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しゃぼん玉 の商品レビュー

4.1

315件のお客様レビュー

  1. 5つ

    92

  2. 4つ

    140

  3. 3つ

    54

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    2

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2021/10/27

罪を犯し、荒んだ生活を送っていた若者が田舎の人々のあたたかさにふれて改心する話。 読む前から、ストーリーの展開はなんとなく想像はついた。 でも、泣いた。 いつのまにか物語に引きこまれていた。 悪人のはずの主人公に、ちょっとその気持ちわからなくもない、とだんだん寄り添ってしまうよう...

罪を犯し、荒んだ生活を送っていた若者が田舎の人々のあたたかさにふれて改心する話。 読む前から、ストーリーの展開はなんとなく想像はついた。 でも、泣いた。 いつのまにか物語に引きこまれていた。 悪人のはずの主人公に、ちょっとその気持ちわからなくもない、とだんだん寄り添ってしまうような、繊細な心情描写。 本の紹介文に「卑劣な狂犬」と書かれていたけど、主人公をそんなふうには思えなかったな。小説はあらすじが全てではないということを実感させてくれる一冊でした。

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2021/10/09

 その生い立ちに傷つき自暴自棄となった青年の再生ストーリー。舞台となった山村の描写が絶妙。  母方の実家が限界村落で随分昔に小学校中学校とも廃校になった。高校は下宿が当然の山の中。おまけに平家の落人伝説まである。全国の山の中に逃げたんだなぁ。現実の高齢者はなかなか手に負えないけど...

 その生い立ちに傷つき自暴自棄となった青年の再生ストーリー。舞台となった山村の描写が絶妙。  母方の実家が限界村落で随分昔に小学校中学校とも廃校になった。高校は下宿が当然の山の中。おまけに平家の落人伝説まである。全国の山の中に逃げたんだなぁ。現実の高齢者はなかなか手に負えないけどね。行きたくなりました。

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2021/10/06

実在する村なのか! というのが最大の驚き。話を抽象化すると、よくある悪ガキの更生ストーリーなのかもしれないが、登場人物がいきいきしてるのが読んでいて心地よい。高校がない村、ってのは大変だなあ、、、

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2021/09/20

ストーリー内容は浅いというかあっさりした感じでした。もう少し捻りがあっても良かったと思いますがシンプルな作品が好みの方には読み易いと思いました。

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2021/09/17

田舎町の温かい人たちに出会い、犯罪者の主人公の青年が更生していくが、わりとあっさりしていて少し違和感。

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2021/08/30

非行少年の更正物語。 ありきたりで予想通りな展開ではあるけれど、そういうのが読みたかったとも思う。 何故タイトルがしゃぼん玉であるのか、その理由が少し弱い。

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2021/08/15

久々に小説一気読み。初めての乃南アサ作品。 生きる目的を見失った不良青年が、知らない土地で知らない人たちの優しさに触れてほぐれていく物語。よくある感じの御涙頂戴系かなと思いながら読み進めていたが、怒涛のラスト30ページで涙腺崩壊。まんまとやられました。シゲ爺カッコ良い。 ただ、...

久々に小説一気読み。初めての乃南アサ作品。 生きる目的を見失った不良青年が、知らない土地で知らない人たちの優しさに触れてほぐれていく物語。よくある感じの御涙頂戴系かなと思いながら読み進めていたが、怒涛のラスト30ページで涙腺崩壊。まんまとやられました。シゲ爺カッコ良い。 ただ、犯罪者側は勝手に救われた気になってるけど、傷を負わされた、巻き込まれた被害者もいるわけで、そっち側が心の底から回復するのってどうしたらいいのかなと。語り手側じゃない視点もあることを忘れないようにしたい。なんてことを小説を読みながら思ったのは初めての、不思議な読書体験だった。

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2021/08/02

あらすじはシンプルだが、心象表現が巧みで読むことに没頭してしまう。家庭環境で投げやりになる子は少なくない。立ち直るのは本人の心根なのだが、きっかけは村のような集合体での周囲の人の影響って大きいと思う。「人並み」から落ちこぼれないようあくせくすることが決して幸せではない。2021....

あらすじはシンプルだが、心象表現が巧みで読むことに没頭してしまう。家庭環境で投げやりになる子は少なくない。立ち直るのは本人の心根なのだが、きっかけは村のような集合体での周囲の人の影響って大きいと思う。「人並み」から落ちこぼれないようあくせくすることが決して幸せではない。2021.8.2

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2021/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ひったくりやコンビニ強盗などを繰り返しながら、その日暮らしで生活する主人公。親から愛情を受けることもなく、父が母に暴力を振るい、母からは「父親にそっくりだ、あんたなんか生まなければよかった」とののしられながら育ち、何もかもどうでもよいと思っているし、何一つ頑張ることができない。自分の未来を思い描くこともできない。 そんな主人公がたまたまたどり着いた、山奥の村。高齢者ばかりの村で、重宝がられ、今まで食べたことのないような素朴でおいしい手料理でもてなされ、ちょっとしたことでほめられ、自分を認められていくうちに、彼の中で何かが変わってゆく。 文庫本の帯に、「涙なくしては読めない」と書いてあったけど、終盤まで「これ、どうやって涙のエンディングになるかいなー?」と思っていた。しかしやはり、そこは作家の力量!主人公が、お世話になったおばあちゃんに言った一言、その一行で泣きました。 現実の世界ではなかなか難しいことだとは思うけど、成育歴に問題があって犯罪を繰り返してしまう若者が更生に必要なのは罰ではなく、誰かにしっかりと見守られ、自分は必要な存在だと感じることができ、未来を思い描いて頑張れる、という環境なのだと(そのために自ら罪をつぐなおうという気持ちになれることだと)いうことが強く感じられる作品でした。

Posted byブクログ

2021/07/06

展開は想像通りではありますが、人物の内面の描き方が丁寧だなぁと感じました。翔人が犯罪を犯してしまう気持ちの流れも、スマ婆やシゲ爺の含蓄あるひと言一言や醸し出す雰囲気が目に浮かんで、さもありなんと納得させられます。

Posted byブクログ