地球の長い午後 の商品レビュー
読むのに忍耐を要しましたが、読んで後悔はしません。遥か未来、片面が太陽を向いたままとなり、異常に繁殖した植物に覆われる地球。文明が後退し知能さえも衰えながら細々と生きる人類。 冒険譚と言えるほどの物語は存在しないが、想像力を駆使した特異な生態系に魅せられ、宇宙や時間にまで手を伸ば...
読むのに忍耐を要しましたが、読んで後悔はしません。遥か未来、片面が太陽を向いたままとなり、異常に繁殖した植物に覆われる地球。文明が後退し知能さえも衰えながら細々と生きる人類。 冒険譚と言えるほどの物語は存在しないが、想像力を駆使した特異な生態系に魅せられ、宇宙や時間にまで手を伸ばすスケールの大きさに仰天する。少々トンデモと感じるところもありますが、そこは勢いで乗り切る。絶望的な状況に流されるばかりの主人公たちですが、たくましく生きる姿が胸を打ちます。 正直、ヒロイン(ヤトマーの方ね)の健気さに救われて読み切れたようなところはありますね。
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壮大なビジョンです。 自転を止め、太陽と暗闇の世界に分断された我らが母星。太陽の世界では、食肉植物が地上を跋扈する熱帯の王国を築き上げ、文明を喪失した人類は、無感動な暴君の配下で細々と生き残っていた… 世界観は凄い魅力的なんだ。これぞオンリーワンだと誇れる世界観だと思う。 だけ...
壮大なビジョンです。 自転を止め、太陽と暗闇の世界に分断された我らが母星。太陽の世界では、食肉植物が地上を跋扈する熱帯の王国を築き上げ、文明を喪失した人類は、無感動な暴君の配下で細々と生き残っていた… 世界観は凄い魅力的なんだ。これぞオンリーワンだと誇れる世界観だと思う。 だけど、行き当たりばったりな物語が…読み進めるうちに残念な気分になった。 というのも、登場する人物は、ただ淡々と「生きること」を続けているだけなんですよね。そこには「生き残る意志」や「生きる目的」もない。だから物語に目的がないし、感動もない。 却って、高度な知能を有する人外の生物たちの方が強い意志をもっているという悲劇。リリヨーとかも鳥人になってから、使命感を抱くことになっていたし。 なんだか、著者の人類に対する失望が感じられました。
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遥か未来、多種多様に進化を遂げた植物が中心の世界を、生態系では弱小な人間の姿を通し、想像力の限りを尽くして描いた生物学SF(てきとーな名称)。 簡単に四肢を引き裂けるタコ型や、月まで巣をはる巨大なクモ型とか、凄い植物が多数いて、それらの生態を読んでるだけで楽しい。 人類の起源が...
遥か未来、多種多様に進化を遂げた植物が中心の世界を、生態系では弱小な人間の姿を通し、想像力の限りを尽くして描いた生物学SF(てきとーな名称)。 簡単に四肢を引き裂けるタコ型や、月まで巣をはる巨大なクモ型とか、凄い植物が多数いて、それらの生態を読んでるだけで楽しい。 人類の起源がさらりと語られたり、どうしようもなく状況に流されるしかないなど、人の扱いはほんと軽い感じ。 自然が主役な小説。未来版ナショナルジオグラフィック。 SF設定は背後にありそうだけど、それをあまり前景化させないという手法。
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日本ではとても人気のある作品ですが、でも、同時にとても読む人を選ぶ作品でもあります。選ばれる基準は、「世界観に浸り切って一冊読み通せる忍耐力があるか否か」。 この作品で描かれる世界観は本当に圧倒的かつワン・アンド・オンリーで、SFというより一昔前の幻想小説(ステープルドンとかね...
日本ではとても人気のある作品ですが、でも、同時にとても読む人を選ぶ作品でもあります。選ばれる基準は、「世界観に浸り切って一冊読み通せる忍耐力があるか否か」。 この作品で描かれる世界観は本当に圧倒的かつワン・アンド・オンリーで、SFというより一昔前の幻想小説(ステープルドンとかね)とでも言った方が相応しいクラシカルな美学が感じられます。想像力の極北とも言うべきこのユニークさは、一度味わっておいて損はないと思います。が、SFを読む上でそれ以上の要素を作品に求める人には、この作品は全く不向きです。この作品には、魅力的な登場人物もスリリングな冒険も美しい科学考証もありません。登場人物は知能が低いが故にほとんど感情移入できませんし、ごく僅かに登場する知能の高い生き物は社会を形成するだけの個体数がいないために独りよがりの傲慢な暴君と化し、やっぱり感情移入できません。主人公のグレンは一応冒険めいた旅を続けますが、彼が主体的に問題を解決することはほとんどなく、周囲の環境に流されているうちに何となく冒険っぽくなっているだけで、手に汗握るハラハラドキドキのエンターテインメントを期待して読むと、かなりがっかりします。 最後の最後に、人類を含めた地球生物の存在意義と今後の進化を示唆するイメージが挿入されて、物語は幕を閉じます。ここで「壮大なSFだ!」とまとめることも可能ですが、鴨にはどうもそれまでのストーリー展開のメリハリのなさの方が印象に残ってしまい、取って付けたようなラストシーンに思えて仕方ありませんでした。ただし、SFは本当にいろんなスタンスでの物語展開が可能な文学ジャンルだと鴨は思っていますので、「世界観一発!」なこの作品も、SFとして当然アリだと評価します。
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※このレビューにはネタバレを含みます
人類が衰退し植物が支配する世界。人間を捕食する植物におびえながら暮らす人間達。リリヨーをリーダーとする人間のグループ。鳥人達の仲間となるリリヨー。新たなリーダー・トイと対立しグループから抜け出したグレンとポイリー。知識を欲するキノコ、アミガサダケの支配を受け入れるグレン。牧人のヤトマーを案内人にして旅を続けるグレン。ポンポン達を配下におき暮しを立てる。ヤトマーの出産。ソーダルとの対立。リリヨーとの再会。
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思いっきり期待していただけに読後感は非常に微妙。σ(^_^;)『やがて地球は片面を永遠に昼、片面を永遠に夜にしたまま停止した』強すぎる太陽光は動物を衰退させ昼の世界を植物の王国へと変えていった。出だしの緑の魔境とも言える異世界描写は実に秀逸。このまま最後まで異形植物中心で行ってほ...
思いっきり期待していただけに読後感は非常に微妙。σ(^_^;)『やがて地球は片面を永遠に昼、片面を永遠に夜にしたまま停止した』強すぎる太陽光は動物を衰退させ昼の世界を植物の王国へと変えていった。出だしの緑の魔境とも言える異世界描写は実に秀逸。このまま最後まで異形植物中心で行ってほしかった。鳥人、ポンポン、トンガリ等人型異形生物が登場してからはありきたりのファンタジーとなってしまい残念。ところで椎名誠のSF三部作「アドバード」「水域」「武装島田倉庫」は本作へのオマージュとのこと。取り敢えず読んでみる予定。
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もともと人間は自然に適応できていないじゃないか。自然を駆逐していたように見えているが、実はその逆、侵略されている。しかも自然を完全の滅亡すると人類の種そのものが滅びてしまうため、それだけはできない。つまり人間は自然に依存しているわけだ。そのパワーバランスが狂うとこういうことが起こ...
もともと人間は自然に適応できていないじゃないか。自然を駆逐していたように見えているが、実はその逆、侵略されている。しかも自然を完全の滅亡すると人類の種そのものが滅びてしまうため、それだけはできない。つまり人間は自然に依存しているわけだ。そのパワーバランスが狂うとこういうことが起こるのである。自然が人類を滅ぼすことはいつでもできる・・・これだけは絶対に忘れてはいけない事項であろう。残虐なるルールである、人間にとっては。
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地球上の生物ヒエラルキーが全てひっくり返り、巨大植物が地上を覆う未来。人間達は原始同然の姿で木の上に暮らし、巨大化した虫や凶暴な植物におびえて生きている。なんともグロテスクで、そら寒くなるSF。読み終わって、プランターにちんまり収まっている動かない花を見て「あ〜、平和でよかった」...
地球上の生物ヒエラルキーが全てひっくり返り、巨大植物が地上を覆う未来。人間達は原始同然の姿で木の上に暮らし、巨大化した虫や凶暴な植物におびえて生きている。なんともグロテスクで、そら寒くなるSF。読み終わって、プランターにちんまり収まっている動かない花を見て「あ〜、平和でよかった」と安心してしまった。
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完全に、自分の想像力の外側の世界だった。 しかしまぁ、設定のみですね、面白かったのは。キャラクターに愛着がわかないのが、面白くなかった原因。せっかくの壮大な設定(鳥人間)が、後半で登場するけどまったく生かされてなかったり、動物はもうこれだけしかいない。と地の文で断言しておいて、小...
完全に、自分の想像力の外側の世界だった。 しかしまぁ、設定のみですね、面白かったのは。キャラクターに愛着がわかないのが、面白くなかった原因。せっかくの壮大な設定(鳥人間)が、後半で登場するけどまったく生かされてなかったり、動物はもうこれだけしかいない。と地の文で断言しておいて、小動物がちらほら出てきたり。気のせいか?読み間違いじゃないと思うけど、途中で飽きてたので、読みなおして確認する気にもなれず。 もし誰かがうまく漫画にしてくれたら、面白くなりそうな気がする。
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超温暖化の進んだ結果、植物が世界を支配するようになった地球の話。 多種多彩に進化しまくった植物を想像するだけで満腹になれる。空を翔る蜘蛛(状の植物)なんて想像力刺激されまくり。 グレンは粗暴で短絡的で、読んでいる間行動にひとっつも感情移入できなかった。けれど、彼が最後に選んだ道だ...
超温暖化の進んだ結果、植物が世界を支配するようになった地球の話。 多種多彩に進化しまくった植物を想像するだけで満腹になれる。空を翔る蜘蛛(状の植物)なんて想像力刺激されまくり。 グレンは粗暴で短絡的で、読んでいる間行動にひとっつも感情移入できなかった。けれど、彼が最後に選んだ道だけは、とても格好良かったし私も選ぶならそっちの道がいいと思った。
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