ジーン・ワルツ の商品レビュー
海堂 尊 『ジーン・ワルツ』 (2008年3月・新潮社) 美貌の産婦人科医・曾根崎理恵――人呼んで冷徹な魔女(クール・ウイッチ)。 人工授精のエキスパートである彼女のもとにそれぞれの事情を抱える五人の女が集まった。 神の領域を脅かす生殖医療と、人の手が及ばぬ遺伝子の悪戯がせめ...
海堂 尊 『ジーン・ワルツ』 (2008年3月・新潮社) 美貌の産婦人科医・曾根崎理恵――人呼んで冷徹な魔女(クール・ウイッチ)。 人工授精のエキスパートである彼女のもとにそれぞれの事情を抱える五人の女が集まった。 神の領域を脅かす生殖医療と、人の手が及ばぬ遺伝子の悪戯がせめぎあう。 『チーム・バチスタの栄光』を越えるドラマティックな衝撃があなたを襲う!(新潮社HPより) 出産という行為は医療とは少し離れたところにある人間の根源的な営みであるが、現代の産科医療というものはそこから一歩踏み込んだところに存在している。 本作は廃院間近の産院、マリアクリニックに通う5人の妊婦それぞれに現代の産科医療が抱える問題をうまく当てはめて書かれており、シンプルでメッセージ色の濃い作品となっている。 未婚の母、不妊治療、高齢出産、羊水検査、人工授精、果ては代理母出産や産婦人科医の不足問題にも言及し、厚労省批判まで盛り込んであったりして、今までの海堂作品に共通する軽快でユーモアの効いた語り口に慣れ親しんだ読者は違和感を覚えるかもしれない。 産科領域の問題点はデリケートな事項が多く、倫理感だけで解決できる類のものでもないだけに、作者も神経を使ったのではないだろうか。 白鳥なんか登場させた日にゃ、世の母親すべてを敵に回すような言動をしかねないし。 確かに田口・白鳥を始めとする馴染み深いキャラが出てこなかったのは残念ではあるが、既出の作品とのリンクは本作も健在であり、ほぅほぅ・・・あの人がこの人で・・・などと十分楽しめた。 キャラの書き分けの上手さに関してはもう今さら言うまでもなく、もはや神業の域に達している。 個人的にはあまりのストレートさに不満が残ったが、変に回りくどい書き方をして言いたいことがぶれるよりは、このほうが良かったのかも知れない。 70点(100点満点)。
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極北クレーマーを読んでないけど 読んでしまった。 代理出産、人工授精、産婦人科医療の崩壊と 大量に現実の難問を盛り込んだ作品 ただ、何より素晴らしいのは 作品に登場する妊婦の心情だろう。 何度か泣いた、電車の中で。 2割の確率で失敗し、最悪は母体の命まで奪う出産に挑む 母が...
極北クレーマーを読んでないけど 読んでしまった。 代理出産、人工授精、産婦人科医療の崩壊と 大量に現実の難問を盛り込んだ作品 ただ、何より素晴らしいのは 作品に登場する妊婦の心情だろう。 何度か泣いた、電車の中で。 2割の確率で失敗し、最悪は母体の命まで奪う出産に挑む 母が強くないわけがない。
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医療ミステリー、産婦人科医療問題。システム自体と妊娠、出産の問題が提起されてて、不安になった。まさに、魔女が主人公。バチスタシリーズの人物は出てこないけど、一瞬バッカスのくだりが出てきてクスリとなった。
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久々の海堂作品。 マイミクbambooに新刊の『ひかりの剣』を借りようと思ったら、こっちを貸してくれました。でも順番的に正解だったかも。 “美貌の産婦人科医・曾根崎理恵――人呼んで冷徹な魔女(クール・ウイッチ)。人工授精のエキスパートである彼女のもとにそれぞれの事情を抱...
久々の海堂作品。 マイミクbambooに新刊の『ひかりの剣』を借りようと思ったら、こっちを貸してくれました。でも順番的に正解だったかも。 “美貌の産婦人科医・曾根崎理恵――人呼んで冷徹な魔女(クール・ウイッチ)。人工授精のエキスパートである彼女のもとにそれぞれの事情を抱える五人の女が集まった。神の領域を脅かす生殖医療と、人の手が及ばぬ遺伝子の悪戯がせめぎあう。” 現代の地域医療・産婦人科医療の問題点をかなり理解することができた気がします。そして発生学について興味が出てきたし、ちょこっとだけ知識も増えました。 曽根崎先生の講義、一度受けてみたい。 あっという間に読めます。女性にぜひ読んで欲しい。 バチスタシリーズの新刊(緑)も出ましたね。読まないと。
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体外受精の専門家である女医が主人公であり、代理母出産というとても重いテーマを扱った作品である。 医者という経験を持つ筆者だから書ける医療・医学社会の現実と、フィクションという物語性が相反せず、より一層のリアリティを感じた。 代理母出産の是非、体外受精の意味するところなど本当に色々...
体外受精の専門家である女医が主人公であり、代理母出産というとても重いテーマを扱った作品である。 医者という経験を持つ筆者だから書ける医療・医学社会の現実と、フィクションという物語性が相反せず、より一層のリアリティを感じた。 代理母出産の是非、体外受精の意味するところなど本当に色々と考えさせられた。 医学エンターテイメントということで、一見難しそうにも思うが、 人の起源である妊娠、出産というテーマは全ての人に無関係ではない。 そのため、とても身につまされる思いがした。 私自身、人工的な妊娠についての見解は日々揺れ動いている。 一般的には、倫理的に否定する向きがあるが、自分自身のことと他人のことではまた違うのではないかと思う。 とてもナイーブな問題だと思うが、敢えて考える必要のある問題でもあると思う。 子供を産みたいというのは人間の持って生まれた本能であり、それ自体は素晴らしいことだと思うが、妊娠し、無事に出産することがいかに奇跡的なことか、またどういうことなのかを考えさせる一冊だと思う。
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妊娠出産が命がけである事は理解していたけど、子供が授かること・五体満足で生まれてくることが、どんなに奇跡的な事なのか。 他人事では無い。自分自身また、子供達に繋がっていく命の問題。 とても、考えさせられました。 医学のたまごの主人公・薫くんとパパ・伸一郎さんに繋がるとは。。。こ...
妊娠出産が命がけである事は理解していたけど、子供が授かること・五体満足で生まれてくることが、どんなに奇跡的な事なのか。 他人事では無い。自分自身また、子供達に繋がっていく命の問題。 とても、考えさせられました。 医学のたまごの主人公・薫くんとパパ・伸一郎さんに繋がるとは。。。こうやって薫くんは命を授かったのですね。 今気が付いたけど、シッターの山咲さんてこの山咲さんか??おばーちゃんじゃん!
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今回はいつもの(?)人たちは出てきません。 桜宮から舞台は離れ、東京へ。 どうやら、「医学のタマゴ」も読んだほうがいいらしい。 著者の海堂氏は現役のお医者さん。 やっぱり、言いたいことはたくさんあるんだろうなあ、と。 それを小説のカタチを取って伝え、小説としても立派に...
今回はいつもの(?)人たちは出てきません。 桜宮から舞台は離れ、東京へ。 どうやら、「医学のタマゴ」も読んだほうがいいらしい。 著者の海堂氏は現役のお医者さん。 やっぱり、言いたいことはたくさんあるんだろうなあ、と。 それを小説のカタチを取って伝え、小説としても立派に成立する。 カンタンそうで、難しいことですね。 で、代理母問題。 哲学的な問いもかなり含まれますが、回答は一つではないんだろうな、と。 誰しもが納得する答えが得られない場合、何をもって、回答とするか。 それは結局個人の心の中にしかないのかもしれません。
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福島の大野事件を彷彿とさせる地域医療の問題から、不妊治療、代理出産、堕胎をめぐる問題など、産婦人科医療における問題点を多く含む作品で考えさせられる内容に。ただ、産婦人科医療を取り巻く問題点が多いがゆえに盛り込みすぎてやや重い内容になっていると思う。 理恵さんもここまでしなければならないのか、後半ではややエグささえ感じる。ただマリアクリニックでの4人の出産の場面は感動的。
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『医学のたまご』の主人公である曽根崎薫くんが生まれるきっかけとなったできごと。 生殖医療は大学のレポートの課題だったこともあり、すこし調べたことがあるのだけれど、とてもセンシティブな問題だとおもう。 生まれ落ちたその瞬間、いのちを喪うとわかっている我が子に、それでもこの世界の光を...
『医学のたまご』の主人公である曽根崎薫くんが生まれるきっかけとなったできごと。 生殖医療は大学のレポートの課題だったこともあり、すこし調べたことがあるのだけれど、とてもセンシティブな問題だとおもう。 生まれ落ちたその瞬間、いのちを喪うとわかっている我が子に、それでもこの世界の光を見せてあげたいとおもう母の気持ちを、腕がなくとも、父親がおらずとも、我が子を慈しみたいとおもう母の気持ちを考えると、「母になる」ということが女性の本能的欲求としてあるのだと痛感させられる。 父親は法律上規定すらされないにも関わらず。 いのちのはじまりという、本来なら神さまの権限にまで手をだすという人間の越権を、どう裁けばいいのだろう。 『マドンナ・ヴェルデ』とは合わせ鏡になっている。
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うーーーーん。もひとつ。 いかにも男の人が書いたものだなあ、という感じで、妊婦の気持ちにあまり共感できる部分がない。 ちょっとやだなあ、と思う描写も。 でもまあ生命の誕生の神秘がテーマなのではなくて、地域医療の破綻とか少子化問題とかがテーマなのであれば、学ぶところは多いのですが。 感動すべきところで感動しなかったなあ。
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