虚夢 の商品レビュー
常々精神鑑定というのは当てになるのだろうかと疑問に思っていた。でもこの本を読んで色々と考えさせられた。 もう一人の主人公のゆきちゃんの事を考えると、やっぱり病気では仕方がないのかとも思える。子どもだから罪に問えないのとは違う。 精神を病んだ犯罪者にどう対処して行くべきかの視点こそ...
常々精神鑑定というのは当てになるのだろうかと疑問に思っていた。でもこの本を読んで色々と考えさせられた。 もう一人の主人公のゆきちゃんの事を考えると、やっぱり病気では仕方がないのかとも思える。子どもだから罪に問えないのとは違う。 精神を病んだ犯罪者にどう対処して行くべきかの視点こそ追求されるべきだと思った。
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OPは「おっ!」と思わせてくれた。 希望から絶望への陥落の仕方がまるでルースターズの「CMC」。 かなり期待してしまう。 だが、物語が進行するにつれて停滞。 既視感がつきまとう。 統合失調症・風俗・レイプetc、 どれも描かれ続けてきた世界と何ら変わりない。 野島伸司的手法とでも...
OPは「おっ!」と思わせてくれた。 希望から絶望への陥落の仕方がまるでルースターズの「CMC」。 かなり期待してしまう。 だが、物語が進行するにつれて停滞。 既視感がつきまとう。 統合失調症・風俗・レイプetc、 どれも描かれ続けてきた世界と何ら変わりない。 野島伸司的手法とでも言えばいいのか? 過激だけじゃ今さら何も伝わらない。 瞬間の輝きを持った文体なんだけどな。 残念。
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『天使のナイフ』では少年犯罪、『闇の底』では幼女への性犯罪を、そして今回は心神喪失による不起訴となった犯罪。刑法39条における問題をテーマとしています。相変わらず問題点をストレートにぶつけてくる薬丸さん。「そもそも人間の心の中に在る正常と異常の境目を、他人で在る精神科医がどうやっ...
『天使のナイフ』では少年犯罪、『闇の底』では幼女への性犯罪を、そして今回は心神喪失による不起訴となった犯罪。刑法39条における問題をテーマとしています。相変わらず問題点をストレートにぶつけてくる薬丸さん。「そもそも人間の心の中に在る正常と異常の境目を、他人で在る精神科医がどうやって判断出来るのだろうか。」とか、すっごいストレート!でも、無差別殺傷事件を起こした統合失調症の藤崎を一方的に悪とするわけじゃなく、娘を殺された佐和子も藤崎と同じ統合失調症の診断を受けるなどとの展開もあり、この問題の難しさが客観的に書かれています。しかもドンデン返しもちゃんと用意されている。あまり意外性はなかったけれど。
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初執筆作品「天使のナイフ」が2005年に江戸川乱歩賞受賞。 この作品も新人とは思えないすばらしい作品だったが・・・ 3作目にして、もはや新人とはいえない安定感のある作家だな、という感想を持ちました。 精神異常者の犯罪という難しい題材をテーマにしていますが、とても丁寧に書かれていて...
初執筆作品「天使のナイフ」が2005年に江戸川乱歩賞受賞。 この作品も新人とは思えないすばらしい作品だったが・・・ 3作目にして、もはや新人とはいえない安定感のある作家だな、という感想を持ちました。 精神異常者の犯罪という難しい題材をテーマにしていますが、とても丁寧に書かれていて 佐和子を通して“精神異常者の犯罪”に対するメッセージが強く伝わってきました。
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初めて読む作家さん。もうすごい良かった!!ほんといろいろ考えさせられます。 読み出すとほんと止まらなくなった 。 2008.11.7
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娘を殺し、妻を刺した犯人は、心神喪失に当たるとして罪に問われなかった。 事件から4年後、偶然犯人とすれ違う。普通に町を歩いている犯人・・・・ ホントにね、刑法第39条についてはいろいろ思うところはあるんだけど・・・そういう意味でも興味のある内容だったんだけどね。 でもイマイチ引き...
娘を殺し、妻を刺した犯人は、心神喪失に当たるとして罪に問われなかった。 事件から4年後、偶然犯人とすれ違う。普通に町を歩いている犯人・・・・ ホントにね、刑法第39条についてはいろいろ思うところはあるんだけど・・・そういう意味でも興味のある内容だったんだけどね。 でもイマイチ引き込まれませんでした・・。文章が軽いというかなんというか。 妻の行動の意味がわかったときは「おぉ〜〜!!」って感じだったけどね。
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とりあつかっているテーマが難しいので,どのような立場で書くのかが明らかになることは避けたいところ。だから様々な読み方ができるように工夫してある感じがした。読者がいろいろな受け取り方をするときに,客観的な資料や事実の提示はとても大切なことだと思った。
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この作家さんの三作目。 犯罪者と犯罪被害者の双方に注目して書き進める手法はそのままで、 今回は刑法三十九条の心神喪失の問題を扱っている。 映画「刑法三十九条」と突っ込み所は似ているが、 犯罪者側に更に突っ込んでいるのがこの作家さんの特徴でもあって、興味深かった。 三作通して犯罪者...
この作家さんの三作目。 犯罪者と犯罪被害者の双方に注目して書き進める手法はそのままで、 今回は刑法三十九条の心神喪失の問題を扱っている。 映画「刑法三十九条」と突っ込み所は似ているが、 犯罪者側に更に突っ込んでいるのがこの作家さんの特徴でもあって、興味深かった。 三作通して犯罪者更正のあり方が強く問われているように思う。 法的に罪に問われ、裁かれ、償っても、それはあくまで社会に対してであって、 個人に対しての罪は被害者も加害者も昇華しきれないのではないか。 逆にいえばそれが昇華しあえない限り互いに次のスタートをきることができないのではないかと思う。
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犯罪に巻き込まれた時に、加害者が精神病を患っていて罪を問われないとしたら? 12人も殺傷した犯人が身近に住んでいるとしたら? 読み始めたら止まりませんでした。
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秋葉原の通り魔事件から、ちょうど3か月経った今日、読み終わった連続殺傷事件の話。 事件の後、本屋で平積みになっていたところも多いから、ご存じの方も多いかも。 物語の中で、犯人は12人の人を次々に殺傷します。 しかし、犯行時、心神喪失と言うことで不起訴・・・ 遺族の思いは、どんな悔...
秋葉原の通り魔事件から、ちょうど3か月経った今日、読み終わった連続殺傷事件の話。 事件の後、本屋で平積みになっていたところも多いから、ご存じの方も多いかも。 物語の中で、犯人は12人の人を次々に殺傷します。 しかし、犯行時、心神喪失と言うことで不起訴・・・ 遺族の思いは、どんな悔しいのでしょう・・・ そんな遺族の苦しみを、淡々と描いている作品です。 殺人を殺人で復讐することは認められてないけど、つい加害者家族に感情移入してしまいがちです。 この人の作品は、「天使のナイフ」では少年犯罪、「闇の底」では幼女への性犯罪をテーマにしています。 今回は心神喪失の通り魔。 次はどんな社会的事件の死角を突いてくる作品を発表するのでしょうか?
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