなくとも 伝わる人には伝わると信じていたい。 そう思わせてくれる本でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
週に一回、「お茶」の稽古に通ううち、気がつけばもう25年。失恋、父の死、コンプレックス…、辛い季節を「お茶」とともに乗り越えた成長ヒストリー。厳格な約束事に縛られた窮屈な茶道の中にある、大きな自由とは? 繰り返し繰り返し,そしてある時気づく。 コツコツ,コツコツと。
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2016.05 お茶の世界には、現代の生活からすると、無駄に見えたり、無意味に感じられることがたくさんある。 でも、それ一つ一つは自然と調和し、共存するような世界観があって、それは言葉ではなく、身をもって得ていくもの。 日々是好日という言葉も、毎日が素晴らしく、いい日というのでは...
2016.05 お茶の世界には、現代の生活からすると、無駄に見えたり、無意味に感じられることがたくさんある。 でも、それ一つ一つは自然と調和し、共存するような世界観があって、それは言葉ではなく、身をもって得ていくもの。 日々是好日という言葉も、毎日が素晴らしく、いい日というのではなく、悪い時も良くない時も好日として、捉えるという意味があるのだろう…。 これでも、きっと私の理解はほんのわずか。 また、しばらくして読み返してみたい。
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これは、ものすごくよかったです。 20歳から25年お茶を続けた著者が綴った、お茶の世界。小難しい話は一切なくて、始めたばかりの頃の「なぜ?」という疑問や驚き、少しずつ広がりを見せていくお茶の世界、研ぎ澄まされていく五感…縁のなかったお茶の世界を知れて、その深さにとても感動しました...
これは、ものすごくよかったです。 20歳から25年お茶を続けた著者が綴った、お茶の世界。小難しい話は一切なくて、始めたばかりの頃の「なぜ?」という疑問や驚き、少しずつ広がりを見せていくお茶の世界、研ぎ澄まされていく五感…縁のなかったお茶の世界を知れて、その深さにとても感動しました。 読み返そうとして、鳥肌が立ってしまうくらい。 追体験したお茶の世界は、とっても不思議。 「頭で考えない」「覚えない」と、お茶の先生が言うことは、学校の先生が言うこととはまったく違う。 後にそれは、10年20年の流れで物事を見ているからだと気づかされます。詰め込みで知識や解法を頭に入れるのではなく、自分で気付く学びの喜びを知る。 生き急いでいては思いもつかないくらい長く、優しい目で人の成長を見守る視点に、なんだか尊いものを感じました。 それから季節のこと。 「春夏秋冬」の四季は、古の暦では24に分けられていたんですよね。 肌で季節を感じられるようになると、実際に季節は4つではなく、日々移り変わっているのを感じられるようです。道に咲く花や空気の湿り具合、空の高さなど、季節を感じるものはこんなにも溢れていたのに…意識を向けるだけで肌に感じるものが全然違うんですね。 季節が巡るように、暑い日や寒い日も人生にはあって、同じ日は1日もない。 どんな日も、その日を存分に味わう。 日日是好日…毎日が、いい日。 最後にその言葉が染み込んで、心が震えた。 読めて本当に幸せでした。
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とても良い本でした。 日本人でありながら、茶道についてまったく無知であることにふと気づき、何気なくこの本を手に取ってみたのですが、これが思わぬ大収穫でした。 二十歳のころ、なんとなく通い始めた茶道教室に、その後三十年近く足を運んでいる著者の思いを綴ったエッセイです。 お点前の稽古...
とても良い本でした。 日本人でありながら、茶道についてまったく無知であることにふと気づき、何気なくこの本を手に取ってみたのですが、これが思わぬ大収穫でした。 二十歳のころ、なんとなく通い始めた茶道教室に、その後三十年近く足を運んでいる著者の思いを綴ったエッセイです。 お点前の稽古風景を描写したくだりを読むと、なんだか禅的だなぁという印象を持ちましたが、調べてみるとお茶は中国から禅と共に日本へ渡ってきたのだそうですネ。 このお点前というのが、ややっこしいったらありゃしない。道具を置く場所、動作など、手順が細かく決められていて、なんど教わっても覚えられないものらしいんです。なぜそうするのか?なぜそこに置かなければならないのか?疑問をもっても、質問することすら許されない。とにかく、言われたことを、言われたとおりに行うだけ。理由がわからないから、覚えることも儘ならない。忘れるからといって、メモを取るなんてこともダメ。しかも、季節によって道具が変わり、道具によって手順もすべて変わってしまう。その道具の種類も多種多様。ひとつ、覚えかけたら、新たな手順に切り替わり、せっかく覚えかけたものを記憶する間もなく、次々新しいことを覚えなければならないので、何年たっても、結局何も覚えられないとのこと。著者自身、あまりのふがいなさを嘆き、何度もやめようと思われたようです。 しかし、五年、十年、十五年とお稽古を続ける中で、ふっと胸の底に何かが落ちる瞬間があるそうです。それは、自分が今ここに在ることの意味であったり、壮大な宇宙とのつながりであったり。そんなことを感じるきっかけとなるのが、床の間に活けられた野の花や、何が書いてあるのかわからない掛け軸の文字、障子を透かして射し込む日の光や、茶室を包み込むような雨音、小鳥のさえずりやつくばいを流れる微かな水音、炭の香りや湯の沸く音、そして時折おとずれる静寂等々なんだそうです。禅においても、悟りを言葉で伝えることはしないと、その手の本で読んだことがあります。日頃の作務の中で、ある日突然はっと悟りを得るもののようですネ。きっと、胸の奥底に響くものは言葉で語りつくせないのでしょう。言葉にすると真実は伝わらず、薄っぺらくなってしまうのだと思われます。 また、お茶室での所作には、能や舞、武道に通じるものを感じます。自然体という言葉がありますが、これは咄嗟のとき、頭で考えるよりも先に、身体の方が無意識に反応して動く状態を指すということを、これもまた何かの本で読んだ記憶があります。そうなるためには、日々繰り返し同じ動きを修練する必要があるのでしょう。お茶の点前も同じですネ。 中国からもたらされたお茶は、日本人独特の美意識によって研ぎ澄まされ、いまのような形になったのでしょう。たかがお茶・・・なのにここまで極めてしまうなんて、日本人の感性の凄さ、日本文化の素晴らしさを再認識いたしました。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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茶道に興味はあるけれど、 お稽古に通うほどの熱意がない私には ぴったりの本だった。 お稽古って通うのは面倒。 でもそこに足を運べば学ぶべき何かが必ずあるという安心感はある。 没頭することで日常からの開放感もあるし。 作者は20年以上も茶道を学んできた方。 茶室、茶人(先生)...
茶道に興味はあるけれど、 お稽古に通うほどの熱意がない私には ぴったりの本だった。 お稽古って通うのは面倒。 でもそこに足を運べば学ぶべき何かが必ずあるという安心感はある。 没頭することで日常からの開放感もあるし。 作者は20年以上も茶道を学んできた方。 茶室、茶人(先生)、茶会、茶花、茶菓子・・・茶道にまつわる様々な経験で気づきを得る作者の目を通し、茶道を疑似体験できる本。
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今では大好きな本。 お茶を習いにいきたくなるよ。 そして日本や自然の美しさを再発見できるよ。 雨の日は雨を聞く。 憂鬱になりそうな日はつぶやいています。 お抹茶が好きな方にも、まったく縁のない方にもおすすめです。
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