アフリカ・レポート の商品レビュー
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ジンバブエ、南アフリカ、ケニア、ウガンダ、セネガル。 パリ、歌舞伎町でのアフリカ人についての報告もある。 「レイシスト」とは何であるかの説明がわかりにくい。 産業や生活の記述があるが、方向性が見えない。 新聞社のアフリカ取材の一部を切り出したためだろうか。 アフリカの息吹は感じることができる。 大地から響くような。
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▼さすがジャーナリストの方が書かれた文章である。現地での取材に基づいた事実が、アフリカの「いま」を浮かび上がらせている。 ▼確かに、国境や国家といった概念に馴染まない部族社会地域を植民していったのはヨーロッパ列強である。しかし、だからといって「独立」まで果たしたアフリカ諸国に、今...
▼さすがジャーナリストの方が書かれた文章である。現地での取材に基づいた事実が、アフリカの「いま」を浮かび上がらせている。 ▼確かに、国境や国家といった概念に馴染まない部族社会地域を植民していったのはヨーロッパ列強である。しかし、だからといって「独立」まで果たしたアフリカ諸国に、今さらそれをなかったことにしろとは言えないだろう(と、言いつつも、新たな「独立国」を目指す機運は絶えないが)。 ▼そんな中、政府の無能(行政の不在・非効率)にはやるせなさを感じずにはいられない。結局、植民地時代の方がマシだった……なんて、笑えない、しかしそれが現状なのだ。 ▼ちなみに「レイシズム」というタームで事あるごとに反論される方々がいらっしゃるようだが、まさに切り崩すべきは彼/彼女らであり、どんなにちっぽけなことに思えても、私たちがすべきことは、壊れる行く国の中で、必死に生き抜こうとする人々を理解し、励ましていくことなのだと思う。
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アフリカについて知りたくて読書。 昨年のW杯開催で注目された南ア。その後はどうなっているのだろう。何かのドキュメンタリーで、南ア北部の国であるジンバブエの常軌を逸したインフレと経済破綻。そして、難民が南アへ流入している現状を見たことがある。そして、その流入したジンバブエ人を低賃...
アフリカについて知りたくて読書。 昨年のW杯開催で注目された南ア。その後はどうなっているのだろう。何かのドキュメンタリーで、南ア北部の国であるジンバブエの常軌を逸したインフレと経済破綻。そして、難民が南アへ流入している現状を見たことがある。そして、その流入したジンバブエ人を低賃金労働者として受け入れる南ア政府の政策。それが要因となり治安悪化と失業率悪化で、南ア国民の移民に対する嫌悪感と募る不満。 日本からはアフリカは地理的にも、心理的にも非常に遠い。ニュースで報じられるコソボの海賊、難民問題。今年、分離独立を果たした南スーダン。そして、現在紛争中のリビア。増え続ける中国系投資と移民。10年後には、アフリカ諸国はチャイナタウンだらけになるのではないかと思われる。 そんなアフリカ諸国に未来はあるのかと感じてしまう・・・・・。 本書では、政治の腐敗と公の欠如が大きな要因と紹介されている。ジンバブエのムカベ大統領など独裁者が国を所有物くらいにしか思っていないトップが多い。しかし、根本的な要因は、ヨーロッパ諸国の分割植民地時代にすべての文化を破壊させたこともあると思う。つまり、教育、インフラ、制度などの基礎が存在しない。不幸だと思う。 将来の希望として、最終章で民力の注目している。特に30年後のための教育が重要だと改めて思う。 読書時間:約50分 本書は友人Kさんからいただきました。どうも有り難う。
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『アフリカにおける政府の問題性、国民性、民族対立など発展を阻害する様々な内部要因に光を当てた労作。 なぜアフリカが独立から半世紀たった今も取り残されたままでいるのか、その理解のカギとなりそうなことを学べる。 作者はアフリカの取材を何十年もやってきたベテランジャーナリスト。 』
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[ 内容 ] 豊かなジンバブエの農業を一〇年で壊滅させ、アパルトへイトを克服した南ア共和国を犯罪の多発に悩む国にしたのは誰か。 中国の進出、逆に国を脱出するアフリカ人の増加などの新しい動きを追い、同時に、腐敗した権力には頼らず自立の道を求めて健闘する人々の姿も伝える。 三〇年近いアフリカ取材経験に基づく、人間をみつめた報告。 [ 目次 ] 序章 アフリカの今―ルムンバの夢はどこへ行ったか 第1章 国を壊したのは誰か―ジンバブエで 第2章 危機に瀕する「安全」と「安心」―南アフリカ共和国で 第3章 アフリカの中国人―南アで、アンゴラで、スーダンで 第4章 国から逃げ出す人々―パリで、歌舞伎町で 第5章 「人々の自立」をめざして―農村で、都市スラムで 第6章 政府ではなく、人々に目を向ける―ケニアで、ウガンダで、セネガルで [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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アフリカから、なぜ飢餓がなくならないのか?先進国が搾取し続けているからだとおもっていたが、それだけでもないらしい。1960年から、国家は独立国したが、政府や指導者が自分の富を増やすことしか考えなくなった。 商品の流通するノウハウや資源を掘るノウハウが無ければ、ワイロを沢山くれる、...
アフリカから、なぜ飢餓がなくならないのか?先進国が搾取し続けているからだとおもっていたが、それだけでもないらしい。1960年から、国家は独立国したが、政府や指導者が自分の富を増やすことしか考えなくなった。 商品の流通するノウハウや資源を掘るノウハウが無ければ、ワイロを沢山くれる、中国人に委託して、国民の不満が高まれば、仮想の敵をでっち上げて怒りの矛先を変える。 農業は、私腹の足しにならないから、ちからをいれない。先進国のODAは、高官のふところにしかはいらない。資源の儲けも同様。権利で、マスコミを操作して、危険な人は排除する。 アフリカの未来に絶望したが、農業NGOや生ガキ点など、人々の自立へ、アフリカに、新しいダイナミズムが生まれる機運もある。 市民の力が国を変える。アフリカよ、もっと幸せであれ。 I pray for Africa.
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アフリカの現状における国家への絶望と人々への希望を読み解ける新書。朝日新聞の連載の後、本になった『カラシニコフ』の著者が朝日新聞退社後にまとめた新書。『カラシニコフ』も非常に中身の濃い本だが(但し、一部、少年兵へのインタビューにおける誘導的質問と回答に対する解釈には疑問符もつけ...
アフリカの現状における国家への絶望と人々への希望を読み解ける新書。朝日新聞の連載の後、本になった『カラシニコフ』の著者が朝日新聞退社後にまとめた新書。『カラシニコフ』も非常に中身の濃い本だが(但し、一部、少年兵へのインタビューにおける誘導的質問と回答に対する解釈には疑問符もつけたいが、それでも本書の評価は下がらない)、この新書も非常に読み応えがある。
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恩師に薦められ、読み出した。 衝撃的だが、事実。 松本仁一の本をもっと読みたいと思わせてくれる そんなレポートだった
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指導者が敵を作り出すことによって自分への不満をすりかえるのがアフリカの指導者の常とう手段。 権力者は国の将来のことなんて考えていない。 治安と農業が国家建設には欠かせない重要な要素だが、これらは政治家にとっては利権になりにくい分野だから政治家も力を入れない。 アンゴラでもたくさん...
指導者が敵を作り出すことによって自分への不満をすりかえるのがアフリカの指導者の常とう手段。 権力者は国の将来のことなんて考えていない。 治安と農業が国家建設には欠かせない重要な要素だが、これらは政治家にとっては利権になりにくい分野だから政治家も力を入れない。 アンゴラでもたくさんの中国人労働者がいる。 中国政府が石油目的でアンゴラに進出している。 スーダンでも大量の中国人がいる。
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アフリカの辛い現実がこれでもかと語られた後に、希望として取り上げられているのが、民間の取り組み。国家とは何だろうと考えずにはいられなかった。
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