ジーン・ワルツ の商品レビュー

海堂尊【著】

2012/06/25

産婦人科かつ人工授精専科でもある女医の信念の物語。生殖課程を真摯に学べるのと官僚、学界と現場の現実、医学と医療の両輪から引き込れる。代理母出産は考えさせられるも、女性の胎内メカニズムは正に神々しい。冷徹な魔女と母親の２つの天使の仮面に敬服の至り。

2012/06/14

うちの回りの産婦人科も、減っているのに、お産する人が多いので、最初の診察で予約する状態。

産婦人科のいまの現状とかになんか納得。

理恵さん、やり方むちゃくちゃだけど、ここまでやらないとやっぱりだめなのかな。

2012/06/03

「チーム・バチスタの栄光」の海堂尊の作品。「チーム・バチスタの栄光」の舞台となった”桜宮”の言葉はちょっとだけ出てきますが、基本的には違う作品。登場人物も重なりません。

「チーム・バチスタの栄光」シリーズのような、コミカルなサスペンスを期待すると、ちょっと違います。サスペンスでは有るんですが、よりシリアス。「ジーン・ワルツ」と言うタイトルですが、あんまり遺伝子が前面に出ているという印象はありませんでしたね。

どういう結末になるか、ドキドキしながら読み進むと、意外と言うか、予想通りと言うか、そう言う結末。ただ、他の作人に比べ、ちょっと捻りが足りないかなぁとは思いました。

2012/05/14

デリケートな問題を多く持っている産科医療。
この話の中では代理出産を題材の1つにあげています。

“神の領域への挑戦”や自己能力の顕示のためではなく、現在の少子化対策に自分なりの実行策で立ち向う主人公の姿勢は魅力的です。

ですが、最後の最後で自己中心で傲慢ともとれる行動は、クール・ウィッチというより悪魔のように感じられ、この先、彼女が進もうとしている道を思うとかなり怖くなり、後味の悪い読後感です。

ただこの本を読んで、五体満足で生まれる奇跡に改めて感謝しなくてはと痛感しました。

2012/04/27

「体外受精」「代理母出産」をテーマにした物語。生命のはじまりは、当たり前に訪れるわけじゃないことに、きづかされるお話です。これから子どもをもつ人にオススメの一冊。かな？

2012/04/08

バチスタシリーズとは異なり
作者の持論がバリバリと前面に打ち出されて
ズシンと読み応えのある物語。

理恵の正論がまかり通らないこの世の中に不安を感じる今日この頃。
未婚の自分にも子を設けることの意味を考えさせる。

ちょうど同じタイミングで極北クレイマーも借りることができたので
よかった。

2012/03/24

海堂尊『ジーン・ワルツ』読了。ある産科医院にかかる5人の妊婦。彼女たちと主治医の間にはそれぞれに妊娠と出産に対する事情と思惑があった。主治医が保守的な大学組織や厚労省の在り様をバッサリとやり込めるのは痛快。しかし、彼女は果たして女神か魔女か。一気読み！

2012/02/07

人呼んで冷徹な魔女（クール・ウィッチ）。
桜宮市・東城大学医学部を卒業し、東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、曾根崎理恵のこと。
理恵は顕微鏡下人工授精のエキスパートであり、事情を抱えた五人の妊婦が理恵を頼って訪れる。
一方、理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけた先輩の清川医師は真相を追うが…。

重たいテーマのせいか海堂作品としてはなかなか読み進まなかった感がありました…。

2012/01/19

不妊治療のスペシャリストが、日本では認められていない代理簿出産を手引きするというストーリー。

クール・ウィッチ（冷徹な魔女）こと曽根崎理恵とラパロスコピック・ゴッドハンド清川吾郎のコンビがなかなかイケてる。
お互いをどうしようもないと思っていても土壇場では信頼しあい、体を重ねる理恵と清川のライトな関係が結構好きだな。

「なまくら刀に斬られるよりは、名刀村正に斬られたまえ。」
恵理に引導を渡そうと、清川の脳裏に学生時代に彼が手にした剣道大会の頂点の証、 医鷲旗の感触が甦った。
しかしその名刀村正の鋭いはずの軌道をするりかわし、カウンターのごとく逆に清川に論理で斬りかかるクール・ウィッチ曾根崎理恵には恐れ入った。間違いなく名刀村正以上の切れ味だ。

2012/01/08

「生命（いのち）」がテーマともいえる作品。
“無事に生まれてくる”という事は当たり前なのではなく、奇跡に近いことなのですね。
フィクションとはいえ、医療現場の厳しい現状については、
考えさせられます。