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かたみ歌 の商品レビュー

3.7

282件のお客様レビュー

  1. 5つ

    36

  2. 4つ

    116

  3. 3つ

    98

  4. 2つ

    11

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2013/11/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。 昭和の香りと死の雰囲気が漂う少し怖くて、でも優しい連作短編集。 どの話も胸に染みるものがありました。特に気に入ったのは次の2つです。 「夏の落し文」…天狗の落し文が貼られ、子供が行方不明になってしまう。 弟の目線から描かれた兄が、強くて優しくて、かっこいい。 「兄ちゃんは、なんでそんなに優しいの?」 「優しくされて嬉しいと思ったら、お前も誰かに優しくしてあげろよ。」 兄には出生の秘密もあるのだが、そんなことは関係なく弟にとっては、ヒーローのような絶対的な兄だったんだろうなと思います。 「栞の恋」…古本に挟んだ栞で文通を始めた。その相手は何十年も前の人で、時空を超えた恋をしていたのだ。 何年も前の世にも奇妙な物語で使われたエピソードだと思います。とても印象に残っていた話で、偶然パラパラとめくった本書にこの話があったため、購入しました。 好きな人に手紙を送るって、文通をするって、いいなーと思いました。

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2013/09/23

連作短編集。 最終話で少し救われた様な救われない様な複雑な読後感。他の話の登場人物のその後が気になる。 カブに喩える父親のセンスと「イッパチマン」って名付ける兄のセンスが好き。小学生の頃の自分なら「テンエイトマン」と名付けたと思います。

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2013/09/03

昭和の、とある商店街あたりに暮らす人々を描いた短編集。人情ものかと思ったら、そうではあるんだけど、軽くホラーだった。 おもしろかったです。

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2013/08/25

ある下町の商店街を舞台にした7つの物語からなる短編集。どの話も<死>が関係しちょっと背筋のゾクッとするようなエピソードだが、舞台となっている商店街の雰囲気や個性ある登場人物達がその怖さをほんのり暖かく切ないものに変えてくれている。他の話の登場人物が再登場したりと小さな仕掛けをして...

ある下町の商店街を舞台にした7つの物語からなる短編集。どの話も<死>が関係しちょっと背筋のゾクッとするようなエピソードだが、舞台となっている商店街の雰囲気や個性ある登場人物達がその怖さをほんのり暖かく切ないものに変えてくれている。他の話の登場人物が再登場したりと小さな仕掛けをして最終話でとてもきれいにまとめていて読後感がとても良い。

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2013/08/09

同じ場所を舞台にしたちょっと不思議な雰囲気を持つ短編集 少しずつ違う味付けがしてあるのに 包む空気が似ている 冒頭の作品が一番心に残った 自分の時間が欲しいと思うと ちょっと後ろめたく感じるもの

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2013/07/19

積読だった本、いつ買ったのか、どうして買ったのか記憶にない。不思議な短編集。解説にあるように、もの哀しいけれどほのぼのとした、ぞくりとさせながらも郷愁を誘う、そんな小説。最初は読みにくかったけど、どんどん惹きこまれました。

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2013/06/26

作品の一つ、「栞の恋」を紹介され興味を持って読んだ本。 昭和が舞台なので平成生まれの私は想像で補いながら読むのだけど実際にこの時代の昭和を生きた人が読んだらもっと楽しめるのではないのでしょうか。 「紫陽花の頃」はどことなく漂う悲しさに抒情性を感じ、 「夏の落とし文」に切なさと...

作品の一つ、「栞の恋」を紹介され興味を持って読んだ本。 昭和が舞台なので平成生まれの私は想像で補いながら読むのだけど実際にこの時代の昭和を生きた人が読んだらもっと楽しめるのではないのでしょうか。 「紫陽花の頃」はどことなく漂う悲しさに抒情性を感じ、 「夏の落とし文」に切なさと怖さが混ざり、 「栞の恋」は思っていた結末と違ったが、恋する少女のトキメキを味わった。 3作も読むと「幸子書房」が次の話ではどう関わるのか楽しみで楽しみで。 次の話を読むたびに「幸子書房」キタ!と思いましたね。 「おんなごころ」は本当に亡くなったまちこちゃんがかわいそうで、ラストの初恵さんの嘆きとイラつきにぐっときました。 「ふざけるんじゃないわよ!」この一言に全てが込められていると思います。 「ひかり猫」もどんでん返しがされましたが私も動物を飼っている分、もっと可愛がってやろうという気になりました。 「朱鷺色の兆し」も怖かったですね。人の死ぬ予兆が見れるなんて精神的に辛いな。 「枯葉の天使」でやっと謎めいた「幸子書房」の店主があきらかにされ、読者もすっきりしました。きちんと全編を通してちりばめた伏線を見事に回収しましたね。 「幸子書房」の店主は生と死の中間にいるようなイメージがありました。この街で起きる不思議話を難なく受け入れていたので、異界の人間かなとも思いましたが彼も普通の人間の一人だったんですね。 どの話も甲乙つけ難くって、あえて一番私が切なくなったのは「夏の落とし文」でしょうか。弟がいるので余計に感情移入をしてしまったのだと思います。次に「おんなごころ」。遠い事件の様だけど実はありがちな事件であるとも言えるでしょう。 「死」が続く作品ゆえにそれに伴うもの悲しさがあるのだけど最後の話で「生」が生まれた。正に一周した感じですね。 いろいろ考えさせるところも多々あり、どの話もしんみりと切なくもおもしろかったので朱川さんの他の話もぜひ読んでみたいです。というより読みます。

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2013/05/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

時は昭和40年代、東京の下町にあるアカシア商店街で起こる出来事を中心とした連作短編集。 ノスタルジックな雰囲気でちょっとホラー。

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2021/09/01

初めて読んだ作家さんです。勧められて読みましたが、読んで大正解でした。幽霊にまつわる話ばかりで怖さもありますが、それ以上に切なくて深い感動が心を満たしてくれます。舞台が昭和レトロの街なのも懐かしさがあっていいですね。たくさんの人に読んでもらいたい作品です。

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2013/07/01

<情報学部 3年 N> 企画コーナー「わたしの本棚」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。 展示期間中の貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2013/4/16-5/31まで】 湘南OPAC : http://sopac.lib.bunky...

<情報学部 3年 N> 企画コーナー「わたしの本棚」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。 展示期間中の貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2013/4/16-5/31まで】 湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1585146

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