デザインのデザイン の商品レビュー
偉大なデザイナー、原研哉さんの思うデザイン論を主体とした本。 うーむ。「白」を読んだ時から感じていることではあるのだけれど、文章がお堅く周りくどい感じがして、最後まであまり入って来ず集中できなかった。その様な文体は苦手... 内容自体は興味深く、特に「リ・デザイン展」と愛知万博の...
偉大なデザイナー、原研哉さんの思うデザイン論を主体とした本。 うーむ。「白」を読んだ時から感じていることではあるのだけれど、文章がお堅く周りくどい感じがして、最後まであまり入って来ず集中できなかった。その様な文体は苦手... 内容自体は興味深く、特に「リ・デザイン展」と愛知万博の話等は面白かった。 ・ゼロから新しいことを生み出すことも創造だが、既知のものを未知化することもまた創造。 ・人間が暮らすことや生きることの意味を、ものづくりのプロセスを通して解釈していこうという意欲がデザインなのである。 ・デザインは生活というポジションから見る文明批評でもある。 ・マーケティングを繰り返して商品開発をすることは、消費者を甘やかしてしまう危険性も孕んでいる。 ・日本の美意識は、辺境から世界を均衡させる叡智として育まれたもの。 ・デザインはコミュニケーション
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デザインの意味、力をかんじられる良著。 メモ ・物の見方や感じ方は無数にある。その無数の見方や感じ方を一定のものやコミニュケーションに意図的に振り向けていくことがデザイン。 ・デザインとはものづくりやコミニケーションを通して自分たちの生きる世界を生き生きと認識することであり、優れた認識や発見は、生きて生活を営む人間としての喜びや誇りをもたらしてくれるはず。 ・アフォーダンス。行為の主体のみならず、ある現象を成立させている環境を総合的に把握していく考え方。 ・日本文化のシンプル志向や空っぽの空間にぽつりとものを配する緊張感の背景。多用極まる文化を受け止める日本は煩雑な文化の溜まり場であり、混沌を引き受け続けることによって、逆に一気にそれらを融合させる極限のハイブリットに到達したということか。究極のシンプル、つまりゼロをもって全てを止揚する。辺境から世界を均衡させる叡智ではないか。
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思っていたよりもデザインの方法論に寄っていた。 いや、もちろん原研哉氏の考え方は窺い知ることが出来たし、そういう発想か!ってなることも多々あった。けど、よりデザイナーやそれを目指す人向けなのかな、と。 勝手に人生論的なものを求めて読み進めてしまった分、星5の感触は得られなかった...
思っていたよりもデザインの方法論に寄っていた。 いや、もちろん原研哉氏の考え方は窺い知ることが出来たし、そういう発想か!ってなることも多々あった。けど、よりデザイナーやそれを目指す人向けなのかな、と。 勝手に人生論的なものを求めて読み進めてしまった分、星5の感触は得られなかった。
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欲望のエデュケーション 住環境の欲望の基準が低い。 ハッとさせられた。 確かに2DKとか庭付きとか、記号化された表現に慣れきっていた。 そっか、広ければいいわけでもない。 豪華な装飾があればいいわけでもない。 どのようにその空間を楽しみたいのか想像を巡らせて、日の光はこう照ら...
欲望のエデュケーション 住環境の欲望の基準が低い。 ハッとさせられた。 確かに2DKとか庭付きとか、記号化された表現に慣れきっていた。 そっか、広ければいいわけでもない。 豪華な装飾があればいいわけでもない。 どのようにその空間を楽しみたいのか想像を巡らせて、日の光はこう照らして欲しい、廊下はこのぐらい幅があった方が動きやすそう。 そうやって考えを巡らせようと思う気づきがありました。 それと、ビジュアル多めの雑誌を作ろうと決めた。
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久しぶりに、色んな人におすすめしたい!と思える良書だった。読んでいくと心が整理されている気持ちになる。
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デザインはコミニュケーションの側面を持つ。その情報の質を左右する。四角いトイレットペーパー、無印、デザインって無数にあって、非常に面白かった。
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デザイナーチームの副読本として読ませようと開いたら、予想外に自分の中に深く刻まれてしまった。特に愛知万博のくだり、とても無念な思いだっただろう。初期のコンセプトが実現したらどんなに画期的で誇れる万博だったことか(今の愛・地球博記念公園の惨状がそれを物語る)。そしてオリンピックでも...
デザイナーチームの副読本として読ませようと開いたら、予想外に自分の中に深く刻まれてしまった。特に愛知万博のくだり、とても無念な思いだっただろう。初期のコンセプトが実現したらどんなに画期的で誇れる万博だったことか(今の愛・地球博記念公園の惨状がそれを物語る)。そしてオリンピックでも同じことを繰り返してしまったんだなぁ、と。
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デザイン 「ものづくりやコミュニケーションを通して自分たちの生きる世界をいきいきと認識すること」 「今日あるものを明日古く見せる」 「生活環境におけるものに対する合理的な味方」 「成熟した文化の佇まいを再創造する」 「どういう形で現代の社会に関与していくかという自らの職能と社会とのスタンスを再認識すること」 機械生産への反発で生まれた 消費への欲望→「新奇性」によって鼓舞される デザインに必要な要素①品質②新奇性③アイデンティティ アフォーダンス:ある現象を成立させている環境を総合的に把握する(etc.傘立ては溝だけで成立する) イメージ 「感覚器官を通じて外から入ってくる刺激とそれによって呼び覚まされたあこの記憶が脳の中で複合、連繁したもの」 現代における書籍:情報を慈しむ媒体 「が」:時として執着を含む、エゴイズムを海、不協和音を発生させる 「で」:抑制・譲歩、一歩引いた理性 「世界合理価値」:「基本」と「普遍」。極めて理性的な観点に立った資源の活かし方。かつて自由経済が保証していた利益の追求にも限界が見え始めた シンボル:意味を盛り付けられる器(日本の国旗) 「着眼大局着手小局」 情報の質を高める→情報の受けての理解力を加速する 「笑い」:極めて制度の高い”理解”が成立している状態
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デザインに対する向き合い方やデザインというものにおける精神性を知ることができる本。 デザインを勉強するには少し不十分だとは思うが、向き合い方と、具体例がいろいろとのっているため、次の学びのきっかけを作ることはできる。
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デザインは編集である。強くて有効なメッセージを発信できる編集である。 《デザイナーとしての自分は意図の明確な、意志的な計画に関与したいと思う。「核反対」とか「戦争反対」というような何かを反対するメッセージをつくることに僕は興味がない。デザインは何かを計画していく局面で機能するもの...
デザインは編集である。強くて有効なメッセージを発信できる編集である。 《デザイナーとしての自分は意図の明確な、意志的な計画に関与したいと思う。「核反対」とか「戦争反対」というような何かを反対するメッセージをつくることに僕は興味がない。デザインは何かを計画していく局面で機能するものであるからだ。》(p199)
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