シャングリ・ラ(上) の商品レビュー
地球温暖化が進行し、国連の議決を経て炭素の吸収削減が通貨として機能するようになった世界。東京では、地上の森林化を強行し、代わりに巨大な塔「アトラス」を建設し住民を移住させる計画を立てた。しかし、政府の公約とは裏腹に実際にアトラスに居住出来る人間の数は制限され、下界に留まらざるを得...
地球温暖化が進行し、国連の議決を経て炭素の吸収削減が通貨として機能するようになった世界。東京では、地上の森林化を強行し、代わりに巨大な塔「アトラス」を建設し住民を移住させる計画を立てた。しかし、政府の公約とは裏腹に実際にアトラスに居住出来る人間の数は制限され、下界に留まらざるを得ない難民が大量発生した。襲い来る森と激しい豪雨に見舞われる毎日に痺れを切らした主人公は、反政府ゲリラの一員として反逆の狼煙を上げる。う、う〜ん、ぶっとんだ設定は嫌いではないのだけど、ステレオタイプ化された陳腐なキャラクターとご都合主義的展開のために、読み進めるのに本当に苦労した作品だった。似たようなテンポのファンタジーであれば、夢枕獏の作品などの方が余程文章が巧みで強くオススメできる。まぁ本作も、例え冗長であっても、頭を空っぽにしてアクション映画を観る人が好きな人にはオススメ出来るかも。
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気になっていた作家。内容は、それなりに定番のディストピア小説。オカマをメインに持ってきたり、10代の少女が最強だったり、人物の造形は魅力的。いかにもありそうな近未来の東京の不気味さも迫力満点で、状況設定も言うことなし。武力戦争だけじゃなく、経済戦争的側面も貪欲に取り入れられていて...
気になっていた作家。内容は、それなりに定番のディストピア小説。オカマをメインに持ってきたり、10代の少女が最強だったり、人物の造形は魅力的。いかにもありそうな近未来の東京の不気味さも迫力満点で、状況設定も言うことなし。武力戦争だけじゃなく、経済戦争的側面も貪欲に取り入れられていて、読んでいて飽きさせない。これでつまらない話になる訳ないってことで、前半が終わった時点で素晴らしい作品には間違いなし。ここからの盛り上がりにも期待大。
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読み進む速度がどんどん上がっていくのを感じた。書き出しは地上にいる反政府ゲリラとアトラスに住む政府との抗争という構図に、やや期待外れ感があったが、ゲリラと政府と公社と、カーボニストを巻き込んだ陰謀にはまっていく。下巻に突入~!
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最初は風の谷のナウシカみたいな話だなぁと思いつつ、中盤あたりからそうでもないかなと思い、結局はやっぱりナウシカっぽいなと思った。 キャラクターの設定が人間らしくなくぶっ飛んでいる。 炭素税の話はこれから真実味を帯びてきそう。 物語も作り込まれていて、アクションやビジュアル面が強...
最初は風の谷のナウシカみたいな話だなぁと思いつつ、中盤あたりからそうでもないかなと思い、結局はやっぱりナウシカっぽいなと思った。 キャラクターの設定が人間らしくなくぶっ飛んでいる。 炭素税の話はこれから真実味を帯びてきそう。 物語も作り込まれていて、アクションやビジュアル面が強烈なこともあって、映画にすればかなり面白そう。 どうなるのか期待しつつ下巻へ!
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温暖化、政府の政策、新しい経済概念 同じ東京での格差 それぞれの立場で生きている感情が絡み合って面白い
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地球温暖化のために、超高層建造物へ都市機能を移行させた未来都市の東京。 いかにも、SFライトノベルやハリウッド映画にありそうな設定。アニメっぽいと思ったが、もともとアニメ雑誌連載だからと納得。実際、アニメ化もされてるらしい。 『テンペスト』が面白かったので、期待。 少年院帰りのヒロイン國子がジャンヌダルクよろしく反政府ゲリラの旗頭となる。 主人公よりも、ビジネス手腕に長けた香凛、姫君風なのに残忍な美邦のサイドのほうが面白い。この作者はオカマが好きなのか? かなり荒唐無稽なお話で、ぶっとんでる。
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温暖化対策で森林を増やし過ぎた末、人間が森林に追いやられる世界に。超高層都市アトラスの政府と森林化した下界の反政府ゲリラの戦い。Co2排出権買取りに似た炭素経済。異常気象と凶暴化する植物。主人公國子の謎など。アンチテーゼと未来を先取りした経済は秀逸。ただ、スケールがでかすぎる設定...
温暖化対策で森林を増やし過ぎた末、人間が森林に追いやられる世界に。超高層都市アトラスの政府と森林化した下界の反政府ゲリラの戦い。Co2排出権買取りに似た炭素経済。異常気象と凶暴化する植物。主人公國子の謎など。アンチテーゼと未来を先取りした経済は秀逸。ただ、スケールがでかすぎる設定、ご都合主義的展開、キャラの命の扱いの軽さがあるのが残念。若干グロ描写あり。
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チャットモンチーの曲に似たようなタイトルがあったなー、なんて思いながら手に取った一冊。まさかこんなにのめり込むなんて。 本屋さんで立ち読みして上下巻読んでしまいました。 おもしろかったー!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
温暖化が進み、炭素経済が支配する近未来の設定。東京では高層化人工地盤「アトラス」が建設され、地上の市街地の強制的な森林化で熱帯病の温床の死の森に。抵抗する住民は政府に対してゲリラ活動…、というかなり殺伐したストーリー。しかし、主人公や登場人物の設定は、いかにもアニメの原作で、スケールの大きな世界観とはギャップありです。 上巻ではまだまだ「アトラス」の謎の半分も見えていない感じ。下巻を読んでみないと…。
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かいつまんで概要を説明すると、物語は近未来の東京です。 世界はCO2作減のために、炭素主導の経済に移行。炭素税が導入され、炭素の排出量によって税率が大きく変わってくるという、炭素が経済に大きく影響を与えていく世界。 そして、日本は膨大なCO2作減のために東京一帯を森林化し、かわり...
かいつまんで概要を説明すると、物語は近未来の東京です。 世界はCO2作減のために、炭素主導の経済に移行。炭素税が導入され、炭素の排出量によって税率が大きく変わってくるという、炭素が経済に大きく影響を与えていく世界。 そして、日本は膨大なCO2作減のために東京一帯を森林化し、かわりに超高層都市「アトラス」を建築する。 しかし、東京都民全てがアトラスに入居できるわけではなく、あぶれた人達は難民となって、森の中で反政府ゲリラとして生活していく。 そして、主人公はそんなゲリラの若き女総統。政府への反乱を通して、自分自身の存在やアトラスの真の意味が明らかになっていく。 というようなストーリーなんです。 最初は近未来の危機を描いた小説かなと思ってましたが、読んでいるうちに壮大なSF小説であることが分かってきました。 上巻では、まだ展開もありえる範囲のものばかりでしたが、下巻になると、もう展開が性急すぎてついていけない。 あれやこれやと色んなものが、ありえない接点で繋がったりと、もうビックリです。 はっきりいってほとんどマンガの世界です。 実際にこの小説が原作のアニメが既にできているみたいです。 多分、アニメでやったらこの話はかなり面白くて見応えありそう。 でも、この小説自体は決して面白くないわけではないよ。 世界観はかなり壮大やから、物語に入ったらおもしろくて抜け出せんかもね。 ほんとはゆっくり時間をかけて読むつもりだったんですが、あれよあれよという間に手が進み、気がつけば二日で上・下巻、合わせて1000ページ超を読破してしまいました。 まるで、ドラクエを徹夜でクリアしたような感じですな(´∀`)
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