覘き小平次 の商品レビュー
怪談シリーズの2作目。語り手の視点が話ごとに移っていきながら、物語は進む。巷説シリーズのキャラにも出会える作品です。
Posted by
誰からも嫌われる幽霊役者・小平次と彼の周囲で繰り広げられる群像劇?っていうところですね。なんか段々小平次がよだかの星のよだかに見えてきた、あまりの嫌われっぷりに。 小平次については何も知らなかったんですが、もともとは山東京伝の読本の登場人物みたいですね。それを鶴屋南北が歌舞伎にし...
誰からも嫌われる幽霊役者・小平次と彼の周囲で繰り広げられる群像劇?っていうところですね。なんか段々小平次がよだかの星のよだかに見えてきた、あまりの嫌われっぷりに。 小平次については何も知らなかったんですが、もともとは山東京伝の読本の登場人物みたいですね。それを鶴屋南北が歌舞伎にしたらしい。てことは嗤う伊右衛門と同じ手法で書いたのか。治平さんは出てくるけど、又市は会話以外には登場しなかったな…… 読んでいると複数の事件が浮かんできてどう繋がるんだろうなあと思わせられます。結局血みどろな結末になっちゃうんですが、お塚が「大っ嫌い」だけど「昔」ではない、「今」である小平次を選んでさっぱり生きてるのが好きだなあ。 小平次が過去を語るくだりも結構好きです。人は語ることによって形を得る語らなければ、騙らなければ何も無いんだ――治平が小平次を助けたわけですが、せっかく語り始めたのに……っていう情けが生まれたからで、ああ、いいなあとオモウ。 やっぱり京極さんの文章はいいねー。ほんとほれぼれしますや。 さて次は記念すべきブクログ100冊目ですよ。
Posted by
小平次は、何時も然うしている。 感想:http://tomtomcom.blog73.fc2.com/blog-entry-682.html
Posted by
ただ其処に居るという恐怖。 やっぱり夏彦先生の描かれる女性が言う、「大っ嫌いだ」という科白が大好きすぎるなぁと思いました。 皆大好き、小股潜りも登場なさいます。
Posted by
「嗤う伊右衛門」に続く、京極夏彦の怪談第二弾。 何も言わず、ただ一寸五分の隙間を残して押入れに閉じこもる男。小平次。彼は希薄になりたいと願う。自分でいることが精一杯だから、仕事の役者もへたくそである。唯一、演じることができるのが幽霊の役である。いや、演じているのではない。その...
「嗤う伊右衛門」に続く、京極夏彦の怪談第二弾。 何も言わず、ただ一寸五分の隙間を残して押入れに閉じこもる男。小平次。彼は希薄になりたいと願う。自分でいることが精一杯だから、仕事の役者もへたくそである。唯一、演じることができるのが幽霊の役である。いや、演じているのではない。そのままですでに幽霊のようなのである。その彼を巻き込んで起こるある事件。そして歯車は動いていく。 彼を取り巻く他の登場人物は反対だ。己とは何かを探して足掻く。それは美しくあることや、人を斬ることであったりする。そして最後には自滅していく。 一方、小平次は、死んだだの幽霊として出てきただのの噂を振りまきながら、やはり押入れの中からじっと外を見つめている。何も変わらない。 目次はそれぞれ登場人物の名前となっており、彼らの名前はさまざまに変化する。それは人様からみた名前であったり、本当の名前であったりする。それが心境の変化などを表している。各章は、その章に名前が付けられたものからの視点となっており、一つの物語を実にさまざまな角度から眺めることができる。 暗く物悲しい話ではあるが、しかし最後はありのままを受け入れ、なぜか心休まるのような不思議さがある。
Posted by
2008/6/28 Amazonにて購入。 2014/1/20〜1/25 第16回山本周五郎賞受賞。 嗤う伊右衛門に続く怪談シリーズ第二弾。山東京伝の「復讐奇談安積沼」が底本。解説にもあったが、京極さんの文体のリズムが素晴らしい。このリズムに乗せられて異界にズビズビと連れていかれ...
2008/6/28 Amazonにて購入。 2014/1/20〜1/25 第16回山本周五郎賞受賞。 嗤う伊右衛門に続く怪談シリーズ第二弾。山東京伝の「復讐奇談安積沼」が底本。解説にもあったが、京極さんの文体のリズムが素晴らしい。このリズムに乗せられて異界にズビズビと連れていかれるんだよなあ。やっぱり巧い。
Posted by