覘き小平次 の商品レビュー
久しぶりに読んだ京極作品でした。京極作品にしては、地味な印象。でもやっぱり面白かったな。 京極先生の、人間の悪意を暗いまま、特に何の脚色もつけずに書くスタンスがとても好きです。 京極作品は長くて登場人物が多い印象ですが、これは程よい長さで登場人物も限られてて読みやすかった。 と...
久しぶりに読んだ京極作品でした。京極作品にしては、地味な印象。でもやっぱり面白かったな。 京極先生の、人間の悪意を暗いまま、特に何の脚色もつけずに書くスタンスがとても好きです。 京極作品は長くて登場人物が多い印象ですが、これは程よい長さで登場人物も限られてて読みやすかった。 ところでこれ、壮大なツンデレ物語だよね。
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時代物なのに、人の深層心理に切り込むという異色作。たぶん。 小平次というモチーフが、京極夏彦はめっちゃ好きで、好きすぎて、終始それに言及し、故に振り回されてしまった感じがする。 そこまで書かなくても、現代人は生きるということがどれほど希薄で薄っぺらいものか、なんとなく、肌で、わか...
時代物なのに、人の深層心理に切り込むという異色作。たぶん。 小平次というモチーフが、京極夏彦はめっちゃ好きで、好きすぎて、終始それに言及し、故に振り回されてしまった感じがする。 そこまで書かなくても、現代人は生きるということがどれほど希薄で薄っぺらいものか、なんとなく、肌で、わかっているところがあるのだから、そこに踏み込み過ぎなくても大丈夫だったんじゃないですか? みんな、ただ生きていくことが大変すぎるのだ。
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随所に巷説シリーズのあの方この方が出てきて、シリーズファンならにやりとすること請け合いです。 ただ、あるがままにあればいい。 表紙こそおどろおどろしいですが、読後感は爽やかです。
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奇怪で軽妙、滑稽で生々しい、おどろおどろしいのに何故か悲しい、そんな話です。 ラストシーンは気味が悪いのに遣る瀬無い、こういう形の愛もあるのか、と思いました。 本当にストレートに題名そのままのお話です。未読の方は是非一度! 物語内の章のタイトルに注目して読んでいただきたいです。
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登場人物たちの胸のうちにある憤懣と憎しみ、欲望と執着、裏切りと猜疑が淀み、溢れ、渦巻きながら物語は進んでいきます。しかしながら、主人公である幽霊役者小平次の心は、初めから終わりまで自暴自棄を通り越して常に空ろです。生きながらにして死んでいるのとかわりません。人間の醜さ、弱さが混沌...
登場人物たちの胸のうちにある憤懣と憎しみ、欲望と執着、裏切りと猜疑が淀み、溢れ、渦巻きながら物語は進んでいきます。しかしながら、主人公である幽霊役者小平次の心は、初めから終わりまで自暴自棄を通り越して常に空ろです。生きながらにして死んでいるのとかわりません。人間の醜さ、弱さが混沌と絡み合い、繰り広げられる凄惨で哀しい物語。 あまりに面白いので、わぁっと最後までイッキ読み。 自分自身と向き合うことの恐ろしさ。自分の心の奥底をじっと見つめることの怖さを、あらためて痛感させられる小説でした。
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この話の元となった古典怪談を知らなかったので、「家政婦は見た」的な内容だと思い込みながら読み始めたら・・・(当然ですけど)ぜんぜん違う!京極夏彦さんらしい、ぞわぞわして後を引くお話です。少し前に巷説シリーズを読んだせいか、番外編のようにも読めました。
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意味と価値のない人生を 目的のために生きるが 異様な登場人物たち と 意味も価値もない人生を 目的もなくただ生きている 小平次 との物語 (2008/11/19)
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登場人物、皆が歪んでいる。この歪みがますます狂気へと駆り立てられていく。狂気に満たされて、どこまでも黒く暗い。それにしても、いろいろな愛のカタチがあるんだなぁと思う。ただ、小平次やお塚の様な苦しい愛はイヤだなぁ。二人とも不器用すぎるから、こういうカタチしかとれないのだろうなぁ。
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久しぶりの京極作品。これは哀しくておかしくて、不思議な夫婦のラブストーリーだと思う。夫婦の愛情には、こんな形もあっても良いのかもしれない。 ずっと押入れの中に篭って、一寸五分だけ襖を開けて、妻のお塚を覘いている幽霊役者の小平次。お塚は気味が悪くて仕方がない。大っ嫌いだ、うすのろだ...
久しぶりの京極作品。これは哀しくておかしくて、不思議な夫婦のラブストーリーだと思う。夫婦の愛情には、こんな形もあっても良いのかもしれない。 ずっと押入れの中に篭って、一寸五分だけ襖を開けて、妻のお塚を覘いている幽霊役者の小平次。お塚は気味が悪くて仕方がない。大っ嫌いだ、うすのろだと小平次をののしる。ある日そのろくでなしの小平次に、芝居の巡業の話が持ち込まれて、それに出かけていく小平次。その芝居の裏には、百物語シリーズの又市や事触れの治平らが携わる捕り物などもあったりして、なかなか楽しめる。治平がこの物語の裏方として活躍してくれるのも楽しい。 治平の言った言葉が好き。「信じるってこたぁ、騙されても善いと思うこと。真実ってなぁ、全部騙された奴が見る幻」。いちいち、チクリと刺さる。 死んだように生きている小平次と、生きながら死を望むお塚。ののしり、言葉も交わさず、ただそこに「いる」というだけの存在の小平次が、たぶんお塚には、うれしいのだろうと思う。これはこれで、夫婦の愛情なんだろうと思う。
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再読を重ねていないせいかどうも心に残ってないんだよね〜。 面白くないわけじゃないんだけど、あっけなかったっていうか。 もっと別の見方で迫ると化けるかもしれない、私の中での印象が。
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