1,800円以上の注文で送料無料

セリヌンティウスの舟 の商品レビュー

3.2

63件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    13

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2011/12/24

この作品は個人的にイマイチ…。決定的な箇所ではないのですが、ここの指摘はおかしいという部分がどうしても気になります。「扉はとざされたまま」にも同じような部分が…。

Posted byブクログ

2011/12/17

メロスの人質、セリヌンティウス。そこにあるのは盲目的な信頼。決して裏切りのない信頼だ。この物語は海難事故によって出会った者たちの絶望に似た死への希求と生への希望、そして信じることの証明を描いている。ああでもないこうでもないと信頼という最後の答えを探してひとりの仲間の死の謎を解いて...

メロスの人質、セリヌンティウス。そこにあるのは盲目的な信頼。決して裏切りのない信頼だ。この物語は海難事故によって出会った者たちの絶望に似た死への希求と生への希望、そして信じることの証明を描いている。ああでもないこうでもないと信頼という最後の答えを探してひとりの仲間の死の謎を解いていく。ミステリとしては興味深いし面白い。この人が彼女の死に関わってはいるだろうと犯人というか共犯者というか、そういう人がだれなのかは簡単に知れるが面白い。ただどうしても残念なのはラストにもうひとり死んでしまうことだ。犯人、ではないがそれに類する彼の死が水を差す。まあ、この人は最初から死への絶望的な憧れを捨てられなかったのだし、犯人とは少し違うのだがラストの死は好みに合わない。もともと犯人が死んで終わるミステリが性に合わないからだが著者の作品で先に読んだ《月の扉》もラストで犯人が死亡するところが嫌でこの著者の作品はもう読むまいと思っていたがまた手を出してしまったのが今作だった。なぜならミステリとしては面白いからだ。《月の扉》もそうだった。面白い。ラストで犯人もしくはそれに類する人物が死んでしまうある意味で卑怯な断絶がどうしても評価を鈍らせるがやはり面白い。

Posted byブクログ

2011/03/16

海難事故をきっかけに強い絆で結ばれた6人の男女。そのうちの1人の自殺に不自然な点を見つけた仲間は、真実を解き明かそうとする。 石持さんの作品は思考・考察の描写が細やかなところが気に入ってますが、この作品もそれは健在で、思考の果てに陥る矛盾にまで話が広がっていくので、登場人物の心...

海難事故をきっかけに強い絆で結ばれた6人の男女。そのうちの1人の自殺に不自然な点を見つけた仲間は、真実を解き明かそうとする。 石持さんの作品は思考・考察の描写が細やかなところが気に入ってますが、この作品もそれは健在で、思考の果てに陥る矛盾にまで話が広がっていくので、登場人物の心情に深く入り込むことができます。 明らかになった真相は感動的なものであり、それでいてラストは切なく、余韻の残る仕上がりになっています。

Posted byブクログ

2011/01/28

石持浅海は短篇の方が好き。 長く感じた。 たぶん本当はもっと短くまとめられるのに長々書いてみた、という幹事がした。 面白いといえばは面白いんだけど。

Posted byブクログ

2019/01/16

ダイビング中の遭難を乗り切ったことにより精神的に固い絆で結ばれる数名の男女。 ある日、マンションの一室でみんなで集まって酒盛り。酔いつぶれて目が覚めると、一人服毒自殺していて・・・ 単純な自殺と思われたが、ある写真からその死が疑われる。固い絆で結ばれた仲間は最期に一体なにを思って...

ダイビング中の遭難を乗り切ったことにより精神的に固い絆で結ばれる数名の男女。 ある日、マンションの一室でみんなで集まって酒盛り。酔いつぶれて目が覚めると、一人服毒自殺していて・・・ 単純な自殺と思われたが、ある写真からその死が疑われる。固い絆で結ばれた仲間は最期に一体なにを思って死んだのか? 中篇、くらいのボリュームの小説です。いやあ・・・この人面白いわ。なんていうのかな?舞台の脚本みたい。 一つの視点というか一つの場所だけで話が完結していくような。シチュエーションコメディのような。 そして「絆」という不確定とも思えるようなものは「絶対条件」として動かさないのも読んでいて変にゆさぶられないので読み手が混乱せずに話を追えるというのもいい感じ。 しばらくこの人の作を読み漁ってみようかな・・・・

Posted byブクログ

2010/11/27

『月の扉』、これと読んで、要するに、素人がいろいろ推理を繰り出す設定を作って、いろいろな仮定のもとに推理を展開させるってことなのね、と判明。シチュエーション・ミステリとでも言おうか。だから、シチュエーションが不自然でもそれを受け入れて読むしかないんだけど、『月の扉』のカリスマ師匠...

『月の扉』、これと読んで、要するに、素人がいろいろ推理を繰り出す設定を作って、いろいろな仮定のもとに推理を展開させるってことなのね、と判明。シチュエーション・ミステリとでも言おうか。だから、シチュエーションが不自然でもそれを受け入れて読むしかないんだけど、『月の扉』のカリスマ師匠にしろこれにしろ、なんだか設定が微妙にきもい。『月の扉』は道具立てがハイジャックと最大の月蝕、と、派手で楽しかったが、これは自殺に立ち会った人がいるかどうかという地味ーな話なので、かえって奇妙さが際立つかも。その中に、絶対の信頼・裏切りなどの大袈裟なワードが頻出するので、違和感が増すのかも。 推理の前提が偏っていて、それで「論理」展開してもねー、と思ったが、それに対するエクスキューズはあった(特定の意図のもとに前提が提示されていたという)。 人工度が高いので、登場人物の誰にも共感できないという効果を生むが、まあ感情移入とかさせようとは思っていないんだろう。 なお、男は姓、女は下の名前で記述されていて(一人称叙述だが、「僕」の普段の呼称がそうだからというわけでもなく)、なんか意味があるのかと思ったが、そういうわけでもなく、どうやら石持という人が単にそういう人らしい。『Rのつく月には気をつけよう』のオチ(?)といわれているものについて、なんでこれが引っ掛けになるのか疑問だったが、石持にとって、女性は無意識的には名で記述するもので、姓で記述するのは引っ掛ける意識でやってたんだな、ということが腑に落ちた。

Posted byブクログ

2010/09/07

ダイビング中の海難事故で助け合い生き残った6人。 共に生死の境を味わった彼らは 他では得難い信頼で結ばれた仲間となった。 やがて、そのうちの一人、美月が自殺をする。 仲間たちに数々の疑問点を残して。 警察や世間には大して重要ではないであろう疑問。 しかし、彼らにとっ...

ダイビング中の海難事故で助け合い生き残った6人。 共に生死の境を味わった彼らは 他では得難い信頼で結ばれた仲間となった。 やがて、そのうちの一人、美月が自殺をする。 仲間たちに数々の疑問点を残して。 警察や世間には大して重要ではないであろう疑問。 しかし、彼らにとっては重要な疑問だった。 《走れメロス》のセリヌンティウスの立場に立った 残された5人は美月の鎮魂のために 自殺に隠された謎を解くべく推理ゲームの席に着く。 今回も石持氏独特の世界観。 キレイ過ぎる人間関係。

Posted byブクログ

2010/06/28

命を脅かす出来事は、人の考えをこんなにも歪めてしまうのかと恐ろしくなる。 メロスがセリヌンティウスを勝手に人質にしたのは私も気になっていた。

Posted byブクログ

2010/06/02

マンションの一室という、狭い空間で話が進んでいく。少々ファンタジー的要素があるが、違和感なく最後まで飽きずに読めた。

Posted byブクログ

2010/01/11

生死に関わる苦難を乗り切った間柄は特別なものだ。 それは経験していないものでも想像はつく。 しかし、彼らの繋がりは想像を超えたものなのだろう。 その結果が、この物語なのだ。 石持さんの本は、数冊読んだが どれも動機が弱い。 共感得られないものが多いのだ。 しかし、動機は人それぞ...

生死に関わる苦難を乗り切った間柄は特別なものだ。 それは経験していないものでも想像はつく。 しかし、彼らの繋がりは想像を超えたものなのだろう。 その結果が、この物語なのだ。 石持さんの本は、数冊読んだが どれも動機が弱い。 共感得られないものが多いのだ。 しかし、動機は人それぞれの価値観によるものだから仕方ない。 別の数名が同じ体験をしても この物語は生まれないだろう。 ( ・_ゝ・)<偶然の産物

Posted byブクログ