東京島 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
無人島に漂着した32人。 そのうち女は清子1人だけ……。 という設定を見て、ああ、きっとこの女が若くてすごく美人で、31人の男たちは彼女を巡って死闘を繰り広げちゃったりなんかするんだろうな……と思っていたら。 清子は40代、既婚者、しかも島で一番太ってる。 でもそんな(って言ったら失礼か)女でも、島にたった1人しかいないとなったら、それなりに男たちの間でドロドロしたものがあり。 無人島に来る前は控えめでおとなしかった清子が、たくさんの男たちが自分のことで争ったりしてるのを見たら、うぬぼれて高慢になっていくのも分かる気がする。 私はこの世で一番嫌いなものは「虫」なので、こんな無人島に流されちゃったりしたらひとたまりもないだろう。 きっと真っ先におかしくなるか、食中毒で死ぬな。 …でも、短大時代に海外研修でタイに行き、タイ北部の山岳民族の村(電気も水道もない。お風呂は川)で、村のおうちに居候させてもらいながら、その村に教会を作るお手伝いをするという、ウルルンみたいなことをしたことがあるんだけど、あの時は他の参加者が次々と食事が合わなかったり、暑さに負けてダウンしてしまったりしている中、私ともう1人だけがピンピンしてて、最後まで元気だったっけ。 それを考えると、以外と長生きできるか……? 本の内容とは全然関係ない方向に行ってしまったけど。 この32人の中には、「僕はもうこの島で生きていくことに決めた!」と言い出す人も何人かいるんだけど、私はやっぱり嫌だなぁ。 だって、もとからその島に住んでいるんならいいけど、やっぱりコーラとかクレープとか、いろんなおいしい物を知っちゃってるからなぁ。 そういうものをいちいち思い出して、悲しくなってくると思う。 だから、航海日誌に食べたい物をこと細かく書いてた隆の気持ちがよくわかる。
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無人島に流れ着いた31人の男と一人の女の話。 たった一人の女が若い女ではなく、40代の無人島で尚肥えた女という設定はおもしろい。 現に序盤はおもしろかったが、後半になるにつれだれてくる。 ラストは……弱すぎです。 桐野さんの本は欲望にまみれている。
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