ミュージック・ブレス・ユー!! の商品レビュー
高校生って時点で自分の分かる範囲ではないわけだけれども、なぜか入り込めた。心情には共感というか、そういうこともあるのだろうな、と、純粋に思った。チユキみたいな人が側に居たら、そりゃあ楽しいんだろう。
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ぐだぐだな日常を送るアザミと、彼女を取り巻く人々の物語。 字美ではなく、アザミという表現が良く合っている。 将来よりも、音楽。 でも時間だけは刻々と過ぎていく。 焦りはなく、自分の事ではない様な微妙な感覚がよく出ている。
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とりあえずの延命として音楽があって、良かった。音楽好きだから、友達が増えるというお話では無いけれども、自分の中での音楽に対する宗教みたいなものがあって、その存在により自分が救われるのは貴重なことだと思う。 そしてアザミに共感だらけ。ナツメさんを助けて、お茶に誘ってしまうところと...
とりあえずの延命として音楽があって、良かった。音楽好きだから、友達が増えるというお話では無いけれども、自分の中での音楽に対する宗教みたいなものがあって、その存在により自分が救われるのは貴重なことだと思う。 そしてアザミに共感だらけ。ナツメさんを助けて、お茶に誘ってしまうところとか、トノムラの誘いを断りきれずお茶に行って退屈してしまうところとか、本当に不器用。でもなぜかやってしまうことってめちゃくちゃある。
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在阪の作家、津村記久子さんの小説。京大でお世話になった藤原辰史先生が、お気に入りという縁から、ここんとこ精力的に読んでいる作家さんです。弱者への共感というか、社会から取りこぼされてしまった人の、ヒリヒリした感傷を巧みに表現できる方です。勉強ができず鬱屈してるけど、クラブにも...
在阪の作家、津村記久子さんの小説。京大でお世話になった藤原辰史先生が、お気に入りという縁から、ここんとこ精力的に読んでいる作家さんです。弱者への共感というか、社会から取りこぼされてしまった人の、ヒリヒリした感傷を巧みに表現できる方です。勉強ができず鬱屈してるけど、クラブにも専念できない。この状況を何とかしたいけど、どうすればいいか分からない。取りあえず、スマホやゲームに逃げているというような、屈折した心情を持て余している人なら理解できるかもしれません。 本作は、大阪の、おそらく公立高校の3年生の女の子アザミが主人公。頭が悪く、誰も聴かない洋楽、しかもパンクロックが大好きな少女です。必然的に、クラスカーストの最底辺に位置しています。受験生なのに自分の人生に何の展望も持っていない。かといって何をすればいいのかも考えられない。まあ、それくらい頭の悪い子なんですよ、アザミって。可哀想といえば可哀想なんですが、何の努力も出来ないので、自業自得といえば自業自得です。そんなアザミの日常の機微が、つらつらと描かれています。 そんな作品のどこがいいのか、と突っ込まれそうなんですが、いいんですよ、凄く。特に僕も好きな”blink182”のことを、アザミも大好きで、作品の主旋律のように、blink182の曲が、行間から聞こえてくるんですよ。まさしく、「music bless you!!」。音楽が、アザミに、その他の登場人物たにを、この作品に、そして読者にも恩恵を与え、生かしている。そんな作品です。 本作の中でblink182は活動中止柱ですが、現在でも解散せず精力的に活動しています。YouTubeで曲が聴けるので、BGMにして本作を読んで下さい。そうすれば、この作品の魅力がよりマシマシになって読めると思います。作中でも描かれていますが、バンドメンバー全員が、素っ裸で街中を走り回るという健康的でご機嫌なPVもあるんで。人生が上手くいかず、落ち込んでいる人にこそお薦めの作品です。 それから、作者の津村記久子さんも、バリバリのパンクキッズです。先日の藤原先生との対談の際、「Streetlight Manifesto」のロックTに、ロングカーディガン、緑色のドクターマーチン風の革靴をお召しになっておられました。アザミが大人になったら、こんな感じの着こなしをしてそうなコーディネートでした。
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66:勉強はできない、人付き合いも不器用、けれど音楽が大好きで音楽に関してはまめなアザミ。高校三年生だけれど、受験や進路はおろか、もうすぐ卒業だということさえ実感に乏しく、そんな毎日をもがくように、あるいはふわふわと泳いでいる。アザミと友人たちの高校生活をゆっくりまったりと追った...
66:勉強はできない、人付き合いも不器用、けれど音楽が大好きで音楽に関してはまめなアザミ。高校三年生だけれど、受験や進路はおろか、もうすぐ卒業だということさえ実感に乏しく、そんな毎日をもがくように、あるいはふわふわと泳いでいる。アザミと友人たちの高校生活をゆっくりまったりと追った青春小説……なのですが、津村さん節というか、これといった動きも盛り上がりもないゆるさが、モラトリアムの時期にぴったりな気がします。 もどかしいほどゆるゆるとした一年だったからこそ、アザミが見つけた「したいこと」にまつわるラストの二文がきらきらと輝いていて、刺さるのです。
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バンドが解散し、補講を受ける羽目になり、受験に失敗し、アニーも離れて行く。個性豊かだと思っていた主人公のアザミは、終いには何もなくなってしまう。失ったものと引き換えに、何かを手にしただろうか。
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津村記久子のおもしろさは、まず「あるある」で「あるある」に収まらないところにあって、主人公に共感できないとだいぶおもしろさが減る。共感しなくてもおもしろい小説はあるって知っていても、津村記久子だけに限っていうと、共感できなくてあんまりおもしろくなかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ふと読みたい発作がやってきた津村さんの本。 ひさしぶりに(ポースケぶり)手にとってみました。 どれがいいかなぁ・・て悩んで選んだのがこの本。 音楽がらみっぽかったので。 津村さんの文章は、わたしにとってはわりと読みづらい。ちょっと頑張らなければいけない感じ。するするといけなくて手ごわい。 でもこの本は、ポースケのときよりは読みやすかった。 ビビビとくる箇所もあったし、学生の頃を思い出した。 主人公のアザミのキャラも立ってるし、皆にくめないキャラ。 印象的だったのは、アザミが言葉に出す前にいろいろ考えているシーン。自分が思ってることをうまく言葉にできないもどかしさ。すこしわかるような気がした。 【気になったぶぶん】 ・フェスのチケットは買わずに外側から見るという友達に対するチユキの発言「これからなんでも半端にして生きてくやろう」 ・A5のノートは六列に区切られていて、それぞれ左から、月日・曲名・アルバム名・アーティスト名・評価・備考が書き込めるようになっていた。評価をするのは一度きりではなく、聴くたびに記録するので、同じ曲について日が変わるごとに何度も書き込むこともある。それは念仏のようなもんやな、とノートを見せた時にチユキは言った。 ・(オギウエに対して)あんたはそうやって生きていったらええやん。それは少しも価値のあることには思えなかった。そう感じる自分でいいのだ、とアザミは東京弁先生に背中を叩かれたような気がした。 ・あぶらとり紙の小山を見ながら、なんかもう、これで発電とかできんかなと思う、 ・二人ともメガネの、べつにおしゃれでもない身長ほぼ同じの男女が、向かい合って何を話すともなく、その片方に至っては大きなフラペチーノをひたすらもさもさ食べている。えも言われず間抜けな風景だとアザミは思う。自分ひとりで間が抜けていることや、自分片方だけがそうであることは今までよくあったし慣れっこだったが、自分と同じぐらい間抜けな人を前にすると不安になる。
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(2016/4/30読了) 好きな作家さんのひとり、津村さんが新人の頃の本で、主人公との年代差がありすぎるためずっと読もうか迷っていた本。先日読んだ「王様のブランチが恋した本」の、家族を想う本と紹介されていて、内容がそれならと読む気持ちになった。 日常が水の流れのように淡々と描か...
(2016/4/30読了) 好きな作家さんのひとり、津村さんが新人の頃の本で、主人公との年代差がありすぎるためずっと読もうか迷っていた本。先日読んだ「王様のブランチが恋した本」の、家族を想う本と紹介されていて、内容がそれならと読む気持ちになった。 日常が水の流れのように淡々と描かれている。 ラスト近くには家族の想いがあったけど、主にアザミの心の言葉と身近な人達と関わりが描かれている。 とても風変わりな主人公だけど、良い人たちに囲まれていて、良かったねって、主人公の肩を叩いてあげたくなった。 (内容) アザミよ、ヘッドホン1個耳に引っ掛けてどこへ行く―。オケタニアザミは「音楽について考えることは、将来について考えることよりずっと大事」な高校3年生。髪は赤く染め、目にはメガネ、歯にはカラフルな矯正器。数学が苦手で追試や補習の連続、進路は何一つ決まらない「ぐだぐだ」の日常を支えるのは、パンクロックだった!超低空飛行でとにかくイケてない、でも振り返ってみればいとおしい日々…。
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津村記久子の本は初めて読んだけど、しびれる!カッコ良い!赤毛でひょろひょろしててカラフルな矯正器具をはめている高校三年生のアザミ。アザミ自身も自身が何を考えているかわからない以上にアザミが何を考えているかわたしもわからなかった。なんか、将来アザミは音楽関係の道には進まないような気...
津村記久子の本は初めて読んだけど、しびれる!カッコ良い!赤毛でひょろひょろしててカラフルな矯正器具をはめている高校三年生のアザミ。アザミ自身も自身が何を考えているかわからない以上にアザミが何を考えているかわたしもわからなかった。なんか、将来アザミは音楽関係の道には進まないような気が勝手にしてて、それがどういうことなのかはわからないけど、なんかそういう感じ。
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