ひなた の商品レビュー
一見平々凡々と過ぎていってしまう生活の中で、実際は裏に不安定さがあったり、闇を抱えていたりする。その "ひなた" と "ひかげ" のコントラストは、実はそれほど高くないのかもしれない。それでも「自信なんて、なくてもいい」と寄り添える浩一と桂...
一見平々凡々と過ぎていってしまう生活の中で、実際は裏に不安定さがあったり、闇を抱えていたりする。その "ひなた" と "ひかげ" のコントラストは、実はそれほど高くないのかもしれない。それでも「自信なんて、なくてもいい」と寄り添える浩一と桂子が羨ましい。
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男女4人、それぞれの視点で四季を描いた作品。 とくに大きな変化があるわけでもなく、物語が淡々と進んでいく。その淡々と進む感じがとても居心地よくて、安心して読んでられる。 吉田修一の作品は、登場人物の描写が丁寧。彼らの考えていることが伝わってくるようで、物語の世界に浸かれる。
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昔、ファッション誌でとびとびに読んでいた小説。断捨離で雑誌を捨てる際に、切り取っておきたいページはあるかとめくっていてふと完結したのか気になり調べてみたら、タイトル変更で一冊にまとめられていたので読んでみた。登場人物たちはその後どうなるのかが少し気になっていたが、そんなにどうなる...
昔、ファッション誌でとびとびに読んでいた小説。断捨離で雑誌を捨てる際に、切り取っておきたいページはあるかとめくっていてふと完結したのか気になり調べてみたら、タイトル変更で一冊にまとめられていたので読んでみた。登場人物たちはその後どうなるのかが少し気になっていたが、そんなにどうなることもなく、そのまま最後のページに到達。 カフェでご飯を食べながらとりとめなく知り合いや友人の噂話をして過ごしたような感覚を思い出させる一冊でした。
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一人称視点が次々切り替わっていくスタイルの中、ひとつひとつの出来事が淡々と進んでいくテンポ感はあまり自分の好みではなかったかな。
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怒り、パレードが良かったから読んでみたけどこれはそんなに好きじゃなかった なんかぼんやりした感じで終わる まぁ人の気持ちとかってはっきりとできないからリアルではあると思うけど 元ヤンとか言われてる多分エルメスの広報で働き出したれいちゃんとその彼氏でフリーターのなおずみ その義理の兄の浩一、その奥さん 浩一の親友の田辺とかがでてくる 浩一はゲイで田辺のことが好きで、その気持ちに田辺は気が付きながら借金もありお金に困ってるから甘えてる そのこと全部気がついてる浩一の奥さんも別に好きでもない人と浮気してる 浩一と尚純は義理の兄弟だけど実は父親は同じで母が姉妹って言う胸糞な内容
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兄弟とその妻と彼女。計4人の春夏秋冬。16の章からなる連作集です。 兄嫁に性の乱れが有る為もやもやしますが、弟とその彼女の元ヤンがなかなかいい子たちなので、バランス取れているのかな? 吉田修一ってバラバラな若者を一つ屋根の下に集めるの好きなイメージがあるのはパレードによるものなの...
兄弟とその妻と彼女。計4人の春夏秋冬。16の章からなる連作集です。 兄嫁に性の乱れが有る為もやもやしますが、弟とその彼女の元ヤンがなかなかいい子たちなので、バランス取れているのかな? 吉田修一ってバラバラな若者を一つ屋根の下に集めるの好きなイメージがあるのはパレードによるものなのだろうか。これも不自然なくらい普通に共同生活します。 結構展開が早くてバラエティーに富んでいるので、さくさく読めてしまうけどモヤモヤする本です。
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※このレビューにはネタバレを含みます
新堂レイ…生い立ちと今の姿のギャップがありすぎるが、たぶん、一番あり得る。 大路尚純…誰よりも難しい状況で、就職しないのが何よりの抗い?なのかな。柳田さんが面白い。 大路浩一…普通ぶっているけど、長男ぽく、自分の気持ちを抑えて生きているのが、もどかしい。田辺…うーん。 大路桂子…きっと欲張りで器用。贅沢な生き方、羨ましかったりちょっとしたけど、やっぱり無理だなー。 全体的に誰かにオススメしたい本ではないかな。
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自分が見てたり信じてると思ってるのはその相手の一部分で、誰しも果てしない私が想像することさえない世界と悩みとを持ってる。でもお互いの関係が成り立ってるし、絡み合ってる。突き詰めると重苦しくなるけど、生活は勝手に流れていっている。 なんとなく腰を降ろした階段の硬くて冷たい感触が、...
自分が見てたり信じてると思ってるのはその相手の一部分で、誰しも果てしない私が想像することさえない世界と悩みとを持ってる。でもお互いの関係が成り立ってるし、絡み合ってる。突き詰めると重苦しくなるけど、生活は勝手に流れていっている。 なんとなく腰を降ろした階段の硬くて冷たい感触が、座り続けると慣れて、はじめからここに座ろうと部屋を出てきたような気になるっていうのが、妙に気になって、何回も読んだところ。
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登場人物のそれぞれの視点でかかれている小説。こういう形式で書かれている小説が好き。軽い小説でスッと読める。
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読後が心地よい。 なんも起こってないんじゃないかってくらいの、ゆったりとした空気が流れてるのに、明かされる事実自体は結構刺激的で。 それがまた友達の世間話を物語として垣間見てるようで好きです。 こんなどこかにほんとにありそうな人の話を物語として書いて世に出す吉田修一さんがすごいで...
読後が心地よい。 なんも起こってないんじゃないかってくらいの、ゆったりとした空気が流れてるのに、明かされる事実自体は結構刺激的で。 それがまた友達の世間話を物語として垣間見てるようで好きです。 こんなどこかにほんとにありそうな人の話を物語として書いて世に出す吉田修一さんがすごいです。 作家さんって物語をかくときもっとぶっ飛んだストーリー性にしたり、どこかにわかりやすい個性を出してくる作品作りが多いんじゃないでしょうか。このシンプルさ、そんなところで自己表現しないぞ、表現とか言葉選びとかで差別化するぞ、という自信の表れなのかなと思いました。
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