シャングリ・ラ(上) の商品レビュー
大学3年の設計課題の際に、六本木ヒルズが森になった状況が設定さ、そこに対する建築的操作が求められた。 アニメーション化されたこの物語では、温暖化/ヒートアイランドが進んだ未来の先に、東京全体が熱帯雨林となっている社会が設定されている。 熱帯雨林の中に、巨大な空中都市が聳え建ち、現...
大学3年の設計課題の際に、六本木ヒルズが森になった状況が設定さ、そこに対する建築的操作が求められた。 アニメーション化されたこの物語では、温暖化/ヒートアイランドが進んだ未来の先に、東京全体が熱帯雨林となっている社会が設定されている。 熱帯雨林の中に、巨大な空中都市が聳え建ち、現在の地下鉄が構造兼交通のためのチューブとなっている。 主人公の反政府組織は新大久保にあり、城壁都市の中に香港を詰め込んだような雑多な都市像で対比されている。 表紙がバベルの塔であるのもなかなか示唆的。確かに周りは森である。 小説では挿絵が無いので、アニメーションという表現を取ったことによる都市ビジョンの表現は意味のあることだろう。 建築的、都市的なビジョンとともに、炭素排出量が支配的となった経済の形を示している。 現在でも、炭素排出権などといった、実質的な炭素の量と数字上の炭素の量の乖離が見られるが、それらへの批判/皮肉としてうまく表現されているのではないだろうか。 東京の安易な緑化に対する批判ともとれる。 後半には風水やら建国論といった要素を詰め込みすぎて破綻気味なところがあるが、海面上昇、台風の発生、環境と経済の関係への着目は面白い。 環境に配慮するという言葉に懐疑的な自分には非常に共感できた。
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世界構築はすごく好きな感じだったんだけど、キャラ設定がついていけなかったなあ。登場人物たちの喋る言葉が苦手だったのかも。アニメ向きかな。アニメ化もしてるんだよね?アニメにしたら楽しめる気がする!
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他のほとんどの作品とは違って、未来の東京が舞台。沖縄ファンタジー要素は(少なくともこの上巻では)ほとんどないけど、キャラクターのぶっ飛びっぷりは爽快、冒険活劇は痛快。着地点が楽しみ。
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「テンペスト」が面白かったので、同じ著書の本を、と思い読んでみました。 アイディアは面白いように思うのですが、なんだか読みにくいです。いきなり話が進んで、大切な何かを読み飛ばしたんだろうか?(例えば誰のこと?とかどこの場面?とか)と前に戻ってみても、書いてなくて、読み進めていく...
「テンペスト」が面白かったので、同じ著書の本を、と思い読んでみました。 アイディアは面白いように思うのですが、なんだか読みにくいです。いきなり話が進んで、大切な何かを読み飛ばしたんだろうか?(例えば誰のこと?とかどこの場面?とか)と前に戻ってみても、書いてなくて、読み進めていくうちにそれが結局どうだったのかということが出てきたりします。伏線というのとは別物です。 作者の作風なのかもしれません。そういえば、「テンペスト」の時も確か数回そういうことがあったように思います。こちらの作品のほうが頻度が高いと思います。 スピードに乗って読んでいたのに(フォトリーディングで高速リーディングという手法で読んでいます)、そういうところに引っかかって減速したりしてしまい、乗りきれない、話が複雑なようで、そこがわかれば大したことのない場面だったり、と、少し苛つきました。 後半はまだ読んでいないのですが、すでに少し面倒くさいです。
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分厚さに持ち運びがおっくうになって積読されてた本。ようやく読みました。 久しぶりに当たりのファンタジー本を見つけた気分。 設定も良いし。書き方もうまい。 「炭素経済」は実際に起こりうる未来だし、実際に環境税(炭素税)を導入している欧州では、排出量取引はそれなりの市場になっている...
分厚さに持ち運びがおっくうになって積読されてた本。ようやく読みました。 久しぶりに当たりのファンタジー本を見つけた気分。 設定も良いし。書き方もうまい。 「炭素経済」は実際に起こりうる未来だし、実際に環境税(炭素税)を導入している欧州では、排出量取引はそれなりの市場になっている。たぶん、そのあたりの現実を踏まえての、この作品なんだろうな、と思う。 池上さんは初めて読んだけど、なかなか好みの作風だったので興味が出てきた。テンペストも読んでみようかなぁ。 でも、まずはシャングリ・ラの下巻を買わないとね。
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これは面白いぞ~。 見たことないけど、ちょっとリアルな設定。とっても魅力的なキャラクター。 下巻も楽しみだ!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
炭素が通貨となった世界 東京は変貌していた。 世界観などおもしろくて目からウロコだったが、 最後の場面は死んだり生き帰ったりなりふり構わずのドタバタ感が否めなかった。 ゆえの☆3つ
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この作品が初池上作品ですが、説明文が多くてちょっと読みづらい文章だなあと思いました。 内容的には環境第一という思想へのアンチテーゼのようなお話でとても興味深く読めました。 ハイテクあり、呪術的神話的要素あり、と盛り沢山の内容ですが、ブーメランで戦車真っ二つにするってのはちょっとリ...
この作品が初池上作品ですが、説明文が多くてちょっと読みづらい文章だなあと思いました。 内容的には環境第一という思想へのアンチテーゼのようなお話でとても興味深く読めました。 ハイテクあり、呪術的神話的要素あり、と盛り沢山の内容ですが、ブーメランで戦車真っ二つにするってのはちょっとリアリティなさ過ぎって思ってしまいました(笑)。
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賛否両論あるんでしょうね。 ワタシは結構楽しく読んでいます。 ただ、ちょっと長いかなー。 ようやく、「何が問題なのか」が見えてきた上巻。 下巻にいかないと感想は何とも言えないなー、でも、下巻は評判悪いようで・・・
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読む本ないな~って言った時の,同僚からのおすすめ 時は,炭素を資本とする新しい経済で動く時代 温暖化する地球に対して,東京は超巨大&高層建造物「アトラス」に都市を移転 元の街を森林に変えて二酸化炭素吸収をさせようとするのですが,地上にはアトラスに行けない人々が難民となり,森林に呑...
読む本ないな~って言った時の,同僚からのおすすめ 時は,炭素を資本とする新しい経済で動く時代 温暖化する地球に対して,東京は超巨大&高層建造物「アトラス」に都市を移転 元の街を森林に変えて二酸化炭素吸収をさせようとするのですが,地上にはアトラスに行けない人々が難民となり,森林に呑まれようとしているかつての街にキャンプを築いています。 で,そんな難民キャンプのボス國子がアトラスへ戦争を仕掛けるのですが・・・ 地球温暖化をテーマにした本格SFかと思いきや,メイン武器が超でかいブーメランとか,人柱や御託宣とか,当初の予想とは違う方向に話が進んでます(笑) しかも長い! 上巻を3分の2くらいに纏められてれば,☆4でもよかった まぁ,話の筋は面白いんで下巻に読み進めるとしましょう。 とりあえず,自分の中でオカマの二人は雲霄三姉妹(from藤崎版「封神演技」)のビーナスとマドンナで脳内再生されてますw
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