吉里吉里人(上) の商品レビュー
大長編。東北の村が日…
大長編。東北の村が日本からの分離独立を宣言。どんどんと物語の世界に引き込まれていきます。
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市町村が国家として独…
市町村が国家として独立宣言したら・・・という内容の本。今の様に、税収不足で、国家に媚びるように市町村合併を続ける時代に読み返すと、改めて、ああ・・・とため息が出てしまうぜ。
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井上ひさし『吉里吉里人』新潮文庫 読了。東北のとある村が日本から分離独立を宣言する長編小説。金本位制、先進医療、食料エネ自給自足、タックスヘイヴンなど、奇想天外な切札を駆使して独立の実現を目指す。相当くだらないが、独立戦略は大真面目。序盤に吉里吉里語の講釈に紙幅が割かれ親切である...
井上ひさし『吉里吉里人』新潮文庫 読了。東北のとある村が日本から分離独立を宣言する長編小説。金本位制、先進医療、食料エネ自給自足、タックスヘイヴンなど、奇想天外な切札を駆使して独立の実現を目指す。相当くだらないが、独立戦略は大真面目。序盤に吉里吉里語の講釈に紙幅が割かれ親切であるw
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初ひさしが本書。なぜか吉里吉里というワードが脳内に残っていて、ネット古本屋にて入手。売れない作家・古橋健二を狂言回しにして、吉里吉里国独立の瞬間から、日本国を相手取った独立闘争をユーモラスに描く。<引用>日本国の国益だが言う物、もう真平……『国益の為だ、増産すろ!』『国益の為だ、...
初ひさしが本書。なぜか吉里吉里というワードが脳内に残っていて、ネット古本屋にて入手。売れない作家・古橋健二を狂言回しにして、吉里吉里国独立の瞬間から、日本国を相手取った独立闘争をユーモラスに描く。<引用>日本国の国益だが言う物、もう真平……『国益の為だ、増産すろ!』『国益の為だ、減反すろ!』……ズーズー弁で訴えかける国の横暴がひしひしと伝わる。話が横道に逸れることが多く、上巻は午前6時の独立から半日程度しか経っていない。冗長感は否めないが、作品の世界観を理解する役には立っている。
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情報小説 三読目。日本SF大賞受賞。 小説全体、たいへん下世話で、下ネタが苦手なひとは読まないほうがいい。とにかく性器、性行を連想させる下ネタばかり。下ネタ大好き中学生ならぐいぐい読める。 ストーリー展開が奔放でめっぽうおもしろい。東北から吉里吉里国が独立するのだが、そ...
情報小説 三読目。日本SF大賞受賞。 小説全体、たいへん下世話で、下ネタが苦手なひとは読まないほうがいい。とにかく性器、性行を連想させる下ネタばかり。下ネタ大好き中学生ならぐいぐい読める。 ストーリー展開が奔放でめっぽうおもしろい。東北から吉里吉里国が独立するのだが、そのための切札をたくさん控へてゐる。その説明で蘊蓄の渋滞だが、とにかく説得力が高い。おれにでも分離独立できるのではないか、と感じ入ってしまふ。 中巻でケイコ木下が出てきたあたりから、すこしダレてくる。 ところどころ、都合よく進展させるために、古橋といふこの単純な人物造形にしたのだらうと気づいた。 比喩は下手。このころの井上ひさしはまだ途上だったなあ。晩年の『一週間』になるとさすが。
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井上ひさしの作品を初めて読んだ。 津軽弁には馴染みがあるので、「あーこれこれ」とは思うものの、吉里吉里語の台詞を文章で読むのはなかなか大変。結構読み飛ばしてしまった部分もある。 完全に本題とは外れた箇所だが、主人公古橋の、昔の記憶障害、記憶増進症のくだりは面白かった。 井上ひ...
井上ひさしの作品を初めて読んだ。 津軽弁には馴染みがあるので、「あーこれこれ」とは思うものの、吉里吉里語の台詞を文章で読むのはなかなか大変。結構読み飛ばしてしまった部分もある。 完全に本題とは外れた箇所だが、主人公古橋の、昔の記憶障害、記憶増進症のくだりは面白かった。 井上ひさし自体が完全な左派なので、そういう思想からこの物語が書かれたんだろうなぁというのがよくわかる作品。 印象に残っているフレーズ。 「吉里吉里語を話すときは、 (こんなズーズー弁とよく似た外国語を勉強してなんの役に立つんだろう。他人から笑われるのが関の山ではないかしらん) と、なんのいわれもなく劣等感を持つように努力してください。このいわれもない劣等感があなたの口の動きを固くし、曖昧にします。そしてそうなってはじめて、あなたは生粋の吉里吉里人と較べてもほとんど遜色のない吉里吉里語かの発音をわがものとなさることができるでしょう。」
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この作品は物凄く混沌としている様に見えるよう作られている。読みにくいとか余計な脱線があるという意見もあるようだけれど、世の中、世知辛さ、情、抵抗活動、どうにもならないもの、無念、舞台は田舎であるし、秩序でできた煌めく小綺麗な文章でこの独立運動がもし書かれていたら、それは吉里吉里人...
この作品は物凄く混沌としている様に見えるよう作られている。読みにくいとか余計な脱線があるという意見もあるようだけれど、世の中、世知辛さ、情、抵抗活動、どうにもならないもの、無念、舞台は田舎であるし、秩序でできた煌めく小綺麗な文章でこの独立運動がもし書かれていたら、それは吉里吉里人の話ではない。 現代のコスパタイパ思想に浸かってしまう学生時代に、この作品を読めて良かったが、社会人など時間に追われるようになると、この作品の無駄さ、豊かさなどは、味わうのは難しいかも。 それと政治の諸問題をこんなに分かりやすくした物語は珍しかった。 日本から独立するって話は、昔、村上龍なども書いていたように記憶しているけれど、きちんと独立して平和に世を治めたハッピーエンドの話は読んだ事がまだない。ライトノベルだと別世界を統治する系の話はよくあるようだけれど、日本が舞台で、政権を転覆させてそれをやるのは難しいのかしら。と、これを読んだ当時、思っていた。
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吉里吉里人が並べ立てる理論はどれも骨太で,何よりも愛国心に満ちている点で一見手強そうに思えるが,天上からの暴力には無力であった。この筋が何を示唆しているのかは,現代だと少し意味合いが変わってくるだろう。 文章の大半は悪ふざけの域であり,ここは読者の好みの分かれるところだろう。私...
吉里吉里人が並べ立てる理論はどれも骨太で,何よりも愛国心に満ちている点で一見手強そうに思えるが,天上からの暴力には無力であった。この筋が何を示唆しているのかは,現代だと少し意味合いが変わってくるだろう。 文章の大半は悪ふざけの域であり,ここは読者の好みの分かれるところだろう。私は読んでいて面倒だと感じることのほうが多かった。
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文章力はすごいし、ルビを東北弁にするなど、普通の小説に比べて並大抵でない労力がかかっているとは思う。しかし、東北に縁がある人しか楽しめない話なのではないかな、と思うのは自分が東北人だからか?3冊もあって長いが、どう風呂敷をたたむのか見てみるか。
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抱腹絶倒とにかく面白い。ジャンルを言うなら妄想小説R15指定。主人公のオッサンにイラッとしながらもぐいぐい引き込まれていきます。 出会いは行きつけの大型書店。奇抜なタイトルが目に入って書棚から手に取り、表紙の絵に惹かれてペラペラ捲って見る。ルビが多い小説だと思ったらなんと東北弁...
抱腹絶倒とにかく面白い。ジャンルを言うなら妄想小説R15指定。主人公のオッサンにイラッとしながらもぐいぐい引き込まれていきます。 出会いは行きつけの大型書店。奇抜なタイトルが目に入って書棚から手に取り、表紙の絵に惹かれてペラペラ捲って見る。ルビが多い小説だと思ったらなんと東北弁訳。期待値マックスでレジへと直行でした。 物語はと言うと・・・これが実にえぐい話なのです。小説が醸し出す独特の世界観に酔います。まずはご一読あれ。
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