マイナス・ゼロ 改訂新版 の商品レビュー
結末は圧巻。タイムトラベルものは後半になるにつれ面白くて止まらない。 また、昭和初期の風景が目に浮かぶ。現代とはモノが少なく生活環境は厳しいだろうが、人間味溢れるシーンが多く、この時代の日本は戦争以外は幸せだったのかもしれない。
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知人に勧められて読んだ、日本版『夏への扉』ともいえる壮大なタイムトラベルもの。 1970年の作品ながら文章に古臭さはなく、文庫で500ページの長さだが読みやすさと物語の魅力ですらすらと読むことができる。 タイムトラベルものでは時系列の整理が作家の腕の見せ所の1つであると思うが、...
知人に勧められて読んだ、日本版『夏への扉』ともいえる壮大なタイムトラベルもの。 1970年の作品ながら文章に古臭さはなく、文庫で500ページの長さだが読みやすさと物語の魅力ですらすらと読むことができる。 タイムトラベルものでは時系列の整理が作家の腕の見せ所の1つであると思うが、本作は複雑な時間移動をしているのにもかかわらずきれいに説明されていてわかりやすい。 ただ、そのせいもあってSFに慣れ親しんだ人にとっては先が読みやすくなってしまっているかもしれない。 「この人がこの後あれするんだな」とか、「この人とあの人が同一人物で・・・」とか。 それと、最後の最後で閉じられた円環の話が出てきて少し腑に落ちないところがあった。 どうしても矛盾が生じる。 それでも、時間SFのワクワク感や話の壮大さ、未来を知る人間だからこそできる「俺TUEEEE!!」感などの魅力あふれる作品だった。 昭和の東京の出来事や風景などは考証を重ねて丁寧に作られており、当時の生活を体感しているかのようだった。 しかし、私は当時の出来事はもちろん今の東京にも詳しくないので、その楽しみがかなり薄められたものだと考えるととても惜しい。
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タイムスリップ物。もう、タイムパラドックスしまくり。けど、細かなことはどうでもいいです。とても劇的に、情緒たっぷりに、ロマンチックに物語は展開します。 この小説のメインは昭和7年の、戦前の平和な風景です。とても詳細にリアルに描かれており、まさにタイムスリップした気分で没入するよう...
タイムスリップ物。もう、タイムパラドックスしまくり。けど、細かなことはどうでもいいです。とても劇的に、情緒たっぷりに、ロマンチックに物語は展開します。 この小説のメインは昭和7年の、戦前の平和な風景です。とても詳細にリアルに描かれており、まさにタイムスリップした気分で没入するように読みました。当時の状況を知る貴重な史料とも言えるのではと考えます。 マイナスゼロ地点である昭和37年の状況ですら読み手の現代から見たら過去になるわけで、色々な年代の錯覚にめまいを起こしそうです。 未来から来たタイムマシンの設定が10進数ではない故、それを使う登場人物達を誤った年代に飛ばすアイディアも秀逸。意外だったのは伝蔵さんが徴兵に取られてそのまま終戦まで生きるところです。先が見通せなくなり不安になります。ひねりがきいています。 しかし、啓子さんが実は美子さんで自分が自分を産んでその子供にとってはお母さんとおばあちゃんが同一人物なんてなんてやり過ぎですね。タイムマシンの存在が否定される最たる例えの1つになりそうです。それにしても俊夫さん、手が早すぎ。 更にこの先戻ってくるタイムマシンでその娘が考える過去と未来がパラドックスを深めそうです。 昭和7年から37年に来た警官はどうなるのでしょうね。 未来から来た伊沢先生は?ヨーヨーの特許ネタはほったらかしですね。結局ほぼ働かずに浪費するだけの俊夫さん。 音響機器の事情にやたら詳しいところは作者の造詣の深さではなくお話の都合ですね。 いつかまた読み返したい傑作です。
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いわゆるタイムマシンもので、時間旅行のパラドックスを上手に扱ったもの。SFの要素はもちろんあるのだが、それよりも戦前、戦後の東京の様子や市民の描写が素直に楽しめる。SFとして読むのにはやや無理があって、矛盾というか、置き去りになるエピソードもあるが、読み終わると繋がりが理解できる...
いわゆるタイムマシンもので、時間旅行のパラドックスを上手に扱ったもの。SFの要素はもちろんあるのだが、それよりも戦前、戦後の東京の様子や市民の描写が素直に楽しめる。SFとして読むのにはやや無理があって、矛盾というか、置き去りになるエピソードもあるが、読み終わると繋がりが理解できることもあり、読後も楽しめる。
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多くの読友さんからの推薦本、その理由が分かります、壮絶な内容でした!最後に真相が明らかになる、どんでん返し。まさかの真相にそんなことあるんだ!と驚嘆。読み終えた瞬間は「まじかっ!こりゃ大変だ」、少し時間を置いたら「本当に、良かった!」となる。そもそもの間違いは、俊夫さん、なぜに啓子を連れて行かなかったんだ!ということに尽きる。昭和レトロの雰囲気が鮮明で、浅田次郎「メトロに乗って」、宮部みゆき「蒲生邸事件」とともに、昭和の香りが伝わった。只、警察官はどうなったのかな?彼の幸せを願わずにはいられない。
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from backspace.fm マイナス31が長すぎて、だいぶダレてしまった。。けど、終わりの伏線回収とオチはさすがでした。礼子さん悲しみ。昭和初期のノスタルジーに浸りたい方にはおすすめですが、個人的にはあんまし興味なかったかな。 あと、やたらとH. G. ウェルズの「タイムマシン」が引用されるので読みたくなってしまった。
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昭和初期の東京を舞台にしたSF小説。 戦前の庶民の暮らしや価値観の描写が生き生きと魅力的だった。貴重な資料を読んでいるような気分になる。自分もタイムトラベルしたようだ。 丁寧に文字を追っていたが、後半の畳み掛けは食い入るように読んだ。タイムトラベル小説の金字塔とされる理由が分かる。 はじめは元の時代に戻ることだけを考えていた主人公が、今現在の自分の役割に気付いていくところは胸が熱くなった。自分にご馳走をするところなんかは特に。
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日本の当時の風景が思い浮かびます。 登場人物がタイムトラベル への理解が早く感じましたけど、まどろっこしいのよりいいかもしれません。読者はタイムトラベル してることを知ってますからね。 様々な登場人物が紡ぐ時間の輪のストーリー。
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バックトゥザ・フューチャーや ドラえもんなど 昔からタイムマシンものは ワクワクする気分にしてくれるなぁ。 タイムマシンがあったら、 未来の世界を見たい方が強いかな? って思っていたけど、 少し昔の日本を見てみたい気持ちに させられました。 長い話だったけど、 まだまだ読んで...
バックトゥザ・フューチャーや ドラえもんなど 昔からタイムマシンものは ワクワクする気分にしてくれるなぁ。 タイムマシンがあったら、 未来の世界を見たい方が強いかな? って思っていたけど、 少し昔の日本を見てみたい気持ちに させられました。 長い話だったけど、 まだまだ読んでいたいって思える作品でした。
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http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2016/12/post-783b.html
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