東京島 の商品レビュー
設定は面白いし、結末はどうなるかが気になるので最後まで読ませるのは確か。 で、結末はまあ、こんなものかな。 途中でダレる部分はあるのだけれどそれはまぁさて置き。 さて自分だったらどうするか。それを考えさせられるのが本書のキモかな。 ワタナベの様に達観できるか、隆の様に記録に徹する...
設定は面白いし、結末はどうなるかが気になるので最後まで読ませるのは確か。 で、結末はまあ、こんなものかな。 途中でダレる部分はあるのだけれどそれはまぁさて置き。 さて自分だったらどうするか。それを考えさせられるのが本書のキモかな。 ワタナベの様に達観できるか、隆の様に記録に徹するのか、GMの様に記憶喪失に逃げ込むか、はたまたヤンの様に仲間を統率してゆくか・・・ さて・・・
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あまりの面白さに、時間も忘れて読んでしまいました。 これは、さっすが桐野さん、です。 極限状態の人間の描写にかけては、右に出るものはいないんでは? 去年の新聞小説だった「やさしいおとな」。 まだ出版予定が無いみたいでさみしい限りですが この乾いた雰囲気が遺憾なく発揮されてる作品で...
あまりの面白さに、時間も忘れて読んでしまいました。 これは、さっすが桐野さん、です。 極限状態の人間の描写にかけては、右に出るものはいないんでは? 去年の新聞小説だった「やさしいおとな」。 まだ出版予定が無いみたいでさみしい限りですが この乾いた雰囲気が遺憾なく発揮されてる作品でしたね。 高村さんのように、細かい心理描写とか全然無い、単純明快な文章なのに それがかえって現実味を帯びさせているというか。 「男」と「女」、さらには人種の違いが、生きる力にこんなにも差をつける。 映画化するのも頷ける・・・と思っていたら、 この話、実話に基づいているんです!! こりゃ~本当にたまげました。 ラストの展開など、もちろん違うところがたくさんありますが。 面白かったです! 映画は、なんだかだいぶ違うみたいなんで(どちらかと言うと、実話に近そう) 観に行かないことけてーいです。
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本屋のカンバンで絶賛されて興味を持って読んでみました。なかなか奇想天外なお話でした。自分がイメージしていたものとのGAPが大きくて、記憶には残ってますが、心に響くかんじではちょっとなかったです。。
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とても気持ち悪かったです。 グロテスクって言葉がぴったり(こんなタイトルの作品も書いてましたよね)。 とある無人島に取り残された男たち。その中で一人だけの女性。彼らは懐かしき「東京」を島の名前にして助けを待ちつつ暮らしている。 ・・・のですがまーあ気持ち悪い!主人公も他の...
とても気持ち悪かったです。 グロテスクって言葉がぴったり(こんなタイトルの作品も書いてましたよね)。 とある無人島に取り残された男たち。その中で一人だけの女性。彼らは懐かしき「東京」を島の名前にして助けを待ちつつ暮らしている。 ・・・のですがまーあ気持ち悪い!主人公も他の人物も性格が悪い。いじわるとかいうわけではなく、欲望や過去やプライドやらがぐっちゃぐちゃに入り混じって、その部分ばかりが書かれているという意味。人間の汚い部分(でも人間なら皆持っている部分)集めました!って感じ。 終始嫌なムードが続いたので、ラストもあまり納得できていない。 これを高評価した人は、どこら辺がよかったのだろう? ・・・ってことも調べられるからブクログって便利☆笑
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Gyaoで映画版が無料で流れていて見たものの、いまいち。 レビューを見ていると、原作のほうが描写が細かかったりするようなので、読んでみた。 前半の、主人公の女性が男にうまく甘えているあたりは面白かったけど、後半が急に描写が少なくなって、赤ちゃんが気付いたら生まれていたり、双子が引き離されるあたりも簡潔だったり。 主人公のその後の生活も何となく…もやっとする感じ。 面白くサクサク読めるけど、心にはあまり残らないかも。
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映画にもなった東京島。CMでは、なんだか刺激的で官能的な物語のように取り上げられていたが、実際の話は全く違う。人間の生命力、本性、しかもその嫌な部分が力強く描写されている、桐野氏らしい一冊。 桐野氏の物語は本当に残酷だ。なのにそれを飄々とユーモラスに書いてしまうので、重々しくならずに最後まですごいスピードで読むことができる。 「ちゃっかりしてる」。それが彼女の小説全般に言えることだろう。良い人が痛い目に遭い、ちゃっかりした人がしたたかに生きていく。なぜか彼女の作品に引き込まれるのは、こうした現実さながらの世界が広がっているからだろう。 さらに言えば、本当ならちゃっかり済ませたいところを、ちゃっかりできない良い人に生まれてしまった私たち(?)に、小説を通してちゃっかり体験させてくれることが幅広い読者を獲得している理由なのかもと思った。
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無人島に流れ着いた人々の20年を描いた作品。 失敗してもチャレンジし続ける人、本当の願いを隠し現状を受け入れ必死に守り続ける人それぞれのラストが面白かった。それぞれハッピーエンドで良かったです。
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桐野夏生の本は・・・面白いんだけど読むと疲れる。 一気に読み終えてぐったりっす。 史実に基づいてるんだよね?たまげるわ。 無人島に漂流した31人の男と1人の女。 ここは地獄か楽園か、脱出できる日は来るのか?
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あらすじだけ言えば、無人島に流れ着いた男女、正確には男数十人と女一人の物語。でもロビンソンクルーソーみたいな夢のような冒険探検物語じゃない(今の世の中、ただの探検物語は何を今さら・・・である)。 ごく普通の主婦、夫にすれば貞淑で従順な妻だった41才の中年女が、太くたくましく(体...
あらすじだけ言えば、無人島に流れ着いた男女、正確には男数十人と女一人の物語。でもロビンソンクルーソーみたいな夢のような冒険探検物語じゃない(今の世の中、ただの探検物語は何を今さら・・・である)。 ごく普通の主婦、夫にすれば貞淑で従順な妻だった41才の中年女が、太くたくましく(体型もぽっちゃりしている)、夫や周りの男を利用してサバイバルしていく様が、桐野さん的主人公にぴったりである。 40過ぎても女は女。使えるものは女の身体だけ。男達のあいだを渡り歩くような放埒さと、実は計算高く立ち回る主人公の清子は、ぎらぎらと輝いて見える。予想外の妊娠でも、頭にあるのは自分のことだけ。母性本能は文明の所産である、と考えるほど身体は野生化してるのに、島からの脱出を最後まであきらめないしぶとさが女のリアリティを物語っている。女は、身体は野生の極みなのに、頭は理性的(それは女の理論って言う意味だけど)・・・女ってこういう生き物なんだわ・・・と改めて思った。 読み終わってから、しばし自分も無人島に漂流しちゃったらどうしようと考えた。 桐野夏生の対論集に、「男一人に女たくさんで漂流っていうストーリーはどう?」と編集者に提案された、とか書いてたけれど・・・、ほんと、女だけだったらあんまり面白くないかも。女がたくさんで男が数人、とかだったら、男は種馬にして、女は協力して子供を産んで育てて平和な島を作るのだ。みんな平等にセックスしてさ~、男は贔屓しちゃいけないの。 あ~想像すると楽しいな。 読んでる途中、結構笑える描写が多くて、どう考えても不幸な状態が滑稽すぎて私もちょっとおかしくなったか?と思った。
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