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ティファニーで朝食を の商品レビュー

3.9

140件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

    57

  3. 3つ

    32

  4. 2つ

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2023/05/13

表題作については翻訳者があとがきに記している通り、映画が下手に有名なせいで損をしている(原作の良さを生かすなら、時代がずれるけれど本人の悲惨な少女時代とはちゃめちゃなその後+圧倒的な印象を残す美貌ながら呑気でいかにも人を笑わせそうなルイーズ・ブルックスがハマり役だったと思う、ある...

表題作については翻訳者があとがきに記している通り、映画が下手に有名なせいで損をしている(原作の良さを生かすなら、時代がずれるけれど本人の悲惨な少女時代とはちゃめちゃなその後+圧倒的な印象を残す美貌ながら呑気でいかにも人を笑わせそうなルイーズ・ブルックスがハマり役だったと思う、あるいは社会への貢献度で負けるけど明け透け感と押しの強さではエリン・ブロコビッチが近い)。自分はカポーティ関連で最初に触れたのが映画「ティファニーで朝食を」で、小洒落た軽薄な作家と長年誤解していたが、小説の語り手は洒落者ではなく、アラバマ物語のメガネで小柄な男の子が成長した感じで、タイプは違うけど言わばお転婆な隣人の女の子に付き従っているのが微笑ましい。ホリーは「嵐が丘」のキャサリンがお気に入りというのがなるほどね、と思ったが、孤児なのに謎の数年間で蓄財したヒースクリフの方が興味深いのでは。同じ人騒がせなわがままでも暗いキャサリンよりコミカルなホリーの方が人好きがすると思う。「ブラジル人ならホセじゃなくてジョゼでしょうが」というツッコミは入れたい気がするが単に映画のせいか、社会文化的背景があるのか。 4作とも爽やかで切ない魅力がある。特に「クリスマスの思い出」が好き。本筋とは関係ないが、目の無駄遣いをしちゃいけない、というのが今の時代とても説得力がある。「花盛りの家」はガルシア・マルケスの「エレンディラ」やジェイン・ボウルズの作品を連想した。

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2023/01/29

p105 不正直な心を持つくらいなら、癌を抱え込んだ方がまだましよ。 表題以外の短編も含め、素晴らしいフレーズが散りばめられている本だった。 華麗なるギャツビーを読んだ時以来の衝撃、美しい言葉にたくさん触れ合える幸せ!

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2022/06/25

全四作品。まるで掴む事の出来ない風のように自由奔放で天真爛漫な一方、どこか儚く危うい部分を持ち合わせた光と影のある女性像が魅力的であり、登場人物の一挙手一投足が瞼の裏に浮かぶ様に繊細に描かれ、その場の雰囲気を感じる事が出来る情景描写は美しい。

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2021/12/23

アメリカ人作家,カポーティーの1958年発表作品。主人公ホリーはもうすぐ19歳。語り手である作家志望の僕を通して,彼女の自由奔放,破天荒でチャーミングな姿が描かれます。戦時下でありながら、ニューヨークの街の情景も素敵です。村上春樹翻訳,一緒に入っている3つの短編もオススメです。

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2021/11/13

何回か読みかけては読み終えられなかったトルーマン・カポーティを村上春樹に紹介してもらったような読書体験。 ティファニーで…も、もちろん良かったし、最後のクリスマスの思い出もよかった。

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2021/02/05

「ティファニーで朝食を」を大切に想っている人に要約してもらうととてもきれいに描けれていてすごいなと思った。翻訳ものは苦手で手に取りにくい。本当にそう作者は綴っているかやニュアンスが私には解らないからである。最後がよい。映画も観てみたのだけれど、良い意味で違った。映画も最後がはっと...

「ティファニーで朝食を」を大切に想っている人に要約してもらうととてもきれいに描けれていてすごいなと思った。翻訳ものは苦手で手に取りにくい。本当にそう作者は綴っているかやニュアンスが私には解らないからである。最後がよい。映画も観てみたのだけれど、良い意味で違った。映画も最後がはっとなった。 「花盛りの家」はまじない師に恋してるかのように映ってしまった。運命の価値は猟奇的に高い。

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2020/09/01

繁忙期が終わって1ヶ月ぶりの読書。 4作品入った一冊に共通した感想はとにかく『綺麗』 題材はぜんぜん綺麗じゃないはずなのにそう思わせるのはカポーティの力なのか村上春樹の力なのか。

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2020/06/18

抱いていたイメージ(映画の宣伝?の写真の、上品なオードリー・ヘップバーンのイメージ)とそもそも話の筋からして全然違った!ホリーかわいい。かわいくてかなしい。主人公とホリーの距離感が良かったな。村上春樹さん訳とても良かった…… もちろん環境も時代も、それらを差し置いても魅力も性格...

抱いていたイメージ(映画の宣伝?の写真の、上品なオードリー・ヘップバーンのイメージ)とそもそも話の筋からして全然違った!ホリーかわいい。かわいくてかなしい。主人公とホリーの距離感が良かったな。村上春樹さん訳とても良かった…… もちろん環境も時代も、それらを差し置いても魅力も性格も自分とホリーは似ても似つかないけれど、欲望に素直で潔いところが大好きで共感できた。わたしも「自分のエゴをしっかりと引き連れて」いたいなあと思いました。

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2020/04/03

内容について、ほとんど予備知識も予測もないまま、ただ関心があり、読んでみたところ、 ちょっとびっくり。 ほとんどヘルター・スケルターではないか。 イノセンスが崩壊していく様、という点では、キャッチャーにも近い。 うーむ。映画も見てみたい。

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2021/09/12

『ティファニーで朝食を』読了。 ホリーの天真爛漫で自由奔放さに惹かれた青年の懐古話で。 ホリーは独立した人格の象徴でもあった猫を青年に託すまでに彼を心から許せる存在になっていたのかなって思う。 けど、ホリーはそれをあまりみせない。 そこがなんとも焦ったくおセンチな気持ちになりまし...

『ティファニーで朝食を』読了。 ホリーの天真爛漫で自由奔放さに惹かれた青年の懐古話で。 ホリーは独立した人格の象徴でもあった猫を青年に託すまでに彼を心から許せる存在になっていたのかなって思う。 けど、ホリーはそれをあまりみせない。 そこがなんとも焦ったくおセンチな気持ちになりました。 村上春樹が翻訳なんだけど言葉選びが素敵でね… なんていうか、ホリーの自由奔放な感じを嫌らしく表現してないところがいい。 猫みたいな人をうまく表現していて。すごい好き。 2019.12.14(1回目)

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