ミュージック・ブレス・ユー!! の商品レビュー
おそろしく良かった…現時点で津村作品のベストオブベストです。 主人公アザミと彼女を取り巻くチユキやモチヅキには、「何も無い」。 アザミは一見音楽が全てで、音楽というそれ一点に依りかかってさえいれば、他に何も無くても大丈夫だ、という風に見える。 しかし彼女は心では、音楽では生きて...
おそろしく良かった…現時点で津村作品のベストオブベストです。 主人公アザミと彼女を取り巻くチユキやモチヅキには、「何も無い」。 アザミは一見音楽が全てで、音楽というそれ一点に依りかかってさえいれば、他に何も無くても大丈夫だ、という風に見える。 しかし彼女は心では、音楽では生きていけないことを知っている。 チユキだってモチヅキだって、別に上手く生きてない。 けどそれでいい、ちょっとだけ賢くて優しくさえ居れりゃ、それでいい。 ってことをダラダラと伝えてくれる、物凄く優しい小説です。 例のごとく、引用したくなる心情描写が毎頁の如く出てきました。 そりゃあもう、「わかる!わかるぞ~~!!」って声に出したくなるくらい。 とりあえず印象的だった箇所を1つだけ書いとこう。 とにかく、とにかく読んでください。もはやレビューというよりお願い 『友だちと話している時は、話していること自体が面白くて、だいたいの憂さについては忘れてしまうのだった。別れたあと、あの辛かった話を聞いてほしかったのに、と思いだして落ち込むこともあるけれど、たいていは、話さなかったようなことだから大したことじゃないのかもしれないと頭の隅に追いやることができる。もちろん、問題は一切解決しないままに。』
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音楽を聴くためだけに生きてる、みたいな女の子の話。とにかく好きなもの、それがあるっていうのは幸福なこと。
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最高!! 設定が大阪ってことで馴染みの言葉、地名、店、電車 すべての風景がありありと伝わってくる 高校生のころくらいの自分の大事な世界 その部分には異様なまでに神経質にこだわって まったくそれが苦じゃない感じ すっげーーーわかる それまでは皆と大体同じ道やったのが急に判断を...
最高!! 設定が大阪ってことで馴染みの言葉、地名、店、電車 すべての風景がありありと伝わってくる 高校生のころくらいの自分の大事な世界 その部分には異様なまでに神経質にこだわって まったくそれが苦じゃない感じ すっげーーーわかる それまでは皆と大体同じ道やったのが急に判断を迫られる怖さ さみしさ、ワクワク感、全部が鮮やかによみがえる!すごい!
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あんたにそっくりな人物がいる、 と言われた本。 たぶん、あの子のことだろう^-^ タイトルがイイ。 高校生に戻りたいとは思わないけど、 楽しかったな、キラキラしてたな、って 改めて思った。 初めて“自分はどう生きていこうか”と 自問する時期。 その頃思い描いていた今ではないけ...
あんたにそっくりな人物がいる、 と言われた本。 たぶん、あの子のことだろう^-^ タイトルがイイ。 高校生に戻りたいとは思わないけど、 楽しかったな、キラキラしてたな、って 改めて思った。 初めて“自分はどう生きていこうか”と 自問する時期。 その頃思い描いていた今ではないけれど、 近い感じではある。 アザミは10年後、この時期をどんな風に振り返るのだろう。
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この作家さんの本は初めてなので慣れるまで時間がかかった。半分くらいまで読んで、ようやく(面白いんじゃない?)と感じ、引用箇所で吹いた。個性的なんてコトバで表すのも違うかなぁと思う語り手アザミ。赤い髪、黒ぶちメガネ、カラフルな歯列矯正具、背が高い、絶えず音楽を聞いている、高校三年生...
この作家さんの本は初めてなので慣れるまで時間がかかった。半分くらいまで読んで、ようやく(面白いんじゃない?)と感じ、引用箇所で吹いた。個性的なんてコトバで表すのも違うかなぁと思う語り手アザミ。赤い髪、黒ぶちメガネ、カラフルな歯列矯正具、背が高い、絶えず音楽を聞いている、高校三年生。友達に合わせようと工夫したり、自分がわからなかったり、アメリカの女の子とネット友達だったり、それなりになんやかやある日常を過ごしながら成長していく。熱くない青春、時折沸騰。共感しました。ヘッドフォンなしで生きていけるのではないかと畏れながら踏み出すラストも程よい着地で好き。文中で仲間はカタカナ表記され、嫌なヤツは漢字で書かれている。ナツメやキノシタに対する変化も好ましい。女子の友情、格好良い。
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片時もヘッドホンを外さない音楽中毒のアザミは 進路を決めなければならない時期なのに やりたいことが見つからなくて、でも危機感はない。 ベースをやっていたバンドは仲違いで解散したし スタジオでバイトしていたメイケ君は アヤカちゃんと付き合っているみたいだし なんとなく上手くいかない...
片時もヘッドホンを外さない音楽中毒のアザミは 進路を決めなければならない時期なのに やりたいことが見つからなくて、でも危機感はない。 ベースをやっていたバンドは仲違いで解散したし スタジオでバイトしていたメイケ君は アヤカちゃんと付き合っているみたいだし なんとなく上手くいかないことばかりだ。 装丁:鈴木久美(角川書店装丁室) 装画:カンバラクニエ 洋楽中毒の人向け。 高校生の悩みが中心なのだけれど特に解決されていないのがいい。 ここですぱっと割り切れてしまったら変に嘘くさい。 チユキが常識人っぽいのに思い切ったことを連発してて面白かった。
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これ読むと髪の毛赤く染めたくなるよね! いや別にこれ読んだから赤っぽくしたわけじゃないからね、そこは誤解されたくないよ!笑
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うん、うん、これは好き。 『八番筋カウンシル』はイマイチだったけど、これはいいと思う。 なんでかというと、私も中高生のころ、人には理解されない洋楽好きだったから。 音楽があれば、他に何もなくても生きていけると思ってたし。 アザミに比べると、私は現実的で、結局音楽聴きながら勉強し...
うん、うん、これは好き。 『八番筋カウンシル』はイマイチだったけど、これはいいと思う。 なんでかというと、私も中高生のころ、人には理解されない洋楽好きだったから。 音楽があれば、他に何もなくても生きていけると思ってたし。 アザミに比べると、私は現実的で、結局音楽聴きながら勉強したけどね。 自分が何になりたいかわからない。 目の前には音楽がある。 人生のまだ前半で、何者にもなっていない自分をどうしていいかわからず、持て余している感じが、ちょっと懐かしい。
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◆タイトルの語呂 自分にも経験のある感情があった。 リアルタイムで読んでいたらどう思ったのかな?
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音楽に侵食された生活とか、音楽好きと知り合ったときの、相手の知識量や好きなバンドの傾向を探り合うような会話とか、リアルな描写で、あー私の高校時代もそうだった、と懐かしく思った。 しかし、音楽に興味のない人、何かに生活の全てを費やすほどのめり込んだ経験のない人は、果たしてこの小説...
音楽に侵食された生活とか、音楽好きと知り合ったときの、相手の知識量や好きなバンドの傾向を探り合うような会話とか、リアルな描写で、あー私の高校時代もそうだった、と懐かしく思った。 しかし、音楽に興味のない人、何かに生活の全てを費やすほどのめり込んだ経験のない人は、果たしてこの小説を楽しめるのだろうか?支持層の限定される話だと思う。
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