天の光はすべて星 の商品レビュー
主人公マックスの、自嘲気味のユーモラスな語り口に、思わず引き込まれる。 初老の男女のラブ・ロマンスも描かれるが、何より胸に迫ってくるのは、もと宇宙飛行士マックスを突き動かしてやまない、物狂おしいまでの思いだ。子どもの頃読んだSF小説によって胸に芽生えた、宇宙への夢、星に向かって旅...
主人公マックスの、自嘲気味のユーモラスな語り口に、思わず引き込まれる。 初老の男女のラブ・ロマンスも描かれるが、何より胸に迫ってくるのは、もと宇宙飛行士マックスを突き動かしてやまない、物狂おしいまでの思いだ。子どもの頃読んだSF小説によって胸に芽生えた、宇宙への夢、星に向かって旅することへの夢。 60歳を目前にしてなお、枯れることない夢。宇宙計画があると聞けばすぐさま行動を起こさずにはいられない、自らの記憶すら捻じ曲げてでもという、彼の思いの熱さに泣けてくる。マックス同様、“自分の中から流れ出る時間”を意識せずにはいられない身にとっては、彼の急きたてられるような思いもよくわかる。 その夢と現実との折り合いを、人類への信頼、未来に託した希望とした点も感動的。その意味でも、マックスの甥っ子ビリーの造型は大きな意味をもっているように思える。 星への思いでつながった男たちの、揺るぎない友情にも心うたれる。 The Lights in the Sky are Stars by Fredric Brown
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物語の舞台は1997年から2001年。勿論書かれたのは1953年なので、齟齬が生じるが、なかなか面白い。主人公の元宇宙飛行士マックス・アンドルーズは、星に魅了され57歳にして再び宇宙を目指す。木星探査計画を公約に立候補した女性上院議員候補のエレンとの出会い、そして別れ。ネタバレ覚...
物語の舞台は1997年から2001年。勿論書かれたのは1953年なので、齟齬が生じるが、なかなか面白い。主人公の元宇宙飛行士マックス・アンドルーズは、星に魅了され57歳にして再び宇宙を目指す。木星探査計画を公約に立候補した女性上院議員候補のエレンとの出会い、そして別れ。ネタバレ覚悟で申し上げるが、エレンが病床に伏した時、マックスが彼女に語りかけるシーンが最も印象的である。1953年といえば、第二次世界大戦の終結から僅か8年。未曾有の脅威を振るう原子爆弾という史上最悪の兵器の登場に、開発国であるアメリカの人間であるフレドリック自身も戸惑いを隠せなかったに違いない。彼は何度か作中に原子爆弾の話を挙げている。マックスは床に伏すエレンに語りかける。「原爆による皆殺しの戦争の影におびえながら育った。だがわたしには、それが嬉しいことのようにさえ思われた。人間がそういうことからくる恐怖に駆り立てられて、やむをえず星に向かって出発せざるをえなくなるというのなら。」 科学者が世界を滅ぼす。 そんな言葉を耳にしたことがある。 結局戦争を作るのは一部の政治家と、科学者なのだ。 だが科学は兵器を作るためだけに存在するわけではない。きっと、もっと素晴らしいことのために存在する。それはたとえば、我々がまだ見ることのない、他の星々への到達のような。 新装版のカバーはご覧の通り、空へ向かうロケットと、それを寄り添うように眺める二人の人間が描かれている。全てを読み終え、再びカバーに戻った時、どこか感慨深いものがあった。 宇宙にとりつかれ、それを追い続けること。無限に広がる闇は広大で、恐ろしくもあるけれど、我々にいつか光の速さを超えられる時が来たのなら、世界はきっともっと広くなるだろう。
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19/27/04/09 終盤まで、『古典』というのは退屈な作品の免罪符だななんて思いながら読んでました。 ラスト50ページで傑作だとか、名作だとか言えるとは思えないが、少なくとも最後まで読んでもいいんじゃないかと思えたので星三つということで。 タイトルとジャケットは素晴...
19/27/04/09 終盤まで、『古典』というのは退屈な作品の免罪符だななんて思いながら読んでました。 ラスト50ページで傑作だとか、名作だとか言えるとは思えないが、少なくとも最後まで読んでもいいんじゃないかと思えたので星三つということで。 タイトルとジャケットは素晴らしいんだが。
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フレドリック・ブラウンの天の光はすべて星を読みました。宇宙旅行に憧れる老境に入ったパイロットの奮闘の物語でした。この本は以前読んだことがあったはずですが、何となく懐かしく、つい買ってしまいました。物語としては特に面白いわけではなく、SF的にも見るべきものはありませんでした。しかし...
フレドリック・ブラウンの天の光はすべて星を読みました。宇宙旅行に憧れる老境に入ったパイロットの奮闘の物語でした。この本は以前読んだことがあったはずですが、何となく懐かしく、つい買ってしまいました。物語としては特に面白いわけではなく、SF的にも見るべきものはありませんでした。しかし、フレドリック・ブラウンのSFやファンタジーの短編集はとても気に入っているので、この本を読み直したのをきっかけに、再度短編集を読み直してみようかなあ、と思っています。
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タイトルと表紙が綺麗ですね。あとプロットも凄く綺麗です。 宇宙そのものよりも、「宇宙に憧れる」人に最近憧れます。 でも中身は割と短いので、展開が読めてしまうのが残念…
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2008/11/13読了。 1953年に50年後の世紀末に向けて描かれた本。 これがフロンティア精神ってものなのだろう。
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あまりにすばらしいタイトルに惚れこんで購入。読んでみたらこれがまた、ワクワク感に顔がにやけるかと思えば、涙で眼がじんわりしてくるシーンもあり、これはもしや、と奥付をよく見れば、おお、1953年の作。この頃の作品って、宇宙に対する夢と希望がハンパじゃなくて好き。先ごろ亡くなった野田...
あまりにすばらしいタイトルに惚れこんで購入。読んでみたらこれがまた、ワクワク感に顔がにやけるかと思えば、涙で眼がじんわりしてくるシーンもあり、これはもしや、と奥付をよく見れば、おお、1953年の作。この頃の作品って、宇宙に対する夢と希望がハンパじゃなくて好き。先ごろ亡くなった野田昌宏もきっとこの作品が好きだったに違いない、と勝手に思ったりして。ハインラインの『月を売った男』を、また読み返したくなった。エレンが手術室に入る前に主人公にするお願い(二番目のほう)にぎゅっと心をつかまれた。私もこんなお願いをして、夫にわかってもらえたら幸せだなあ。
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信じれば、それが現実となる。 熱い思いをぶつける男のストーリー 「2001年宇宙の旅」と同じく過去の話で未来の物語
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例のハヤカワ文庫フェアであまりにタイトルがかっこよかったので買ってみました。57歳元宇宙飛行士が木星探査計画を知りその夢にかける。かっこいいじゃあないですか、と思い購入。面白かったです。これなら原書でも読めるかなあ〜 今度探してみよう。 感想としてはエレンは良い女すぎ!!こん...
例のハヤカワ文庫フェアであまりにタイトルがかっこよかったので買ってみました。57歳元宇宙飛行士が木星探査計画を知りその夢にかける。かっこいいじゃあないですか、と思い購入。面白かったです。これなら原書でも読めるかなあ〜 今度探してみよう。 感想としてはエレンは良い女すぎ!!こんな仕事も出来て男の夢にもかけられるような出来た女性は!!かっこよすぎですよ。そして主人公もそうですがお話も駆け足でぐんぐん進んで行くのに。あのラストが来るとは。良い意味でも悪い意味でも裏切られました。ある意味本当に作り物みたいに進んで行くお話しの中でそこだけやけにリアルではあります。いやあ、してやられました。面白かったです。 ちょっと解説が…いや、別に私アニメの影響でこの本読んでないから…みたいな。作品も知らないし。そんなことどうでもいいし…。その作品があったから復刊されたんだぞ、と言う事であれば自分の目に留まることもなかったと思うのでその意味では感謝ですが… ちょっと微妙でした。
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前から読みたかったのがグレンラガン効果で再販されたので早速購読。 個人的に納得のいかなかったグレンラガンのラストシーンがこれのオマージュだというのを知ってなるほど、これがやりたかったのか…という風には落ち着きました。 それはさておき、僕がこれを読みたかったのはグレンラガンのサブタ...
前から読みたかったのがグレンラガン効果で再販されたので早速購読。 個人的に納得のいかなかったグレンラガンのラストシーンがこれのオマージュだというのを知ってなるほど、これがやりたかったのか…という風には落ち着きました。 それはさておき、僕がこれを読みたかったのはグレンラガンのサブタイトルだったからではなくソードワールドアドベンチャーというやつのサブタイトルだったからなんだけども、全てのサブタイトルがSFからの引用だったそれの中で最も気になったうちの一作であるこれがやっと読めたわけです。 ではその内容はというと…そのきらびやかなタイトルからは想像できなかったビターでエモーショナルなものでした。 多くを手に入れながらも”やらかしちゃった”ことによってそれらを喪いそれでも星を見る男の物語。 このタイトルをした高校生の俺に読ませても大して楽しめなかったろうなあ…ということで★五つつけてますがお勧めはしません。 もしあなたがある程度歳行ってて後悔することが何かしらあるならオススメ。 その場合ついでに“魂の駆動体”と“ウは宇宙船のウ”収録の“宇宙船”もあわせてオススメ。 大変に好みの一冊でした。
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