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料理人 の商品レビュー

3.7

68件のお客様レビュー

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    13

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2013/10/24

2013年のハヤカワ文庫フェアで購入。 グロテスクでもあり、不気味でもあり、しかし妙に面白い。著者について殆ど情報が無いのもミステリアス。 登場する料理が描写の量に比べて美味しそうなのもいい。 『奇妙な味』系が好きな人なら楽しめる。

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2013/01/11

じわじわくる。 終盤まで、彼の目的は不明なまま。だが、“何かがある”ことは示唆され続ける。 ゆっくり、しかし確実に、まるでそれが当然であるかのごとくターゲットを洗脳し邪魔物を排除していく様は気味がいいほどである。 彼の料理に、侵されたくなる。

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2012/10/03

なともまぁ不気味な小説でした。主人公の感情を描写しないあたりが白夜行にも通じる不気味さを醸し出しています。 淡々とストーリーが進み、主人公の真意や本音が語られぬままエピローグまですらっと読まされる感じですね。 翻訳物にしては読みやすいと思います。 スッキリはしないし、オチもだい...

なともまぁ不気味な小説でした。主人公の感情を描写しないあたりが白夜行にも通じる不気味さを醸し出しています。 淡々とストーリーが進み、主人公の真意や本音が語られぬままエピローグまですらっと読まされる感じですね。 翻訳物にしては読みやすいと思います。 スッキリはしないし、オチもだいたいわかっちゃうけど、雰囲気小説としては十分面白いと思います。

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2012/09/29

20120929 たんたんとフィナーレに向かって話しが進む。好きな事をしている事が幸せなのだろうか。それは本人の気持ち次第。

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2012/09/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

予備知識ナシに偶然手にとった作品、文庫裏表紙にはこうある。 「小高い丘の上にそびえるプロミネンス城。今や住む者とてない城の麓に広がる田舎町コブに、ある日異様な男が現れた。飢えた黒鷲のごとき風体のこの男コンラッドは名門ヒル家にコックとして雇われ、悪魔的な腕をふるい始める。…」 著者は経歴が一切伏せられてる覆面作家であるらしい。 主人公コンラッドが悪魔的なる料理の腕をふるって関わる人々を次々に篭絡していく様が、時にユーモラスに描かれており先が気になる文体である。食を通じて人に取り入り、その精神を支配していく様は納得できるとともに、彼等魅せられた人々と同時に読者もまた魅せられている。彼の目的も明確には明かされないまま、これはコンラッドの心象風景を省いていることもあるが、いつのまにか収まるところに収まってしまい周囲の人間もそれを歓迎しているのだ。その傍ら命を落とす人がいるのだが、その原因も語られず、ただ「食」を通じて匂わすことで作風の色をどんより暗いモノとしている。完全犯罪(犯罪かどうかも言及されてはいないが)のピカレスクロマンと類型されると思うが、どうにも読後感が落ち着かない、もって行き場がないのである。 ここで裏表紙に戻るが 「異色のブラックユーモアが冴え渡る‘奇妙な味‘の古典的傑作」 まったくこの通りであった。

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2012/08/13

シニカルな笑いがお好きな人なら是非。オチは予想できるけれど、予想できた通りに終わる気持ちのよさってあるじゃない。

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2012/07/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

天才的なコックがやって来て、人の胃袋を掴み、心を操り始める。その様はいっそ見事である。最後のオチも、コックの真意は掴めず、ただ食に焦点を当てているのが不気味で良い。

Posted byブクログ

2018/12/30

小さな町の名家に雇われた謎の料理人コンラッド。 彼はその料理の腕と都会の名士たちとのつながりを利用して次第に力をつけ、主人たちとの主従関係が逆転していく。その辺りはとてもおもしろい。 何か陰謀があるらしい雰囲気はあるのだが、具体的なほのめかしもなく、どこへ向かっていくのか、最後...

小さな町の名家に雇われた謎の料理人コンラッド。 彼はその料理の腕と都会の名士たちとのつながりを利用して次第に力をつけ、主人たちとの主従関係が逆転していく。その辺りはとてもおもしろい。 何か陰謀があるらしい雰囲気はあるのだが、具体的なほのめかしもなく、どこへ向かっていくのか、最後まで分からない。 しかし、結末を読むと、途中まで真っ当に見えたコンラッドも、結局己の欲望に動かされてそうなってしまったかというのは、オチとしては残念であった。

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2012/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表現の妙とか登場人物への感情移入とか全くなく、純粋にストーリーだけで引っ張っていく話。 謎の料理人が表れて2つの名家をひっちゃかめっちゃかにするので、黒沢明「用心棒」かな、と思いつつ読むうち、料理人が家を乗っ取る筋が見えてくる。 ははあ、サキの「セルノグラツの狼」と同じ理由だな、と思う。(これにもコンラッドという登場人物が出てくる) まあ、乗っ取るんだけど、どうにも落ちがつまんない。 ここまで一気に読ませる面白さがあったんだから、「なるほど」と納得する結末を期待するのが当たり前。 これじゃあねえ。 「セルノグラツ」の方が10分の1の時間で読めるけど、名作ですね。

Posted byブクログ

2012/06/25

ただただ料理の腕が抜群というほかは常に危険な雰囲気が漂う料理人コンラッド。その料理によってのみ人心をつかみ、あれよあれよと言う間に主客転倒する展開はまさに悪魔的。 主人公の思想・感情が最後まで見えないのがエピローグの不気味さを増してる。

Posted byブクログ