負けるのは美しく の商品レビュー
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芸能界一の読書家である、児玉清の半生を綴ったエッセイ、興味深く読み進んだ。 ひょんなことから飛び込んだ映画界、艱難辛苦ながらも愉快なエピソード。 やがてテレビへの転身しての活躍。 そして圧巻は愛娘の死についてつづった最終章。 児玉清の、洒脱な立ち居振る舞いの裏に隠れた、彼の人柄を偲ばせてくれる。
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俳優として、読書家としても有名な児玉清さんの半生を描いたエッセイ集。 とても読みやすかった。 俳優なのに良い意味で派手さもなく、不器用で真面目な方だったんだなということが伝わってきます。一層好きになりました。 笑うような内容もあるけど、娘さんのお話には涙がボロボロと出てしまいまし...
俳優として、読書家としても有名な児玉清さんの半生を描いたエッセイ集。 とても読みやすかった。 俳優なのに良い意味で派手さもなく、不器用で真面目な方だったんだなということが伝わってきます。一層好きになりました。 笑うような内容もあるけど、娘さんのお話には涙がボロボロと出てしまいました。とても良いご家族の関係だったことも伝わってきました。 あまりエッセイは読まないけど、この本はとても面白かった。
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児玉さんに対しては品の良い紳士、というイメージを持っていたのですが、このエッセイを読んで案外おちゃめで少し破天荒な所もあったのだと、ますます好きになりました。 読者として経験豊富だと書き手としても洗練されるのだな、と思わせる文章でした。
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自分にとっての理想の紳士。 当時、少し前に購入して読もうとしていたところ、まさかの訃報だった。 児玉清が俳優になってからの半生で出会った人々やさまざまな出来事についてのエッセイ。 芸能界きっての読書家だったというのは伊達じゃないといった文章。 いつもどこか醒めているのに、内側...
自分にとっての理想の紳士。 当時、少し前に購入して読もうとしていたところ、まさかの訃報だった。 児玉清が俳優になってからの半生で出会った人々やさまざまな出来事についてのエッセイ。 芸能界きっての読書家だったというのは伊達じゃないといった文章。 いつもどこか醒めているのに、内側にはメラメラと燃えるものも感じる。 遅刻した挙句水着を忘れてパンツで受けた東宝映画のニューフェイス試験の面接のエピソードや、未来を予言すると突然訪ねてきてから数十年も付き合うことになるアベ神との出会いなどはとてもユーモラス。 過去の名監督、名俳優達とのエピソードには、黒澤明や三船敏郎が出てきて、 そのときはまだまだ無名な新人だった児玉清にとっての思い出は、今の自分でも共感できる。 世界のクロサワに盾突くほどのファイトの持ち主だったというのに驚いた。 また老年俳優たちの姿に学んでいくエピソードも熱かったり、優しかったりで心を揺さぶる。 このような昔話ならいくらでも聞いていられそう。 若くして亡くなった娘さんについて書かれた最後の章がとても感動的だった。
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2011年に亡くなった、児玉清さんの半生が綴られたエッセイ集。 若くして亡くなられた娘さんへの愛情がこめられた一冊でもあります。 アタック25の司会やドラマ『HERO』、『龍馬伝』での印象が強い身としては、 これほどに「ロマンスグレー」との言葉が似合う方もいないだろうとの思いで...
2011年に亡くなった、児玉清さんの半生が綴られたエッセイ集。 若くして亡くなられた娘さんへの愛情がこめられた一冊でもあります。 アタック25の司会やドラマ『HERO』、『龍馬伝』での印象が強い身としては、 これほどに「ロマンスグレー」との言葉が似合う方もいないだろうとの思いでしたが。。 そんな児玉さんの、いまいちぱっとしない映画の俳優時代から、 テレビというメディアの登場と、そのテレビでのご活躍なども。 その道筋を追っていく中で「負けるのは美しく」とのフレーズが、 そこはかとなく浮かび上がってくるようで、引き込まれてしまいました。 自身にブレない軸を持つのと「負ける」との要素、 決して相いれない要素ではないな、との勇気もいただきました。 ふと感じたのが、テレビの広がりに伴う映画の凋落は、 今のネットの広がりによるテレビの凋落とも通じる部分がありそうだな、と。 映画サイドから見れば、いつか来た道位に感じているのかもですが、さて。 そして、娘さんにまつわる最終章では、医療の闇の部分を突き付けられた気がします。 まだ10年、もう10年、、どちらともとれそうですが、決して他人事ではなく。 児玉さんの、海堂尊さんの著書に対するレビューを探してみたくなりました、、 医療従事者向けの情報誌かなんかであったりするようですが、うーん。
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亡くなったのはいつだったか、ついこないだのような気もするが、多分1年はたっているのだろうな。 一度だけ講演会を聞いたことがあるので、読んでいると余計に切ない。 まぁ人間だれしもいつかは死ぬ運命だが。 晩年の児玉氏しか私は知らないが、あの穏やかな知性と人格は「将来を期待されたスターではなかった」からこそ得られたものなんだろうと、この本を読んで思った。 職業作家ではないが、きっとこの人は本の神様に愛されていたんだろう。 そんなことを思いつつ、児玉氏を悼む。
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読書家の児玉清さんのエッセイ集。面白かったし、一話3ページくらいの分量であり、読みやすかった。初めて人のエッセイを全部読んだ気がする。 児玉清さんの人生の一場面一場面で、何を感じ・どのように考えたのか、が描かれており、人と柄を知れるような一冊。
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児玉清さんの生い立ちや俳優デビューしてからのエピソード、亡くなられた娘さんへの思いを著されたものです。 児玉さんの上品で温かみのある言葉そのままに、本当に児玉さんに語りかけていただいているような、そんな気持ちで読めました。
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大好きな児玉さん。 そのイメージは、紳士で聡明、そして清潔。 だけど、この本を読んだ感想は無邪気、天真爛漫。 児玉さんに、まだまだこんなにいっぱい魅力が詰まっていたなんて。 たくさん本を読まれている方なので、言葉が難しかったり、 ちょっと一文が長かったりでなんだか読み辛かったの...
大好きな児玉さん。 そのイメージは、紳士で聡明、そして清潔。 だけど、この本を読んだ感想は無邪気、天真爛漫。 児玉さんに、まだまだこんなにいっぱい魅力が詰まっていたなんて。 たくさん本を読まれている方なので、言葉が難しかったり、 ちょっと一文が長かったりでなんだか読み辛かったのは、 完全なる私の見識不足のせいだろう。 ちょっと残念。 そして、娘さんへの深い愛情に心を打たれた。 ご自身も娘さんと同じ病で亡くなられたなんて。 そんな最後をどんな思いで過ごされたのかな。 もう、一年経ってしまった。 でも、今もやっぱり、児玉さんが好きです。
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児玉さんといえば、アタック25。 なんというか紳士的なイメージをもっていたのですが、 水着審査にパンツで登場したり、結構愉快なエピソードを持ってる方なんですね。 本の前半はそんなちょっと面白い話がたくさん出てくるのですが、 一転、本の最終章、娘さんの話は重い話です。 娘どころか結婚すらしてない私ですが、身につまされるものがありました。
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